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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「規律性」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

実行力の資質である「規律性」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「規律性」を上位に持つ人の根源にあるのは、何事も秩序立った、予測の立つ状態にしておきたいという欲求です。

原語はDiscipline。規律、統制、戒律などの意味があります。ギャラップの解説には、「規律性」には空間的なものと思考の進め方に関するものの二つがあると書かれていますが、私の感覚としても同意です。空間的な規律とは、端的に言えば、身の回りが整理整頓されている状態を好むということ。思考の進め方の規律とは、何事も手順を定め、その通りに進めていくことを好むということです。

その根っこにあるのは、無駄なことに自分の思考を使いたくない、思考をできるだけシンプルに保ちたいという感覚だと私は思っています。身の回りがきちんと片づいていれば、何がどこにあるかを把握できているので、「探す」ことに時間を使う必要がありません。毎日同じ手順を踏めば、その都度考える必要がありません。普段と違うことをやれば、そこには予測できないことが起こるかもしれず、余計な思考を働かせなければならなくなる。

だから「規律性」を上位に持つ人は、混沌とした状態を好まず、一定の秩序が保たれ、先が見通せている状態を求めるのです。この「秩序立った、予測の立つ状態にしておきたい」という欲求こそが、「規律性」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

秩序を求める欲求は、まず「習慣化、ルーティン化」という形で表れます。

「規律性」を上位に持つ人は、「これをやる」と決めたことを苦もなく続けることができます。「規律性」を上位に持たない人にとっては「どう続けるか」が課題であるのに対し、「規律性」を上位に持つ人は、むしろ続けないことが気持ち悪く、ストレスになるのです。決して義務感ではなく、続けないと気持ちが悪いという感覚です。

同じ時間、同じタイミングで同じことをやることを好み、朝起きてから家を出るまでの動きが細かく決まっていたり、毎日同じ時間の電車の同じ車両の同じ座席に座っていたりします。一度築いた生活のリズムを崩さず、そのぶん余計なことを考えずに済むのです。

次に、「使ったものは必ず元に戻す」という形で表れます。すべての物には所定の場所があり、使ったら必ずそこへ戻す。書類はきちんと順番に並べておく。それによって「探す」という無駄な時間を省いていきます。整理整頓が徹底していて部屋がとてもきれいに保たれている人が多いのは事実ですが、必ずしも全員がそうだとは限りません。

求めているのは「きれいな状態」ではなく、そこに「秩序」があることです。一見ごちゃごちゃしているのに、物を動かされるのを極端に嫌う人がいますよね。そういう人は、どこに何が置いてあるかをすべて把握していて、その配置でないと気持ち悪いのです。それが、その人にとっての秩序立った状態なのです。

そして、行き当たりばったりに物事を進めることは基本的にありません。長期的に取り組むべきことがあると、やるべきことを挙げ、どんな手順で実行していくかの計画を立て、日々のルーティンに落とし込んでいきます。そうしておけば先々やることが決まっているので、その都度考える必要がありません。

自ら予測可能な状況を作り出すのです。同じことをやる場面ではイチロー選手を思い出します。打席に入るときの動作も決まっていて、試合後の道具の手入れが徹底されているところにも「規律性」を感じます。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「規律性」を上位に持つ人は、混沌とした状態に秩序をもたらす人になります。

何事も手順を定めてルーティン化しておけば、誰がやっても、何回やっても、毎回同じ質の成果が保証されます。「規律性」を上位に持つ人は、再現性高く、同じ成果を出し続けられる人なのです。自分の責任範囲にあることは、予定通りに、確実に滞りなく進めていきます。チームの中にあって、その確実性は際立っており、大きな存在感があります。メトロノームのように、正確なリズムを刻んでくれる存在です。

秩序立てていく思考なので、秩序を乱すようなノイズ、つまり意味のない無駄なことを自然に排除していきます。二度手間や手戻りのないように、まず全体の進め方をきちんと設計する。変化の多い環境にあっても場当たり的な対応を取るのではなく、全体を見て、変わったなりに秩序のあるやり方に組み立て直そうとします。そのぶん対応に時間が掛かることはあっても、長い目で見るとその方が無駄がなかったりもします。

物事が秩序立っているということは、日常のストレスを減らすことでもあります。使いたいものがいつも同じ場所にあれば探す無駄が省け、毎日同じ手順を踏めば思考の無駄が省ける。様々なものが複雑に絡み合い混沌とした世の中に秩序をもたらし、決めたことを日々繰り返し積み上げてやり遂げることの偉大さを教えてくれる。それが「規律性」という資質です。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず変化に対して抵抗感が出ます。

「規律性」を上位に持つ人は、未来が予測可能であることを無意識に求めます。その裏返しで、不測の事態を歓迎しません。予定していたことが「変わる」ことに抵抗感が出てしまい、急な予定変更が重なるとストレスになります。一度習慣化したことは当たり前にその通り実行するので、傍から見るとかたくなにそうしているように映り、柔軟性がない、融通が利かないと見られることもあるかもしれません。

もちろん、身の回りのすべてが予定通りに進むわけではないことは、本人もわかっています。それでも、状況の変化に応じて自分の予定を変更することへの抵抗感は、感覚として出てしまうのです。その抵抗感そのものは、どうしようもありません。だから、何でもかんでも融通を利かせようとするのではなく、自分は変更に抵抗感が出てしまうのだと自覚した上で、目の前の変化に対応すべきかどうかを客観的に判断します。そして、必要とあらば「頑張って」対応していくことだと思います。

そして、ここで大事なのは、「規律性」を上位に持つ人は、急な変更に抵抗があるだけで、変えることそのものがダメなわけではないということです。むしろ、変更の後の混乱を秩序ある状態に戻していくことが得意なのです。

十分な時間があれば、変更の後に起こり得ることを想定し、何をどういう順序で整えていくかを考えられます。だから、周りの人は、何かを変えなければならないときはできるだけ早めに伝えて、備える時間を与えてあげてください。時間さえあれば、着々と秩序立てて備えをして、混乱のない滑らかな変更を成し遂げてくれるはずです。

もう一つは、周りの人にいらいらしてしまうことです。「規律性」を上位に持つ人は、必ずしも周りに自分と同じようにルーティン化することを求めるわけではありません。あくまで自分自身が秩序立った環境の中で安心感を得たいのであって、他者にそれを強要するわけではないのです。それでも、周りの人が使ったものを元に戻さず、毎回探さなければならない状況はストレスになります。

自分と違う資質を上位に持つ人は、環境を秩序立ったものにすることが得意ではないし、もっと言えば、変化があること(「アレンジ」「適応性」)や混沌としている状態(「着想」)を好むことすらあります。そのことを知っておきましょう。その上で、自分がなぜ秩序立った状態を求めるのかを周りに説明し、理解してもらうことです。自分の思考パターンは自分だけのものであり、世の中全体から見れば必ず少数派であることへの自覚が大事です。どんな資質でもそうですが、相互理解が大事ですね。

効果的に活かす方法

「規律性」を効果的に活かす鍵は、「想定外」を「想定内」にしておくことと、秩序をもたらす才能を周りへの貢献に向けることです。

まず、不測の事態への備えです。「適応性」を上位に持つ人は「起こってしまったことは仕方ない」の感覚ですぐに状況を受け入れられますが、「規律性」が上位で「適応性」が下位だと、その感覚が薄いと思います。だから、不測の事態に遭遇するとあたふたしてしまい、必要な対応が遅れがちです。

これを防ぐには、いかに不測の事態を予測しておくかです。矛盾したことを書いているようですが、不測の事態とはいえ、その多くは「こういうことも起こり得る」と事前にある程度想定できることが多いのではないかと思うのです。あらかじめそういう事態を想定しておいて、実際に起こったときに自分が取るべき行動の手順を決めておく。

そうすることで、想定外を想定内にしてしまうのです。もちろんすべてを想定内にすることは不可能ですが、その場合も「本当の想定外が起こったら、まず◯◯さんに相談する」程度のことは決めておけます。それを決めておくだけでも、気持ちはだいぶ楽になります。

次に、繰り返し同じことを確実に実行できるその才能を、どういう成果に向けるのかを意識することです。たとえば健康面で言えば、「毎日こういう運動をする」と決めてしまえば着実に実行するので、確実な成果に結びつきます。客観的に見て生産的なことをやろうとしているか。そこを意識することで、秩序立てて物事を進めていく才能がより活かされます。

そして、周りへの貢献です。「規律性」が低くて、定期的にやると決めたことをきちんと実行するのが苦手な人が多い職場では、必要なことを実行するきっかけを作る役を担うといいと思います。口頭で声を掛けるでも、メールで思い出させるでもいい。空間的なものであれば、自らお手本を示しつつ、整理整頓のためのルール作りを率先してやっていくのもいいでしょう。「規律性」と比較的合わせて上位に来ることの多い「公平性」も併せ持っていると、ルールや基準作りも得意です。

思考の整理整頓が苦手な人は、混沌として情報が整理されていない状態をそのまま扱おうとしがちです。そういう場面で「まずは皆が持っている情報を出し合おう」「この中で必要な情報はどれだろう」「重要度で優先順位をつけるとどうなるだろう」と問いを投げかけます。

そうやって、有用なものとそうでないものが入り混じった状況をうまく整理していけるのも、「規律性」を上位に持つ人です。自分の「秩序立てる」才能をどう他者貢献として活かせるかを考えるのが、この資質を強みとして活かすコツです。

対比される資質

「適応性」と「規律性」は、先の見通しとの付き合い方が対照的です。「規律性」を上位に持つ人は、予測が立つことを大切にし、一度決めた手順やスケジュールに忠実に動くことを好みます。「適応性」を上位に持つ人は、今この瞬間に起こることを受け入れて対応したいという欲求から、先々は予測できないのが当たり前で、だからこそ楽しい、という感覚すらあります。「適応性」を上位に持つ私にとっては、決めたことを苦もなく続けられる感覚はまったく理解できず、うらやましくもあります。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「規律性」から見れば「適応性」は行き当たりばったりに見え、「適応性」から見れば「規律性」は融通が利かないように見える。

しかし、対極にいるだけに、相互協力の関係が築きやすいのもこの二つです。定期的に繰り返し実行が必要なことに対しては「規律性」がきっかけを作ってあげ、不測の事態が起こって緊急で何かを変えなければならないときは「適応性」の即応性を頼る。秩序をもたらす人と、その場で対応する人は、どちらも組織に欠かせません。

他の資質との組み合わせ

「規律性」と「公平性」が組み合わさると、ルールや基準を作ることが得意な人になります。「公平性」には、誰に対しても同じ基準で公平に接したいという欲求があります。秩序立てたいという欲求に、皆に同じように当てはまる基準を求める欲求が重なるので、誰もが従いやすいルールや仕組みを整えられるのです。比較的合わせて上位に来ることの多い組み合わせです。

「規律性」と「目標志向」が組み合わさると、目標に向かって計画通りに一貫して進んでいく人になります。「目標志向」には、明確な目標を定め、そこに向かって迷いなく進みたいという欲求があります。目標を定めて手順に落とし込み、それを日々のルーティンとして着実に実行していくので、確実に成果にたどり着けるのです。

「規律性」と「分析思考」が組み合わさると、筋道の通った手順を組み立てる人になります。「分析思考」には、なぜそうなるのかを知り、筋が通っていることを確かめたいという欲求があります。全体の進め方を設計するときに、なぜその順番なのかを筋道立てて考えるので、手順の精度と信頼性が高まります。

「規律性」と「最上志向」が組み合わさると、決めた手順を守りながら、その手順をより良いものに磨き続ける人になります。「最上志向」には、優れたものをさらに引き上げたいという欲求があります。同じ手順を繰り返す中で、より無駄のないやり方がないかに目が向くので、再現性の高さに加えて、成果の質も上がっていくのです。

このように、「規律性」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。何事も秩序立った、予測の立つ状態にしておきたい。混沌とした状態を秩序立て、すべてを予測可能な状態に整えていく。そこに「規律性」の強みがあり、決めたことを日々繰り返し積み上げてやり遂げることの偉大さを、周りの人に教えてくれるのです。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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