STRENGTHS & TEAM
相互理解には、三つの方向がある
ストレングスファインダーがチームに効く理由
ストレングスファインダーをチームに導入したけれど、思ったほど成果に結びついていない。そう感じていらっしゃるマネジャーの方に、今日はこの話をお届けしたいと思います。
先日、ある企業さんで三時間のストレングスファインダー研修を担当しました。終わったあとに届いた受講後アンケートの自由記述欄に、次のような一文がありました。
受講後アンケートより周囲を理解するだけでなく、自分自身の特性について、周囲に理解してもらう事も大切な事だと思った
私が研修やコーチングで繰り返しお伝えしていることを、参加者ご自身の言葉で書いていただいていました。
相互理解には、三つの方向がある
ストレングスファインダーを学ぶとき、多くの方がまず「自分の強みを知りたい」と思われます。次の段階で「メンバーの強みも知っておきたい」という方向に関心が広がっていきます。
自分を知る。相手を知る。
チームで成果を出すためには、この二つが揃えばよい、と考えていらっしゃる方は少なくありません。ところが、実はもう一つ大切な方向があります。
自分の特性を、周囲の人に知ってもらう。
この三つめが加わって初めて、相互理解は動き出します。
強みは、誤解されると弱みとして扱われる
自分の強みを周囲に伝えていないと、何が起きるでしょうか。
慎重さが上位の方が、会議で意見を保留する。本人としてはリスクを見極めているのですが、伝えていないと「消極的な人」と映ります。
着想が上位の方が、会議中に別の切り口を持ち出す。本人としては新しい可能性を開いているつもりでも、伝えていないと「話を脱線させる人」になってしまうことがあります。
分析思考が上位の方に何かを依頼するとき、背景データや判断基準を一緒に渡さないと、動きが止まって見えることがあります。本人としては判断の精度を上げるために必要な情報を集めているのですが、伝わっていないと「腰が重い人」と受け取られます。
強みは、誤解されると弱みとして扱われます。
ご本人にとっては「自然にできること」なので、わざわざ説明する必要を感じない場合もあります。けれども周囲からすれば、なぜその行動を取っているのか、何を大切にしているのかは、外から見ているだけではわかりません。
伝えることは、甘えではない
自分の特性を周囲に伝えることを、甘えや言い訳のように感じる方もいらっしゃいます。
「苦手だから助けてください、なんて大人が言うべきことではない」
「弱みを見せると評価が下がる」
「自分の特徴を説明するのは自己中心的な気がする」
こうした躊躇は、私が企業の現場でもよく耳にします。
ただ私は、これは甘えではなく、チームへの貢献だと考えています。
自分の取扱説明書を渡すことで、相手はあなたとの関わり方を工夫しやすくなります。無駄なすれ違いが減り、お互いの時間とエネルギーが守られます。
マネジメントの立場にいらっしゃる方であれば、ご自身が先に開示することをお勧めします。上司が自分の特性を語ることで、メンバーは安心して自分の強みを語れるようになります。
相互理解は、仲良くなるための活動ではない
ストレングスファインダーの研修を「チームの仲を良くしたい」という目的で捉えられることがあります。研修を通じてメンバー同士の距離が縮まることはありますが、相互理解の本当の目的はそこではありません。
相互理解は、違いを資源として
使いこなすための実務です。
違う強みを持つ人がいるからこそ、一人では見えない視点が生まれます。違う資質を持つ人がいるからこそ、一人では解けない問題が解けるようになります。
ある参加者の方は、こんな言葉を残してくださいました。
受講後アンケートより今のチームが成り立っているのは、それぞれの強みが活かされているからだと気づきました。同じ強みの人だけ集まっても、新しいことは生まれず、組織は前に進まないと思いました
違いをどう扱うか。これはチームの成果に直結する経営課題です。
今日から始められる、一つのこと
ご自身の上位資質を一つ選んで、信頼できるメンバーや上司に次のように伝えてみてください。
その資質が発揮されるときの行動。その裏にある意図。強く出過ぎたときに周囲にどう映る可能性があるか。
たとえば「責任感が上位にあって、引き受けた仕事は最後までやり切りたくなるんです。その分、抱え込みすぎることがあるので、気づいたら声をかけていただけると助かります」。
こんな一言で十分です。
自分を知り、相手を知り、
そして自分を伝える。
この三つが揃ったとき、チームの中で強みは初めて、力として動き始めます。
才能を活かして
自分らしく楽に生きる方法
自分の才能の活かし方や、自分とは違う他人とのより良い付き合い方について、メルマガの中で日々お届けしています。今日の記事でお伝えした「自分を伝える」という話も、そこで扱っているテーマの延長線上にあります。
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