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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「自己確信」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

影響力の資質である「自己確信」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「自己確信」を上位に持つ人の根源にあるのは、自分のことは自分で決め、自分の決断に揺るぎない自信を持って進みたいという欲求です。

原語はSelf-Assurance。辞書で引くと自信、自己過信と出てきます。自己過信というのはかなり後ろ向きな言葉ですが、「自己確信」を上位に持つ人がそうだということではなく、うまく使えていないとそう見られてしまうことがあるかもしれない、ということです。

「自己確信」は、「指令性」と並んで、診断を受けた人の中で上位5つに入る頻度が最も少ない資質で、20人に1人もいないくらいです。34資質の中で、いちばん論理的に説明しにくい資質だと感じています。

よく言われるのは、自分の腹の中に羅針盤を持っているということです。羅針盤が目に見えない磁力線によってどこにいても正しく方角を教えてくれるかのごとく、自分の直感として「こっちだ」という方向性を感じ取っている。ここで大事なのは、「こっちだ」という方向には必ずしも論理的な裏づけがあるわけではないということです。

ある意味、裏づけがないからこそ揺るがない自信がそこにあるのです。何かしら根拠に基づく自信は、その根拠が消滅すればその途端に消えてなくなります。特定の分野での経験の積み重ねに裏づけされた自信は、分野が変われば通用しなくなりますよね。

根拠のない自信というのは、揺るがないし、揺るぎようがないのです。この「自分で決め、揺るぎない自信を持って進みたい」という欲求こそが、「自己確信」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

揺るぎない自信は、まず「決めることと決めたことに迷いがない」という形で表れます。

他の多くの人が「この人はどう思うだろう?」と周りの声が気になって何をやるにもためらうのに対し、「自己確信」を上位に持つ人は、「決めること」と「決めたこと」に迷いがありません。自分でやると決めて進めていることに関しては、絶対的な自信を持っています。

誰が何と言おうが「絶対できる」と言い切れる力強さがある。もちろん、いくら自信があるからといって実際にすべてがうまくいくとは限りません。それでも、そのうまくいかない状況を乗り越えていくことに自信を持っています。

つまり、「何があろうが最後はうまくいく」そこに揺るがない自信を持っているのです。その根っこにあるのは、自分の人生は他の誰のものでもなく自分のものという揺るぎない信念で、自分の人生を決める大きな方向づけを他者に委ねることは決してありません。

次に、「恐れることなくリスクを取る」という形で表れます。必要とあらば、恐れることなくリスクを取ります。でもこれは、本人的には必ずしもリスクを負う感覚はないのかもしれません。

自分の内なる羅針盤に従って進むべき道を決めているわけで、感覚としてはただ「こっち」と感じた方向に進むだけ。傍から見ると「なぜそんな危ない橋を平気で渡れるのか」という感じになりますが、本人はきっと「危なかろうが、そうでなかろうが、進むべき道を進むだけのこと」という感覚です。

その道が傍から見たらいばらの道だったとしても、そこに進んでいくことに何らためらいはないのです。「自己確信」を上位に持つ人にとって、リスクとは避けるためにあるのではなく、冒すためにある。リスクを取らない限り自分の世界は広がらないことを知っていて、リスクを取らずにそのままより、リスクを取って前に進むことを選ぶ。それが「自己確信」の生き方です。

そして、「どっしりと落ち着いている」という形で表れます。その振る舞いは文字通り自信に満ちあふれて見えますが、決してごうまんということではなく、どっしりと落ち着いているという表現がぴったりです。

周りから見たら、なぜそんなに自信があるのか、その自信はどこから来るのかと言いたくなるほどですが、おそらく本人にしても「なぜ?」と問われても答えられない。「太陽はなぜ東から上るのか?」と問われているのと同じで、「だってそうだから」としか言いようがないのです。

他者評価を必要としないので、生まれつきアサーティブなやり取りができる人でもあります。相手を攻撃するでもなく、自分を卑下するでもなく、素直に良いものは良い、駄目なものは駄目と、中立に発言できます。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「自己確信」を上位に持つ人は、皆が「無理だ」と思うような困難にも「絶対乗り越えられる」と力強い言葉で周りを力づけ、安心して前に進ませる人になります。

「自己確信」の強みは、何と言ってもその存在感にあります。自分の決断に対する揺るぎない自信に裏打ちされて、その言葉には理屈ではない説得力と力強さが宿ります。「指令性」とは違う力強さで、背中を押すような力強さというよりも、「あっ、これでいいんだ」と思えるような安心感を伴う力強さです。

そのあり方が、特に困難な状況に置かれ不安におびえている人たちに勇気を与えます。「◯◯さんが大丈夫と言うからには大丈夫なんだ」そう思わせてしまう存在です。

「自己確信」を上位に持つ人が発する「大丈夫」の言葉には、その言葉の意味以上の「大丈夫」が乗っかっています。それは、失敗しない大丈夫ではなく、失敗しても大丈夫ということ。その何があっても大丈夫という言葉が、失敗を恐れて一歩を踏み出せない人の背中を押すのです。

今目の前のことがうまくいかずに落ち込んでいる人に「大丈夫だよ。きっとあなたなら乗り越えられる」と言ってあげたら、どれだけ相手は勇気づけられることでしょう。

そして、他の人には考えられないような大きなことを成し遂げることを、自分に「許可」しています。できる、できないではなく、「やる」。自分がやらずして誰がやるのか。

そのあり方が人を惹きつけ、巻き込み、空想を現実へと近づけます。物事を大胆に前に進めるには時にリスクを負うことが必要ですが、ここでもその勇気を与えてくれます。さらに、「自分は自分であり、他の誰とも比較する必要がない」という感覚も持っています。

多くの人は自分より能力の高い人に引け目を感じるものですが、そんな相手を尊敬することはあっても自分が劣っていると感じることはない。そういう人たちとも気おくれせず対等に向き合えるからこそ、能力の高い人たちと共に大きなことを成し遂げられるのです。

チームとして何か大きな困難を伴うことに挑戦するとき、たとえ途中で幾多のうまくいかないことがあっても必ず乗り越え、目指すべきゴールにたどり着ける。その確信を持ち、言葉として発しながら、自分にはない強みを持っている人たちを巻き込みつつチームを引っ張っていくとき、最大限にその強みが発揮されます。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず周りへの説明が不足し、周りの声に耳を傾けることを怠りがちになります。

自分が推し進めていることには絶対的な自信があるだけに、周りへの説明が不足したり、周りの声に耳を傾けることを怠りがちです。ギャラップの解説には「上流に向かって泳ぐ」とあります。

自分以外の全員が反対しようが、自分が決めたことであれば構わずその方向に進んでいくという意味です。だからこその推進力であり開拓力ではありますが、すべてにおいて周りの声を無視してあつれきを生みながら進んでいくのは、無駄が多い場合も多々あります。

独立心も強いので独立起業してやっている人も多いかもしれませんが、それでもたった一人で成果を出し続けることは不可能です。管理職や経営者で人事権があると、「絶対こうする方がいい」と人員配置を周りへの説明なくやってしまい、本人や周りの人の気持ちを置いていってしまうこともあるかもしれません。チームや組織として成果を出すためには、メンバー一人ひとりの納得感や感情も大事です。

ギャラップの解説にはこうもあります。「早く行きたければ一人で行け、遠くまで行きたければ皆で行け」。もし大きなことを成し遂げたいならば、自分一人ではなく多くの人を巻き込み、協力を得るのが得策です。そのためには、あえて速度を落として周りの人を説得したり、そのときが来るのを待ったりすることを意識することです。

最終的に自分が行きたい場所はどこなのか。その場所に確実に行くために何が必要なのか。こういったことを客観的に、広く見渡して考えてみることが大事です。

意識的に周りの意見に耳を傾け、自分がなぜそうしようとしているのかを説明することを心掛けましょう。最後の最後は自分が決める、そこを譲る必要はありません。自分だけで決めるのか、周りの意見を吸い上げた上で自分で決めるのかの、どちらを選ぶかです。

腹の中の羅針盤は、常に正しい方向を指すわけでもありません。自分で決めるためにこそ、情報として人の意見を積極的に耳に入れる。聞くだけ聞いて、最後は自分で決める。それでいいのです。

もう一つは、周りを黙らせてしまうことです。あまりに自信たっぷりに語られると「もう何を言っても仕方ないな」と思ってしまう人もいるものです。

特に「調和性」を上位に持つ人はそうなりがちで、どう転んでも合意が得られないと感じると「何を言っても無駄だ」とあきらめて黙ってしまう。それ自体は「調和性」の側の課題ではありますが、「自己確信」を上位に持つ人の側からすると、そうさせてしまうということでもあります。

いかに自分の直感が指し示す方向に自信があるとはいえ、他の人の意見を参考にした方がより精度高く方向性が固まることもきっとあります。いかに周りの意見を吸い上げられるか、言い換えると、いかに話しやすい雰囲気を作っていくかです。そのためには、隙を作ることです。

自信たっぷりに見える人は同時に失敗しない人だと思われがちですが、実際は誰だって失敗します。うまくいかず行き詰まってしまったときにこそ、それを素直に認めて周りに意見を求める。これができると、より遠くに、無駄なくたどり着けます。

効果的に活かす方法

「自己確信」を効果的に活かす鍵は、その影響力をどう世の中のために役立てるかの方向性を見定めることと、周りを巻き込んで遠くまで行くことです。

まず、自分では意識せずとも自然と周りの人を勇気づけている場面がきっとあるはずだと、自覚することです。「自己確信」は意図せずして大きな影響力を発揮する資質です。

だからこそ、その影響力をどう世の中のために役立てていくのか、その方向性を見定めるのが大事です。自分の言葉が、困難な状況にある人にどれだけの安心感を与えているか。それを知った上で、ここぞというときに「大丈夫」を言葉にしてあげてください。

次に、大きなことに挑戦する場に身を置くことです。皆が「無理だ」と思うような困難さを伴うことにも「絶対乗り越えられる」と力強い言葉で周りを力づけ、安心して前に進ませることのできる資質です。

チームとして何か大きな困難を伴うことに挑戦するときに、その存在は大きな影響力を発揮します。自分にはない強みを持っている人たちを巻き込みつつ、チームを引っ張っていく。能力の高い人たちとも気おくれせず対等に向き合えるからこそ、そういう人たちと共に大きなことを成し遂げられるのです。

そして、遠くまで行くために皆で行くことです。腹の中の羅針盤を信じつつ、情報として人の意見を積極的に耳に入れる。行き詰まったときは素直に認めて周りに意見を求め、隙を見せる。

自分がなぜそうしようとしているのかを説明する。その上で、最後は自分で決める。「自己確信」を上位に持つ人は、よく「根拠のない自信」を持っていると言われますが、それがどこから来るかと言えば、そもそも失敗ありきだということだと私は思います。

時に失敗するのは当たり前。それを自分に「許している」からこそ、自信を持って前に進める。本人にとっては当たり前すぎて「許している」という感覚すらないと思いますが、そもそも失敗するとかしないとかは考えもしない。

私が大丈夫だと言えば大丈夫なのだと。失敗しようが何しようがただ前に進む。進み続ければいつか到達するのが当たり前。だからこそ根拠なく自信が持てる。その姿勢を、皆を連れて遠くまで行くことに使ってください。

対比される資質

「調和性」と「自己確信」は、決め方が対照的です。「自己確信」を上位に持つ人は、自分のことは自分で決めるという感覚を強く持ち、自分以外の全員が反対しようが、自分が決めたことであればその方向に進みます。「調和性」を上位に持つ人は、対立を避け、皆が同じ方向を向いて着実に物事を前に進めたいという欲求から、何事も合意を得たいと考え、合意が得られないと感じると黙ってしまいます。「自己確信」の自信たっぷりな語り口が、「調和性」の側に「何を言っても無駄だ」というあきらめを生みやすいのです。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「自己確信」から見れば「調和性」は自分で決めていないように見え、「調和性」から見れば「自己確信」は人の意見を聞いていないように見える。しかし、迷いなく決めて前に進ませる人と、皆の合意を取りながら着実に進める人は、どちらも組織に欠かせません。「自己確信」を上位に持つ人が話しやすい雰囲気を作り、「調和性」を上位に持つ人があきらめずに意見を出せば、羅針盤の精度は上がり、皆で遠くまで行けます。

他の資質との組み合わせ

「自己確信」と「指令性」が組み合わさると、迷いなく決断し、力強く周りを動かす人になります。「指令性」には、自分が主導権を握って物事を決め、白黒はっきりさせて動かしたいという欲求があります。共に希少な資質で、自分のことは自分で決めるという意識が強い点が共通しています。揺るぎない自信に率直な物言いが加わるので、非常事態で圧倒的な存在感を発揮します。

「自己確信」と「活発性」が組み合わさると、決めた瞬間に動き出す人になります。「活発性」には、思ったことをすぐに行動に移し、物事を始めたい、始めさせたいという欲求があります。「こっちだ」と感じた方向にためらいなく踏み出すので、未知の領域に大胆な一歩を踏み出し、周りを引き連れていきます。

「自己確信」と「戦略性」が組み合わさると、羅針盤の精度が高い人になります。「戦略性」には、全体を見渡して先を見通し、最善の道筋を選びたいという欲求があります。直感で感じ取る方向に、全体を見渡して見えた道筋の裏づけが加わるので、根拠のない自信が根拠のある自信にも支えられ、より確実に遠くまでたどり着けます。

「自己確信」と「最上志向」が組み合わさると、自分の強みを信じて突き抜ける人になります。「最上志向」には、優れたものをさらに引き上げたいという欲求があります。他の誰とも比較する必要がないという感覚と、自分の得意を磨き上げたい欲求が重なるので、自分の道を極めることに迷いがなくなります。

このように、「自己確信」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。自分のことは自分で決め、揺るぎない自信を持って進みたい。自分で決めることに迷いがないその姿勢が、未知の領域に大胆な一歩を踏み出させ、その「大丈夫」が、失敗を恐れる人の背中を押すのです。

上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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