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研修が終わった『あと』に、何が残っているか

研修が終わった「あと」に、何が残っているか

先日、東京のとある企業でストレングスファインダー研修を実施しました。ストレングスファインダーは、一人ひとりが持つ強みの源泉となる資質を明らかにするツールです。今回は40名ほどの皆さんに、チームビルディングをテーマにお届けしました。

研修後、部門長の方からこんなメールをいただきました。

期待以上に楽しい研修で、終了後もフロア内で研修の話でもちきりになり、コミュニケーションが活発になっていました

このメールを読んだとき、正直に言うと、ほっとしました。

研修中に場が温まることは、私の経験上、それほど難しいことではありません。グループワークを入れれば自然と声が出るし、笑いも生まれます。でも、研修が終わって日常に戻ったあとに、そこで得たものが会話として残っているかどうか。これは別の話です。

私がいつも気にかけているのは、まさにそこなのです。

今回の研修でも、多様性を体感していただくワークから始め、グループワークを経て、全体シェアの場で個別にフィードバックしていくという流れで進めました。

この組み立ての中で、特に印象深い場面がありました。

研修の終盤、ある方が質問をしてくださったのです。ストレングスファインダーでは34の資質の中でどれを上位に持つかが人によって異なりますが、その方の組み合わせは周囲の多くの方とはかなりタイプが異なっていました。「自分は周りとどう関わればいいのでしょうか」と。

こういう質問が出てくること自体が、研修がちゃんと機能している証拠だと私は思っています。多様性のワークを経て、自分と周囲の違いをはっきりと認識したからこそ生まれる問いだからです。

私はこうお伝えしました。ご自分を変えようとするよりも、周りの方にご自身のことを理解してもらう方がいい、と。

そしてその場で、その方がどんな方であるかを資質から読み解き、周囲の方々にはこんなふうに関わるとこの方の持ち味が活きますよ、と具体的にお話ししました。

ご本人が深くうなずいていたのはもちろんですが、周りの方々も同じように大きくうなずきながら聞いていたのが印象的でした。

あの瞬間、私は研修講師としてではなく、一人のストレングスコーチとしてあの場にいたのだと思います。目の前のこの方が、明日から少しだけ楽に周囲と関われるようになること。周囲の方が、この方の持ち味を知って、関わり方に余裕が生まれること。そのために自分の経験と知識を全部使いたいと感じていました。

「自分を変えなくていい。でも、わかり合うことはできる。」

私がいつもお伝えしている「みんなちがって、みんないい」という視点は、こういう一場面の中で初めて実感に変わるのだと思います。

研修後のフロアに会話が広がっていたのは、きっとこうした瞬間の積み重ねがあったからでしょう。一人ひとりの中に、隣にいる人への見方が少し変わるような体験が残っていたのだと思います。

研修が終わった「あと」に、何が残っているか。

私はこれからも、そこにこだわり続けたいと思っています。