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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「目標志向」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

実行力の資質である「目標志向」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「目標志向」を上位に持つ人の根源にあるのは、明確な目標を定め、そこに狙いを絞って集中し、達成したいという欲求です。

原語はFocus。焦点を合わせる、何かに集中させる、という意味合いです。つまり「目標志向」を上位に持つ人にとっては、今やるべきことを一つに絞り込むことが大事なのです。一点に絞り込むからこそ、限られた力を集中して取り組め、目標を達成しやすい。ひとたび「これを実現しよう」「こうなりたい」と目標が定まると、がぜんやる気が上がり、集中力が高まります。

そして、何をやるにしてもその目的を明確にして取り組みます。「◯◯のために△△をやる」を明確に持っているのです。逆に言えば、目的の見えないことに自分の時間を費やすことをしません。自分の限られた時間と力を、無駄なことに使うのを避けるためです。やるべきことを絞る。狙いを定める。力を集中させる。意識を集中する。そこにすべてが集約していく。この「絞って、集中して、達成したい」という欲求こそが、「目標志向」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

絞って集中したい欲求は、まず「一度に一つのことに取り組む」という形で表れます。

「目標志向」を上位に持つ人は、やるべきことを一つに絞り、そこに全力を集中させます。仕事の進め方で言えば、複数のことを同時に進める型ではなく、一つずつ片づける型です。一度にやることを一つに絞って集中して取り組み、それが終わってから次に取り組んでいく。そして、やるべきことを一つに絞れたときの集中力が、異常に高いのも特徴です。

本当に集中しているときは、周りの音が耳に入らなかったり、食事を摂ることすら忘れてしまったりします。周りから声を掛けても気づかず没頭している人は、「目標志向」を上位に持っているかもしれません。

次に、「日付と数字の入った目標を立てる」という形で表れます。ここで言う目標とは、達成すべき日付が入っていること、そして何をもって達成したと言えるのかの客観的な指標が入っていることが大事です。いちばんわかりやすいのは「◯◯試験に合格」のようなものです。試験日は明確に決まっているし、合否という形で達成できたかどうかも明確です。

この種の目標ができると、達成すべき日から今へとさかのぼり、いつまでに何をやって成果を積み上げていくのかの計画を立てます。途中に中間の目標を置き、きちんと優先順位をつけて、計画的に一つひとつ実行していく。そうやって、設定した目標を着実に達成します。

「達成欲」を併せ持っていると、ものすごい勢いで目標に突き進むことになるでしょう。単体では「学んでどうする」という目的を持たない「学習欲」でも、「目標志向」との掛け合わせでは「何のために学ぶのか」が比較的明確になっていることが多いです。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「目標志向」を上位に持つ人は、目標となる成果を、一直線に、最短で達成する人になります。

どんなに大きなことでも、それを小さくかみくだき、一つひとつを着実に実行すれば必ず達成できることを知っている。目の前のことに集中し、一つひとつを積み重ねていけば、どんな大きなことでも成し遂げられる。それを見せてくれる資質です。

チームや組織の中では、皆の意識を一つの目標に向けて収束させる存在になります。「目標志向」を上位に持つ人が発する「この会議の目的は何?」「この議論はどこに向かっているの?」という疑問の声は、発散しがちな会議を一点に向かって収束させます。皆が知らず知らずのうちに行き先を見失ったとき、それを思い出させてくれるのです。目的を明確にしないままだと、いつの間にか手段が目的化してしまうことも多いものですが、チームや組織がそのわなに陥ることを防いでくれます。

そして、今やるべきことを一つに絞るということは、今やらないことを選択することと同じです。多くの人は、やらなくてよいことにも、ついつい無駄に時間を費やしています。「目標志向」を上位に持つ人は、やらないことを選択することの大切さを教えてくれます。有限の力を、共通の目標を達成するために無駄に消費させることなく、必要なことに集中させて成果を出していく。そういうリーダーシップを発揮できる才能です。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず目標が定まっていないときにふらふらしてしまいます。

「目標志向」を上位に持つ人は、常に自分がどこに向かおうとしているのかを自分に問うています。行き先が明確になって初めて、今やるべきことが明確になる感じです。逆に言えば、明確な行き先を設定できていないと、何をどうしていいかわからず、ふらふらした感覚が出てしまいます。それくらい、明確なゴールを設定することが大事だということです。

そういうときは、あまり大きな目標を定めようとするのではなく、目先に小さな目標を置いて取り組むなど、とりあえず動くということをやってみるといいと思います。動いていれば、何かに出会って、そこからまた先の目標とすべきことが見えてくるかもしれません。「活発性」も上位であれば、なおのこと「まず動く」が大事です。

目標は、無理やり立てるものではなく「見つかる」ものなのかもしれません。人によっては「与えられる」ものかもしれないし、「湧いてくる」ものかもしれないし、「絞り出す」ものかもしれません。その意味で、取り立てて目標のない時期をどう過ごすのかが大事なのだと思います。

たとえば「活発性」と「着想」を併せ持つ人であれば、気持ちの向くままにいろんなことに手を出しているうちに「これだ」が見つかるかもしれません。「学習欲」と「収集心」を併せ持つ人であれば、好奇心に任せていろんな情報を集めて学ぶことで、その先に行き先が見えてくるかもしれません。本来は「何のために」が先にあっての学びだと思いますが、ここではあえて「何のために」を外して、意識的に好奇心を前面に出すといいと思います。

「コミュニケーション」が高い人であれば、誰かに話を聞いてもらうことで自分の進むべき方向が明確になりやすいです。「内省」「慎重さ」を上位に持つ人であれば、どこに目標を定めるのかをじっくり考える時間を確保することです。「最上志向」を併せ持っていれば、最初からあまりハードルを上げすぎないよう意識することも大事かもしれません。

もう一つは、集中するあまり視野が狭くなることです。強みと弱みは表裏一体で、「目標志向」の場合は、スイッチが入ったときの高い集中力が強みでもあり、弱みでもあります。自分が今やろうとしていることに集中するあまり、自分の今のやり方に固執してしまう。他のやり方に切り替えた方がいいかもしれないのに、気づかないまま壁にぶつかり続けてしまう。ひとたび集中すると周りに注意が向かなくなり、周りの人の声に耳を傾けなくなってしまうこともあります。

すると、本人にそのつもりがなくとも、人の意見に耳を傾ける柔軟さに欠けているように見られてしまうかもしれません。それはもったいないですよね。大事なのは、自分は何かに集中すると周りが見えなくなる特性を持っているのだと自覚し、そういう自分を客観視しておくことです。

そうすれば、何かに行き詰まったとき「あ、また視野が狭くなっているな」と自分で気づけます。気づければ「他のやり方はないだろうか」と自分に問いかけられるし、「他の人の意見も聞いてみよう」とも思えます。とはいえ、本当に集中してしまうと客観視することすら忘れてしまうかもしれないので、視野が狭くなっているときに肩を叩いて気づかせてくれる人をそばに置いておくのも効果的です。

そして、周りの人の気持ちを置いていってしまうことです。目標達成に向かっているときは、その役に立つこと以外が目に入らなくなる傾向があります。他の資質との組み合わせにもよりますが、周りの人を目標達成のために必要なコマとして扱ってしまうように見られる可能性があるということです。

もっと正確に言えば、本人にはそんなつもりはなくても、何かを指示や依頼される側からしたら、都合よく使われているように感じられてしまうことがあるのです。特に「達成欲」も併せ持っていると、ブルドーザーのごとく目標に向かって突き進む感じになるので、時折周りを見渡して皆がついてきているかを確認することを意識しましょう。

「共感性」や「調和性」を併せ持っていれば人の気持ちを置いていくことはないと思いますが、そのぶん「行きたいけど、行けない」という葛藤が生じるかもしれません。これも、そういう自分であることを受け入れて、場面場面で自分の言動を自分の責任で選択するしかありません。むしろ、周りもうまく巻き込みながら目標達成できる強みだと認識しましょう。

効果的に活かす方法

「目標志向」を効果的に活かす鍵は、より生産的な目標を設定することと、周りへの配慮を目標達成に必要なこととして組み込むことです。

まず、「目標志向」を上位に持つ人は、自分の定めた目標を達成し、成果を出すことに強くコミットします。だからこそ、その力をどこに向けるのか、より生産的な目標を設定するという意識が大事です。いつまでに、何をどうするという明確な目標を立てることが、この資質を活かす上で必要なことです。

次に、周りへの配慮です。周りの人たちが気持ちよく協力してくれてこそ、一人ひとりが良い状態でいてくれてこそ、望んだ成果を早く、確実に手に入れられます。「目標志向」を上位に持つ人は、目標達成に意味のあることしか取り組もうとしません。逆に言えば、周りの人に配慮することが自分の目指す成果を早く手に入れることにつながるのだと意味づけできさえすれば、それを確実にやるのも「目標志向」なのです。

目標達成のためにはチームとしての協業が必要であり、そのために時折意識的に立ち止まって周りの人のケアをすることを、計画の一部として入れておく。そういう工夫があり得ると思います。いちばんいいのは、自分が苦手なことを補ってくれる人、たとえば「共感性」を上位に持つ人などに手助けをお願いすることです。

人の気持ちをケアしてくれるパートナーがいれば、自分自身は心置きなく目標達成に集中できます。ただ親交を深めるだけの飲み会や交流会に意味を見出せない人も、他の人との心の距離が近づくことで力を発揮できる人がいるのだと考え、そこを目的にすえれば、意味を見出せるかもしれません。

そして、自分が当たり前にやっていることを、周りに伝えることです。「目標志向」を上位に持つ人は、細部にわたって計画を立て、細かなことの積み上げが目標達成につながるように設計しています。人によっては計画がざっくりしすぎていて、一直線に目標達成に向かうのが苦手な人もいます。そういう人たちに、自分の計画の立て方を伝授して貢献する。

やりたいことがあるのにどうしていいかわからず立ち止まっている人に、どんなに大きなことでも小さくかみくだいて一つひとつ実行すれば必ず達成できるという思考を教えてあげる。それも一つの他者貢献です。チームメンバーが脇道に逸れようとするときには、きちんと軌道修正して、やる必要のないことに時間を割かないように、必要なことに集中して取り組むことを求められる。そういう役割も担えます。

対比される資質

「適応性」と「目標志向」は、未来との向き合い方が対照的です。「目標志向」を上位に持つ人は、未来の目標を見すえ、そこに狙いを定めて一貫して行動し続けます。「適応性」を上位に持つ人は、今この瞬間に起こることを受け入れて対応したいという欲求から、未来は常に変わり得るものととらえ、その時々の変化に柔軟に対応していきます。

一度目標を定めてそこに向かっているときに方向転換することに抵抗感が出るのが「目標志向」です。「アレンジ」「適応性」「戦略性」など変化に追随できる資質も併せ持っていればその感覚は薄いと思いますが、そうでなければ「なぜ、いまさら」という気持ちになるかもしれません。何事も変わり得るのが事実ですから、自分の思考のクセを踏まえた上で「そういうこともある」と受け入れるようにしましょう。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「目標志向」から見れば「適応性」は行き先を決めずに流されているように見え、「適応性」から見れば「目標志向」は決めたことに固執しているように見える。しかし、目標に向かって一直線に進む人と、変化にその場で対応する人は、どちらも組織に欠かせません。

他の資質との組み合わせ

「目標志向」と「達成欲」が組み合わさると、ものすごい勢いで目標に突き進む人になります。「達成欲」には、取り掛かって終わらせたい、同じ時間でより多くのことを成し遂げたいという欲求があります。絞った目標に、量をこなす力が加わるので、目標達成に向けた行動がさらに力強くなり、多くの成果を上げられます。一方で、ブルドーザーのように突き進みがちなので、周りがついてきているかを時折確かめる意識が要ります。

「目標志向」と「規律性」が組み合わさると、目標に向かって計画通りに一貫して進んでいく人になります。「規律性」には、何事も秩序立った、予測の立つ状態にしておきたいという欲求があります。目標を定めて手順に落とし込み、それを日々のルーティンとして着実に実行していくので、長期的な目標ほど確実にたどり着けるのです。

「目標志向」と「未来志向」が組み合わさると、描いた未来を現実にしていく人になります。「未来志向」には、こうなったらいいなという未来を思い描き、そこに向かって進みたいという欲求があります。「未来志向」が描いた未来像を、「目標志向」が日付と指標の入った目標に置き換えて実現するための行動を促すので、夢を夢で終わらせません。

「目標志向」と「最上志向」が組み合わさると、目標を達成するだけでなく、その質にもこだわる人になります。「最上志向」には、優れたものをさらに引き上げたいという欲求があります。絞り込んだ一つのことに集中する上で、そのやり方や成果をより良いものにしようとするので、達成の確実さと質の高さが両立します。ただし、最初からハードルを上げすぎない意識も大事です。

このように、「目標志向」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。明確な目標を定め、そこに絞って集中し、達成したい。目の前のことに集中し、一つひとつを着実に積み重ねていけば、どんな大きなことでも成し遂げられる。それを、周りの人に見せてくれる資質なのです。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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