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「改善点も教えてほしい」と言われて。最上志向の私が気づいたこと


先日は、チャリティーセミナー「あなたのTOP10を読み解く夜」でした。

参加者の方のCliftonStrengths(ストレングスファインダー)TOP10を前にして、その方の内側で何が起きているか、何が動機になっているか、どんな場面で強みが発揮され、どんな場面で裏目に出やすいか。そういうことを、一つひとつことばにしていく時間です。

この仕事を12年以上続けていますが、読み解き(プロファイリング)は今も、一番神経を使います。

自分の思考のクセを、客観的にマネジメントする

読み解きの場で、私がいつも自分に言い聞かせていることがあります。

「自分の思考のクセを自覚して、
客観的にマネジメントする」

当たり前のことのようでいて、これがなかなか難しい。

私のTOP5は、最上志向、調和性、学習欲、アレンジ、適応性。6位から10位は、自我、内省、収集心、責任感、達成欲。ちなみに、初回の診断では分析思考もTOP5に入っていて、今も私の思考を強く動かしている資質のひとつです。この資質構成が、私のものの見方、ことばの選び方、間の取り方、すべてに影響しています。

自分の「自然」のまま話すと、私はこういう話し方になります。

「〜という可能性があります」

「〜という見方もできます」

「〜という傾向が見て取れます」

責任感が「うそをつきたくない」と働き、分析思考が「論理的に正しいか」を問うてくる。そこに調和性が「相手の受け止めに余白を残したい」と重なる。結果として、言い切り型にはなりません。

ところが、これが通じにくい相手がいます。

影響力の資質のなかでも、特に指令性や自己確信が上位の方です。

こうした資質が上位の方は、率直なやりとりを好みます。あいまいさを残されると、かえって不信感が生まれます。「で、結局どうなの?」と、表情に出る方も少なくありません。

こういう方には、明確に言い切ったほうが届きます。私の感覚からすると、少し切り込んでいくくらい。その踏み込みがあってはじめて、相手のなかに「ちゃんと話してもらえた」という感触が生まれます。

頭ではわかっています。

でも、油断すると、すぐ私の「自然」に戻ります。

「〜かもしれません」「〜という側面もあります」。丁寧なつもりで、核心を外している。自分で話しながら、「あ、今、ぼかしたな」と気づくこともあります。

これが、私が毎回の読み解きで自分にかけている負荷の、一つです。

先日、もうひとつ「自然」が出た

気をつけているつもりでも、忘れてしまうことがあります。

先日、もうひとつありました。

私は最上志向が上位で、回復志向は最下位です。

最上志向は、目の前の人の良いところを見つけて伸ばしたくなる資質。回復志向は、問題を見つけて直したくなる資質です。

この組み合わせだと、改善したほうがいい点には、無意識のうちに触れたがりません。強みを見つけて、そこを伸ばす方向で話したくなる。

そこに調和性も手伝って、「切り込んだら、気持ちを損ねるかもしれない」という配慮まで入ってきます。

先日の参加者のなかに、回復志向が上位で、最上志向が下位の方がいらっしゃいました。

その方のTOP10を読み解いていたとき、こんなご要望をいただきました。

「改善したほうがよいところも、教えてほしいんです」

「しまった」と思いました。

その方にとって大切なのは、「どこをどう直せばよいか」という観点です。伸ばすより、まず欠けているところを埋めたい。そこが見えてはじめて、前に進める感覚があります。

私は、それを渡せていませんでした。

指令性や自己確信が上位の方への言い切りと同じで、「気をつけているつもり」で、自分の「自然」のほうが先に出ていたのです。

無意識を意識で動かすということ

無意識でやっていることを、意識で変えていく。

これは、ことほどさように難しい。

無意識は「自分にとっての自然」です。呼吸のようなもので、気づいたときにはもうやっている。「ここから意識しよう」と思って席に着いた瞬間には、もう何かを選び終わっている。そのくらいの速さで動いています。

先日は、相手からことばで指摘してもらえたから、私は自分のクセに気づけました。指摘してもらえなかったら、そのまま素通りしていたと思います。

きっと、これからも同じことが起きます。

気をつけていたつもりでも、私の「自然」は出る。言い切れない私も、改善点に触れたがらない私も、それぞれの場面で顔を出します。責任感、分析思考、最上志向、調和性。それぞれが、それぞれの持ち場で動いているからです。

それでも、気づけるたびに立ち止まって、直していく。その積み重ねしかないと、先日あらためて思いました。

自分と違うパターンを持つ人と、ともに働くということ

この話は、読み解きの場に限りません。

職場で、家庭で、あるいはコミュニティで、私たちは日々、自分と違う思考、違う感情、違う行動パターンを持つ人と関わっています。

上司と部下、先輩と後輩、夫婦、親子。ほとんどの組み合わせで、資質の構成は違います。

自分の「自然」のまま話すのは、楽です。自分にとって心地よいことばを、心地よいペースで、心地よい順番で渡せばいい。

でも、そのまま渡したものが、相手の欲しいものだとは限りません。

私が先日、良かれと思って「強みを伸ばす話」を渡していたように。受け取った側は、「ありがたいけれど、私が今ほしいのはそれじゃない」と感じていたかもしれません。

相手が欲しいのは、

  • 明確な言い切りかもしれない。
  • 率直な改善点かもしれない。
  • じっくり話を聞いてもらうことかもしれない。
  • その場で手が動く具体策かもしれない。

それは、相手の資質構成によって違います。私の資質構成とは別の物差しで、決まっています。

おわりに

あなたが今、良かれと思って渡しているものは、相手が本当に欲しがっているものでしょうか。

あなたの「自然」は、相手にとっての「ほしい」と、噛み合っているでしょうか。

もし噛み合っていないとしたら、それに気づくきっかけは、たいてい相手からのことばです。先日の私がそうだったように。

そのことばを受け取ったとき、「しまった」と思えるかどうか。

「自然」にこだわらず、相手の土俵に一歩、踏み出せるかどうか。

そこに、協業の質の分かれ目があるのだと思います。

自戒を込めて。