許すことで整える
ストレングスファインダー的に言うと、それを強みとしてどう活かしていくか、そして弱みに対してどう対処していくかには明確な答えがあります。 だけれども、それを実際に実行に移せるかどうかは別問題です。 だからこそコーチングの出番だということでもあるのですが、そこにある、ある種の不要なブレーキを解除していくことも自己基盤を整えていくことの一つの方向性です。 そして、そこにあるブレーキというのは、ここにも誰にでもほぼほぼ通用する方程式というものがあります。 それは、その望ましいことをやることが、そして望ましくないことをやめることが、自分の他の人から見た“価値を毀損”してしまうのではないかという恐れです。 資質をその一つとして表れる自分の大切にしているもの、すなわち価値観というのは、自分を自分たらしめるものであり、こういう自分であれば存在する価値があると無意識に思い込んでいるものでもあります。 そして、この自分の大切にしているものをがっちりと握りしめていればいるほど、資質はベースメント側にも、すなわち弱みとしても強く表に出てきます。 例えば、私が散々苦しめられてきた「責任感」で言えば、正しい行いをすることを自分に強く求めてきました。 そして、その裏返しで他者に対しても同じ正しさを求めてきました。 その結果他者との間でのすれ違い、衝突が多く発生していました。 自分が持っていた「こうあるべき」は、あくまで自分だけの正しさであるにも関わらず、正しい自分というあり方と自分の存在価値が紐付いていたがゆえにその自分だけの正しさを絶対的なものとして捉えてしまっていました。 その思い込みから抜け出るために必要だったのは、一旦自分の価値観と存在価値を切り離して考えることでした。 すなわち、常に正しい自分でなくともいいんだと自分に許すこと。 「こうあるべき」よりも「こうしたい」を優先してもいいんだと自分に許すこと。 こういう許しこそが自己基盤を整えていくことの一つの方向性です。 そしてこの“許し”というのはとてもシンプルなものであり、それは、“それまでやってはいけないと思っていたことをやることを許す”であり、“それまで当たり前にやってきたことをやめることを許す”ということ。 すなわち、そういうことをスモールステップで積み重ねていくということ。 本当に、シンプルにただそれだけのこと。 最初はとても勇気のいることだけれど、確実に成果の出るやり方です。
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