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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「戦略性」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

戦略的思考力の資質である「戦略性」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「戦略性」を上位に持つ人の根源にあるのは、全体を見渡して先を見通し、成果にたどり着く最も無駄のない道筋を選びたいという欲求です。

原語はStrategic。「戦略的」という意味です。「戦略性」を上位に持つ人は、一つのことを実行するにあたり、いくつもの道筋を見出します。よく例えられるのがカーナビです。行き先を入力すると、有料道路優先、一般道優先、最短、最安、といくつものルートが示され、その中から条件をふまえて一つを選ぶ。

「戦略性」の思考もこれに近く、求められる成果を出すための方法は一つではないと考え、様々に見出します。先々の可能性を予測し、「もし、ここでこうなったらこうする」を考えることで、その際に取り得る選択肢を挙げ、可能性を広げていく。そして基本的には、その中でも最も手数が少なく、無駄なく成果の出せる方法を選択します。

その思考を支えているのが、「全体を見渡す」ことです。ギャラップの解説に「学習して習得できるスキルではない」とあるように、無意識のレベルで全体を見渡し、そこに道筋を見出すことは、なかなかできることではありません。

全体を鳥の目で高いところから眺められるからこそ、そこにたくさんの道筋を見出せるのです。この「全体を見渡して、最善の道筋を選びたい」という欲求こそが、「戦略性」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

最善の道筋を選びたい欲求は、まず「落としどころを求める」という形で表れます。

カーナビが目的地を入力しないと機能しないのと同じで、「戦略性」も落としどころがはっきりしないと働きません。求められる成果が何なのか、ゴール、成果物、落としどころが明確になっていることが必須なのです。だから「戦略性」を上位に持つ人に何かを相談すると、最終的に何を得たいのかを必ず聞かれるでしょう。

逆に言えば、落としどころが明確になれば、先読みを繰り返して様々な進め方を考えます。成果を出す方法は一つではなく、常に複数の選択肢を持っている。だから、考えずに動くことをしません。ここが、とりあえず動ける「適応性」と大きく異なるところです。

「適応性」は極論すれば目的地も必要とせず、目の前で起こったことに反応して追随し、結果として「落ちたところ」が行き先になる。「戦略性」を上位に持つ人には信じられない思考でしょうね。

次に、「情報を欲する」という形で表れます。カーナビで言えば、地図に相当する部分です。どんな人が関わり、どんなリソースが使えるのか、どんな制約があるのか。そういう情報を元に全体を見渡しながら、向かうべきゴールに到達するための道筋をいくつも見出し、状況に応じて適切に選択していく。

「戦略性」が十分に機能するためには、先を見通すために全体像が把握できていることが必要で、つまり十分な情報が必要なのです。「戦略性」にとって、情報は栄養です。

そして、「行き止まりが見える」という形で表れます。全体を見渡すことにより、行き止まりを避け、たとえ通れたとしても凸凹で通りにくいであろう道も避け、最も滑らかに通れる道を選択する。「戦略性」を上位に持つ人から見たら「そっちに行ってもダメだよ」という方向に、周りの人はわからずに進んでいることが多いのです。

途中で道を間違えたり工事中の情報が入ったりしたら、即座にルート検索をやり直せるのもカーナビと同じで、大きな変化があっても異なる進め方に切り替えることができます。「活発性」を併せ持っていると、動きながら考え、考えながら動く感じになり、本人はあまり考えている感覚もないかもしれません。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「戦略性」を上位に持つ人は、物事の全体像を把握しながら先を見通し、うまくいく道筋を周りの人に指し示す人になります。

「戦略性」を上位に持つ人の目線は、鳥の目線です。すべての状況を把握し、全体を見渡して物事を見る。高い場所から物事を見渡せる人は、他の人には見えない抜け道も、行き止まりも見えています。

行く道が迷路であったとしても、高いところから一望すれば正解の道筋が一発で見えてくる。その自分にしか見えていない景色を周りの人と共有すれば、チームに明確な方向性をもたらします。

広く先を見通して物事を考えるので、最終的に求める成果を無駄なく得るための布石を打つことができます。自分の提案を上司に通すために、あらかじめそれに関わる主要な人たちを説得して味方にしておく、というように。

一見遠回りに見えても、滑らかに成果を手にします。一見遠回りに思えることが、実はいちばんの近道だったりすることもあります。ありとあらゆる可能性を否定せず思考を巡らす「戦略性」だからこそ見出せる近道があるのです。

プロジェクトが行き詰まった際には、その状況を突破するための方法を再検討して提示してくれるので、プロジェクトを停滞させることなく前進に導きます。先を見通し、予測することで不確実さを減らし、チームに安心感を与える存在です。

そして、指し示す道筋がいつも成功につながっているとは限りません。時にはうまくいかないこともあります。でも「戦略性」を上位に持つ人は、そのうまくいかなかったことを無駄にしません。失敗は、次の成功につなげるために蓄積すべき大切な経験値となる。情報と共に栄養となるのは経験であり、経験の積み重ねが、より良い道筋を直感的に選ばせることにつながっていきます。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず周りへの説明を怠りがちになります。

頭の中で次々に先読みしていくので、自分にはその道筋が当たり前に見えているため、周りへの説明を怠りがちです。「そこに行きたいならまずこっちでしょ」「そっちに行ったってその先は行き止まりだし」というのが自分の頭の中では当たり前にあり、なぜそうなのかの説明をしないのです。

人は誰しも、自分に見えている世界は他の人にも同じように見えているものだと思い込んでしまいがちです。それでも実際には、全体を高いところから見渡している人の方が少ない。だから、自分には見えている行き止まりが他の人には見えていないことも度々あります。

「そっちじゃなくて、こっちだろう」と道を指し示した際に、相手は否定や批判されたかのように感じることがあるかもしれません。これは単純に同じ絵を見ていないから起こることで、単に説明が不足しているのです。

「なぜ、こちらだとうまくいかないのか」「なぜ、こちらの方がうまくいきそうなのか」を、できるだけわかりやすく周りに説明することを意識しましょう。自分が「それはない」と思っている選択をしてしまう人にいらいらすることもあるかもしれませんが、「戦略性」も才能であり、皆に同じ絵が見えているわけではないことを理解しましょう。

もう一つは、地上の解像度が落ちることです。全体を見渡していて視点が高いところにあるだけに、地上部分の解像度が落ちる可能性があります。大筋の道筋は見えていても、より現実的で細かな障害に気づかないかもしれません。「鳥の目」を持つだけに、「虫の目」で物事を見ることが欠けがちなのです。

「戦略性」とてすべての情報を把握できているわけではないので、「自分が見落としていることはないか?」と時折確かめることを意識しましょう。細部に気を遣いがちな人に手伝ってもらうのがいちばんです。全体を見渡す才能と、細部を詳細に見る才能が組み合わされば最強ですよね。

そして、人の気持ちを置いていくことです。「戦略性」は合理性を大事にする思考です。上位に人間関係構築力の資質がない人は特に、コトをうまくいかせるために「戦略性」が使われがちで、そこに焦点を当てすぎると人の気持ちを置いていってしまうことがあります。

「最上志向」も併せ持っていると、無駄なく最短で達成したいという思いが強くなるので余計そうなりがちです。人はよく合理的でない感情に振り回されるものであり、特にチームで物事を進める際には感情を大事にした方が滑らかに進むことが多いのです。

自分にだけ焦点を当てて「戦略性」を使ってしまうと、周りからはあざとく見えてしまうこともあるかもしれません。皆でうまくいくことに意識を向けるとか、他者貢献を意識するとか、いかにチームとしての相乗効果を発揮させるかにも「戦略性」を発揮することを意識しましょう。

人間関係構築力を上位に持つ人であれば、自然とこれをやっていると思います。

最後に、考えすぎることです。常に「何かしらやりようがある」と考えるので、場合によっては無駄に思考する時間を費やしてしまうことがあります。実行力の資質が上位になく、戦略的思考力の資質が上位に多い中での「戦略性」は特にそうなりがちです。

「最上志向」を併せ持つと「最善策」にこだわりが出て、「内省」や「慎重さ」も伴うとついつい熟考してしまい、情報が増えれば増えるほど検討したくなる。時には、あきらめるという選択や、策を弄さず正攻法を選ぶ方が結果的には正解になることもありますし、多少無駄があってもスピードを優先した方がいい場面もあります。

「考えすぎているな」と感じたら、思考することから離れてみることがあってもいいと思います。

効果的に活かす方法

「戦略性」を効果的に活かす鍵は、地図の精度を整えることと、見えている景色を言葉にすることです。

まず、地図の精度、つまり情報の量と質を自分で調整することです。現在地と行き先が明確で正確な地図さえあれば、決して一つではない道筋が見えてきます。その際に大事なのは、自分が持っている地図の精度や解像度です。

ざっくりしすぎていると思わぬ落とし穴を見落とすかもしれませんし、あまりに詳細だと抜け道や裏道を含めて選択肢が多すぎて迷ってしまうかもしれません。自分が目指す目的地に最短で到達するためにどんな情報が必要なのか、そこに意識を向け、量と質を考慮した情報を集めることです。

制約や優先順位を明確にしておくことも大事で、スピード優先で行くのか、確実性を優先するのかを決めておくと、多くの選択肢の中から自分なりの最善を絞り込みやすくなります。

自分に「戦略性」がなく、「戦略性」を上位に持つ人を頼る場合は、まず落としどころを明確にした上で、持てる情報をすべて渡すことを意識してください。

次に、自分に見えている世界や道筋を言語化し、説明することです。戦略的思考力の資質全般に言えることですが、自分の思考をアウトプットすることでの他者貢献を意識することが、強みとして活かす一つの方向性です。

自分に見えている世界をわざわざ言語化するのは面倒くさいことに感じるかもしれません。それでも、それをやった方が結果的には物事が滑らかに進むことも多く、全体で見れば同じ成果を出すのに手数を減らせるかもしれません。そう考えると、言語化して周りに説明していくことも選択肢の一つとして捉えられるのではないでしょうか。

「虫の目」しか持たず行き詰まっている人に、「こういう行き方もあるよ」「そちらに行くと行き止まりだよ」と教えてあげる。最短の方法、費用対効果の良い方法、質重視の方法と、条件が違えば選択も違ってくる。

その説明を聞いた周りの人は「そこまで見通しているのか」と感嘆の声を上げるでしょう。

そして、自分の才能が活かせる場面を自覚することです。プロジェクトが目先の問題で停滞しているときは、「戦略性」の出番です。目先の問題に正面から向き合うのではなく、回り道をした方が全体として滑らかに進むこともあります。

不測の事態に対しても常に選択肢を持っているので、目的地を見失わずに柔軟にかじ取りができます。ここでも役割分担という視点が大事です。せっかくの「戦略性」も行動につながらないともったいないので、実行力を上位に持つ人との協業も効果的です。

「戦略性」を上位に持つ人は、そもそも自分の資質をどううまく活用するかにも意識が向いていると思うので、ここで書いたようなことはとっくに意識し、実行されているかもしれませんね。

対比される資質

「調和性」と「戦略性」は、統計的に順位が離れやすい資質です。「戦略性」を上位に持つ人は、必ずしも予定調和を求めず、合意は数ある選択肢の一つに過ぎないと捉え、「ケースバイケースだ」と考えます。「調和性」を上位に持つ人は、対立を避け、皆が同じ方向を向いていてほしいという欲求から、合意を大切にし、現実的に予測できる方向に物事が進むことを心地よく感じます。

「調和性」が対立を好まないからといって、その反対で「戦略性」が対立を好むわけではありません。ただ、「戦略性」は時に意見の対立もいとわないことがあり、他人の意見を過度に気にして自分の言動にブレーキが掛かることは少ないでしょう。「ここはあえて対立してでも」と考える「戦略性」のやり方に、対立を恐れる「調和性」はざわざわ感を感じてしまいます。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「戦略性」から見れば「調和性」は目の前の合意に縛られているように見え、「調和性」から見れば「戦略性」は波風を立てているように見える。しかし、先を見通して道筋を示す人と、皆の足並みを揃える人は、どちらも組織に欠かせません。「調和性」を上位に持つ私にとっては、行き先さえ明確になればいくらでもやり方を見出していく「戦略性」は、うらやましい限りです。

他の資質との組み合わせ

「戦略性」と「着想」が組み合わさると、目的地までの道筋が「見えてしまう」人になります。「着想」には、人と違う視点で物事を見て、新しい何かを生み出したいという欲求があります。二次元の地図が三次元に広がるイメージで、より広く可能性を探り、困難な状況でも意外な方法で活路を見出せます。どちらも常に「可能性」を探っている資質で、両方を上位に持つ人も多いです。

「戦略性」と「最上志向」が組み合わさると、常に最短の道筋を選ぶ人になります。「最上志向」には、優れたものをさらに引き上げたい、無駄なく最高の成果を出したいという欲求があります。数ある選択肢の中から常に最善策を選ぶので、不測の事態が目の前に現れても、即座にその時点での最善の道筋に変更してかわしていきます。その姿は、あたかも「適応性」のようでもあります。

「戦略性」と「慎重さ」が組み合わさると、リスク回避の天才になります。「慎重さ」には、最初からうまくいかせたい、失敗なく着実に成果を出したいという欲求があります。「もしこうなったら」の思考で先々を考える共通点があり、「戦略性」が可能性を見るのに対して「慎重さ」はリスクを検討するので、どこをどう避けていけばリスクを避けられるかが見えるのです。

「戦略性」と「収集心」が組み合わさると、情報に基づいて最適な道筋を決める人になります。「収集心」には、知らないことを知りたい、情報や物を集めておきたいという欲求があります。「収集心」が地図となる情報を提供し、「戦略性」がその情報を元に最適な道筋を決めるので、地図の精度が自然と高まります。

このように、「戦略性」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。全体を見渡して先を見通し、最善の道筋を選びたい。他の人には見えない抜け道も行き止まりも見えているその景色を、ぜひ周りの人と共有してください。それが、チームに明確な方向性をもたらすのです。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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