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34資質完全ガイド「適応性」|ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)

ストレングスコーチの知識茂雄です。

人間関係構築力の資質である「適応性」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「適応性」を上位に持つ人の根源にあるのは、今この瞬間に起こることを受け入れ、それに合わせて柔軟に対応したいという欲求です。

原語はAdaptability。文字通り「適応性」「順応性」という意味で、ここで言う適応、順応とは、今この瞬間の状況に合わせて柔軟に適応していくという意味合いです。「適応性」を上位に持つ人のありがちな心の声は「仕方ない」です。何が起こったにしても「起こってしまったことは仕方ない」と受け入れてしまえるのが、この資質です。

その根っこにあるのは、「未来は常に変わり得るもの」という感覚です。「適応性」を上位に持つ人が見ているのは、常に「今」です。時間軸に対する窓の幅が狭いイメージで、過去にもこだわらずすぐに忘れてしまうし、先の未来を「こうなる」「こうする」と固定化して考えることもありません。未来に対する感覚は「その時点になってみないとわからない」というもの。

未来はいくらでも変わり得るというのがそもそもの前提としてあるので、ある意味、不測の事態はあるのが当たり前なのです。だからこそ、どんなことが起こっても、予定通りにいかなくても、それを受け入れられる。この「今この瞬間に適応したい」という欲求こそが、「適応性」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

今に適応したい欲求は、まず「不測の事態に過度に慌てない」という形で表れます。

「適応性」を上位に持つ人は、予期していなかった出来事が起こっても「じたばたしても仕方ない」と思え、立ち止まることなくその事態に対応できます。もちろん内心は動揺しているのですが、じたばたしたところで状況は変わらないので、受け入れた上で対応するしかないという感覚なのです。

私自身も5番目にある資質ですが、この資質に助けられたのが熊本地震のときでした。電気や水道が止まり、いきなり不便な生活を強いられましたが、それをまさに「仕方ない」と受け入れて「今できることをやろう」と切り替えられました。

次に、「先の予定を入れたがらない」という形で表れます。先の予定を固定化してしまうと、そのとき何かあったときに柔軟な対応ができなくなってしまう感覚に陥るからです。私自身、二か月「も」先の予定は、よほどのことがない限り自ら入れることはありません。その代わり、直近で何かを依頼された場合は割と対応できることが多く、結果的に直前になってばんばん予定が埋まっていく感じです。

そして、「目の前の人に集中する」という形で表れます。「適応性」が人間関係構築力に分類されている意味がここにあります。大事にしているのは「今この瞬間」なので、それが人に向いたときは、今目の前にいる人に意識が集中することを意味します。過去がどうだったか、未来にどうつながるかは置いておいて、今目の前にいる人に合わせて対応していく。

飛んできたボールを飛んできたなりに受け取って投げ返す柔軟さは、物事に対してだけでなく、人に対しても働きます。だから「適応性」を上位に持つ人は、人に対する好き嫌いはあっても、そこそこの付き合いができるという意味で、大きな苦手意識は持たないのではないかと思います。「調和性」も上位だと、その傾向はさらに強くなります。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「適応性」を上位に持つ人は、何が起こっても柔軟に切り抜け、その存在で場を落ち着かせる人になります。

何が起こったとしても、その状況に抗わずに受け入れ、柔軟に適応していく。「適応性」だから不測の事態でどきどきしないわけではありません。でも、内心どれだけ慌てていても「立ち止まってもしょうがない」と、とりあえず動ける。

内面的に落ち着いているかどうかは別として、何事にも動じず落ち着いていると見られることが多く、周りの人に、自分が思う以上に安心感を与えています。どんなことが起こっても、その存在で場を落ち着かせることのできる資質なのです。自分はそういう風に見られるし、そういう存在なのだということを、自覚しておきましょう。

そして、今この瞬間に起こることに追随していく「適応性」は、気がつけばあちらこちらと寄り道、回り道をしていることが多いものです。でも、時々振り返ってみてください。その寄り道、回り道が多くの人との出会いを生み、人生に彩りを添えてきたことに、きっと気づくはずです。

「適応性」の生き方は、川の流れに身を任せるがごとく漂いながら生きる生き方です。流れが緩やかであればただただ身を任せ、急な流れに差し掛かれば手足をばたばたさせもがきながらも切り抜ける。良くも悪くも行き当たりばったり感がありますが、それを「行き当たりばっちり」と書き換えてしまえばいいのです。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず目標にときめきません。

未来はどんなふうにでも変わり得ると思っているからこそ、予期しない出来事を受け入れられる一方で、目標を設定することにあまり意味を見出せなくなります。一年後に「◯◯を実現したい」と目標を立てたとしても、「一年後なんてどんな状況になっているかわからない」という感覚に襲われてしまうのです。私はこれを「目標にときめかない」と表現しています。だから「適応性」を上位に持つ人は、目標を立ててそこに向かって計画的に物事を進めるのが苦手です。

裏返せば、今この瞬間に反応して動いてしまうだけに、行き当たりばったりになってしまう。ここはもうあきらめるしかない、という境地です。「適応性」を上位に持つ人に「目標を持たなきゃ」「目標もないなんて」は禁句です。目標がなくとも日々元気に暮らしていますので、ご心配なく。

とはいえ、仕事の場面では目標設定や計画性を求められることも多いと思います。そういう環境にいる場合は、苦手な前提で工夫をするしかありません。たとえ目標を立てたとしても、そこへの意識は時間の経過と共に必ず薄れていきます。だからそれを前提として、日々の仕事の中でそこに意識が向くような仕掛けを作っておくことです。定期的に上司との面談を設定して、今やっていることと目標のすり合わせをしていく、というように。

「目標志向」を上位に持つ人は目標からさかのぼって日々やるべきことを計画に落とし込みますが、「適応性」の場合は、日々の積み重ねが結果的にどこかに着地する感じになります。だから、結果論であっても目標に向かってさえいればいいと開き直るのが得策です。外部からの刺激に反応していく資質なので、自分の内側からやる気を出してすり合わせるのは難しい。だからこそ、他者からの働きかけがある形の仕組みを考えるのが効果的です。

もう一つは、飽きることです。今この瞬間に起こることに反応してしまうので、一つのことに集中して取り組むのは苦手です。外からのノイズに弱い感じで、文章を書いている途中でメッセージが飛んでくると、一つの文章の途中であってもそっちに反応してしまい、「あれ、どこまで書いたっけ」となることもよくあります。四方八方から飛んでくるボールを片っ端から打ち返すような感じです。

その即時的な反応ができるのが良さでもありますが、特にノイズの多い環境で集中力の続く時間が短いのも特徴で、飽きっぽいと言ってもいいかもしれません。ここもやっぱり「仕方ない」のです。だから、逆手に取って工夫するしかありません。私がよく言う「つまみ食い方式」は、一つひとつの案件をできるだけ小さな作業に分割し、一つ片づけたら次に移るのを繰り返すやり方です。

これで割とうまくいくことが多いです。極力ノイズの少ない環境に身を置くのも大事で、私がよくカフェで仕事をするのもそのための工夫です。苦手を克服しようとすれば、その裏返しの得意を消すことにもなります。苦手は苦手なりに、その特性を活かしてどう対応していくかです。

そして、周りに振り回されることです。「適応性」を上位に持つ人は、何につけても無意識に周りに合わせようとします。自分のやらなければならないことがあっても、ついつい「仕方ないなあ」と心でつぶやきながら対応してしまう。自分が許容できる範囲で応じる分にはいいのですが、時に周りの人に振り回されて疲れてしまうことも。特に、なかなか断れない「調和性」「共感性」「社交性」を併せ持っていると、余計にそうかもしれません。まず自分を大切にしてこその他者貢献です。

効果的に活かす方法

「適応性」を効果的に活かす鍵は、変化のある場に身を置くことと、計画が得意な人にリードしてもらうことです。

まず、日々何かしらの変化が起こり、そこに対応していく必要のある場に身を置くことです。「適応性」は、刻々と変わりゆく「今」に柔軟に対応する資質です。それゆえに、日々同じことが繰り返される状況には飽きてしまいがちです。

仕事で言えば、クレーム対応など緊急対応が必要なものとか、接客業のように日々異なる人と接し、様々な人が様々なことを「起こす」ので対応していかざるを得ない場とか。「適応性」が接客業に向いているということではなく、たとえば接客業に就いたならば、そういう強みが活かせるということです。

次に、自ら変化を起こすことです。「適応性」は基本的に「起こったこと」に対応する受け身の資質ですが、自ら何がしかの変化を起こすことで、結果的に様々なことに対応せざるを得なくなり、「適応性」が磨かれます。日常で何か物足りなさを感じたら、変化が起こるように自ら仕向けるといいのです。毎日の通勤路を変える、いつもと違う店で違う人と食事する、綿密な計画や準備がないまま旅に出る。そんな小さな変化で十分です。

そして、計画が得意な人にリードしてもらうことです。「今」を大切にするだけに、先々に目標を置いて計画的に物事を進めていくのは苦手な人が多いです。だから、それが得意な「目標志向」や「規律性」を上位に持つ人、先読みしながら今やるべきことを選べる「戦略性」を上位に持つ人にリードしてもらうことを意識するといいと思います。自分自身が計画的に物事を進められるようになるということではなく、チーム全体を大きな方向性に沿って進めていくことはそういう人に任せることです。

自分はその中にあっても、起こり得る不測の事態への対応で貢献するということです。能動的に目標に向かっていくことは難しくとも、周りの人に合わせてついていくことはできるはずです。どんな資質であっても、その資質を強みとして活かし合い、弱みを補い合うのが、チームで動く際の基本中の基本です。

「適応性」を上位に持つ人の多くは、自分の行き当たりばったりな行動、つまり何かを積み上げている感覚が得られにくいことを、否定的にとらえています。私自身もかつてはそうでした。でも、この資質が自分の最も特徴的な強みであることに気づいてから、「何かあればあったで、適応性が何とかしてくれる」と、お守り代わりに使うようになりました。そこには何の根拠もありませんし、それまでと何かが変わったわけでもありません。

それでも、そう思えるだけで自分の行動は大きく変わりました。行き当たりばったりな自分から、何があっても柔軟に切り抜けられる自分へと認識が変わることで、恐れずに踏み出す勇気を得たのです。その安心感が自分を様々な場に連れ出し、様々なことに挑戦させてくれます。

対比される資質

「目標志向」と「適応性」は、未来との向き合い方が対照的です。「適応性」を上位に持つ人は、今この瞬間に集中し、未来はいくらでも変わり得るものととらえて、その場の状況に適応して進みます。「目標志向」を上位に持つ人は、明確な目標を定めてそこに絞って集中し、達成したいという欲求から、未来に明確なゴールを置き、そこからさかのぼって計画的に行動します。

「規律性」も同じく対照的で、何事も秩序立った、予測の立つ状態にしておきたいという欲求から、決めた手順に忠実に動くことを好み、予定外の変更にストレスを感じがちです。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「目標志向」や「規律性」から見れば「適応性」は行き当たりばったりに見え、「適応性」から見れば「目標志向」や「規律性」は決めたことに縛られているように見える。しかし、目標に向かって計画的に進める人と、不測の事態にその場で対応する人は、どちらも組織に欠かせません。対極にいるだけに、相互協力の関係が築きやすいのもこの組み合わせです。

他の資質との組み合わせ

「適応性」と「アレンジ」が組み合わさると、臨機応変さが際立つ人になります。「アレンジ」には、様々な要素を組み合わせて無駄なく成果を出したいという欲求があります。どちらも「今、ここ」に集中する資質なので、予期しない大きな変化が起こっても、その場で段取りを組み替えて柔軟に対応できます。とても相性のいい組み合わせです。

「適応性」と「最上志向」が組み合わさると、今この瞬間に最善を尽くす人になります。「最上志向」には、優れたものをさらに引き上げたいという欲求があります。過去にも未来にもこだわらず、今関わっている人と今起きていることに全力を尽くすので、変化の中でも可能な限り良い結果を出していけます。

「適応性」と「ポジティブ」が組み合わさると、どんなことがあっても楽天的に受け入れられる人になります。「ポジティブ」には、物事の明るい面を見て人を元気づけたいという欲求があります。「仕方ない」と受け入れた上に「この変化は新しい機会だね」と前向きにとらえるので、周りの人も変化に前向きに取り組めるようになります。

「適応性」と「回復志向」が組み合わさると、緊急のトラブルに強い人になります。「回復志向」には、うまくいっていないものを元の状態に戻したいという欲求があります。「起こってしまったことは仕方ない」と動揺せずに状況を受け入れた上で、問題の核心に迫って解決していくので、突然の障害にも落ち着いて対処できます。

このように、「適応性」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。今この瞬間に起こることを受け入れ、柔軟に対応したい。過去に囚われず、未来を先取りせず、流れに身を任せて漂いながら生きていく。そして自分に貼りつけた札を、行き当たりばったりな自分から「行き当たりばっちり」な自分へと書き換えましょう。それが、この資質を上位に持つ人への応援歌です。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

この記事を書いた人

知識茂雄

知識 茂雄ちしき しげお

株式会社ハート・ラボ・ジャパン 代表取締役

1986年に九州日本電気株式会社に入社し、半導体技術者として品質向上の業務に従事。2011年に人事総務部へ移り、社内教育・研修の企画と運営、コーチング研修・アサーション研修の社内講師を担当しました。2013年にギャラップ認定ストレングスコーチの認定を受け、株式会社ハート・ラボ・ジャパンを設立。13年・延べ5,000名超のプロファイリングを行い、コーチングを続けてきました。

ギャラップ認定ストレングスコーチ/国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ/日本プロフェッショナル講師協会認定講師

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