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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「内省」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

戦略的思考力の資質である「内省」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「内省」を上位に持つ人の根源にあるのは、物事を深く考え、自分の腹に落ちるまで納得したいという欲求です。

原語はIntellection。そのまま「思考」という意味です。日本語の「内省」は、この資質をよく表していると思います。自分と向き合い、自分の思考や言動を省みる感覚。大事なのは、あくまで内側での自分との会話だということです。

「これってどういうことだろう」「どう理解したらいいんだろう」と、もう一人の自分が問いを投げかけ、それに答える形で、自分の納得がいくまで考えを深めていきます。省みると書きましたが、思考の向きは過去とは限りません。先々をどうしていくのかも、自分との対話を通してじっくり考えていきます。

同じ戦略的思考力の資質である「学習欲」「収集心」と共通しているのは、知的好奇心が強いことです。違いは、「収集心」が幅広く情報を集め、「学習欲」が知らなかったことが知っている状態になっていく過程そのものを楽しむのに対し、「内省」は知り得たことを深めて考え、自分の腹に落とし込むところにあります。この「自分で納得したい」という欲求こそが、「内省」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

深く考えたい欲求は、まず「常に頭の中で何かを考えている」という形で表れます。

「内省」を上位に持つ人は、意識して考えているわけではありません。無意識のうちに勝手にスイッチが入り、考えています。そういう意味では、他の資質との組み合わせにもよりますが、比較的無口で静かな人が多いと思います。

自分で納得したことを口にしたいので、思考しながらしゃべることになり、話すテンポは比較的ゆっくりです。何かを問われたとき、すぐに答えるのではなく、一度頭の中で考えをまとめたくなります。ギャラップはこれを「リハーサル」という言葉で表現しています。どう伝えるかを一度頭の中で組み立ててからでないと、考えがまとまっていないように感じて気持ち悪いのです。

考えて落とし込むことを大切にしているので、たとえば講座やセミナーに参加した後は、必ず一人になって学びを消化する時間を取ります。そうしないと何となく気持ち悪い。特に思考系の資質が強い人は、学びの後の懇親会に参加せず、一人になりたい人もいます。そういう人を無理に誘わないであげてくださいね。

ある意味、一人上手です。長距離のドライブや、長時間一人で乗り物に乗って移動するのも楽しめると思います。自分との対話を大切にしているからこそ、時々一人の世界に浸りたくなるのです。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「内省」を上位に持つ人は、物事の本質をつかみ、核心を突いた言葉を発する人になります。

決して口数が多いわけではありませんが、その言葉にはある種の深みと重みがあります。会議や打ち合わせで意見を求められても、急いで答えを出すのではなく、十分に考え、自分で納得したことを話します。そこまで深めて出した答えは、他の人が「なるほど」とうなるようなものだったりします。その言葉に促されて、周りの人は納得感を持って前に進めるのです。

実行の前に思考があるので、納得してからの行動には迷いがありません。頭の中でどう伝えるかを組み立ててから話すので、準備ができているときの話は的確に本質を突いています。

そして、自問自答の問いを他者に向けられるのも強みです。自分に投げかけている問いを相手に向けると、その問いが相手の思考を深めることにつながります。おそらく普段から、相手が「うっ」とうなるような深いところを突く質問を、周りの人に投げかけているはずです。

いたずらに「大丈夫だよ」と励ますだけでなく、「本当にその人はそう感じたのかな」「あなただったらどう感じると思う」と問うことで、本人が自ら気づく。これはコーチングそのものです。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず思考の世界に没入してしまいます。

「内省」のスイッチがどこで入るかは、自分でもわかりません。たとえば会議中でも、誰かの発言の一言が引っかかり、それについて考え始めてしまい、気がついたらしばらく他の人の話が耳に入っていなかった、ということが起こります。周りからは「幽体離脱」しているように見えるかもしれません。

これは正直、止めようがありません。勝手にスイッチが入ってしまうのです。できることがあるとしたら、自分が思考の世界に没入しがちだと自覚し、周りの人にそうなりがちだと知っておいてもらうこと。そして、そうなっているように見えたら肩を叩いてもらうことです。

もう一つは、考えすぎて行動が遅れることです。納得感を得ることが大事なので、どうしても思考の時間が長くなります。いつまでも納得できないと先に進めない感じが出て、行動のスタートを切るのが遅れがちです。

「慎重さ」「分析思考」「戦略性」「原点思考」などを併せ持っていると特にそうなりやすく、何事も極めたい「最上志向」が加わるとさらに強く出るでしょう。実行力の資質が上位にないと、なおさらです。思考が先に立つので、理屈っぽいと言われることもあるかもしれません。

そして、くよくよしやすいことです。基本的に考えてしまうのが「内省」なので、「何であんなことを言っちゃったんだろう」という問いが生まれると、勝手にその方向で思考が回り始めます。特に「共感性」を併せ持っていると、対人で何かうまくいかなかったときに、くよくよ、ぐるぐるすることがあると思います。でも、原因を探す方向の問いには、そもそも答えがないことが多いのです。仮にあったとしても過去には戻れません。

対処として大事なのは、くよくよが始まったら無理に止めようとしないことです。止めようとしても止まらないのが「内省」の思考なので、止められない自分に対して「何で止められないんだろう」という問いが立ち、今度はそれで回り始めてしまいます。

だから「あぁ、また今くよくよしているなぁ」と、自分を少し離れたところから眺める感覚でいるのがいいと思います。そのうち止まります。考えすぎていると感じたときは、身体を動かしたり場所を移動したりして、体の感覚を働かせるのもいいでしょう。

効果的に活かす方法

「内省」を効果的に活かす鍵は、じっくり考える時間を、自分で確保することです。

深めて考えることこそがこの資質の強みですから、その時間を十分に取ることが大事です。会議などで何かを問われたら、「少し時間をいただけますか」「最後にしてもらってもいいですか」と自ら言って、考える時間を確保できるといいですね。周りの人が「あとでこういうことを聞くから考えておいてね」と接してくれると、「内省」を上位に持つ人にはとてもありがたいものです。

考えすぎると自分の思考グセを否定するのではなく、どこまでも深めて考えられるその思考を、活かす方向で考えましょう。人と離れて、誰にも邪魔されずに思考に没頭できる環境を確保することも大事です。目に入るもの、聞こえてくるものは、意外と思考に影響します。

次に、自分に投げかける問いの方向と質を変えることです。「内省」は自分で自分に投げかけた問いによって思考を深めます。ということは、どんな問いを投げかけるかで、思考の方向が変わるのです。

「何であんなことを」ではなく、「あの人は本当にそんなふうに思っているのかな」と自分の思い込みに疑問を持つ。「ここから何かを学ぶとして、どう活かせばいいだろう」と未来に目を向ける。考えすぎて動けないときは、そこにある種の不安があるものです。

「それって本当に起こるかな」「起こったとして、何か困ったことがあるだろうか」と、不安そのものに疑問をぶつけてみてください。正解はいつも「そうかもしれないし、そうではないかもしれない」。つまり、確認してみないとわからない。そこに行き着けば、あとは「確認してみる」という行動から始められます。

もう一つは、他の人の視点を借りることです。自分の頭の中で自分と対話しながら思考を深めていくだけに、自分だけの世界で完結しがちです。しかし、その思考の枠組みは、自分が持っている知識や情報、価値観で形作られています。視点の幅という意味では、かなり限られているのです。

自分一人で考えても答えが出ないなら、他の人の視点を借りる。他者との対話は、深さの方向だけでなく、思考の幅の広さを生み出します。深さの方向にはいつでも行けるからこそ、意識的に幅を広げる方向に行ってみる価値があります。

思考が煮詰まって出口が見えなくなったら、人に話を聴いてもらうのも大事です。もちろん、どんな助言をもらっても、自分なりにかみくだいて納得してから前に進めばいいのです。

そして、アウトプットすることです。「内省」を上位に持つ人は、話し言葉より書き言葉で表現する方が得意な人が多いです。ブログなどで、物事の本質を突いた文章を発信することで貢献するのもいいと思います。

対比される資質

「コミュニケーション」と「内省」は、考えることと話すことの順番が対照的です。「内省」を上位に持つ人は、発話の前に必ず思考があります。自問自答しながら思考を深め、あらかじめ考えていたことを話したい人です。

「コミュニケーション」を上位に持つ人は、極論すると思考より先に発話があります。一度外に出した言葉を自分の耳に入れて、思考を整理していくのです。「内省」の場合は自分を納得させるために思考があり、「コミュニケーション」の場合は相手を納得させるために発話があるのです。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「コミュニケーション」から見れば「内省」は黙っていて何を考えているかわからないように見え、「内省」から見れば「コミュニケーション」は考えずに話しているように見える。しかし、じっくり考えて本質を突く人と、すぐに話し始めて場を動かす人は、どちらも組織に欠かせません。なお、両方を上位に持つ人もいます。その場合は「じっくり考えて、適切な言葉で表現する」という順番になるので、文章で表現することが得意かもしれません。

他の資質との組み合わせ

「内省」と「学習欲」が組み合わさると、学んだことを深く考え、自分の腹に落とし込む人になります。「学習欲」には、知らなかったことを知っている状態にしていく過程を楽しみたいという欲求があります。学んだことを「内省」で消化するので、知識が本当に自分のものになっていきます。

「内省」と「収集心」が組み合わさると、集めた情報の意味を考え抜く人になります。「収集心」には、幅広く情報を集めたいという欲求があります。集めたものをただ溜めるのではなく、「これはどういうことだろう」と深めて考えるので、情報が知恵に変わっていきます。

「内省」と「分析思考」が組み合わさると、何をどういう順番で話すかを頭の中で組み立ててから話す人になります。「分析思考」には、物事の筋道を明らかにしたいという欲求があります。深めた思考を筋道立てて伝えられるので、その言葉はいっそう説得力を持ちます。

「内省」と「コミュニケーション」が組み合わさると、熟考しながら言葉をつむぐ人になります。「コミュニケーション」には、言葉で相手にわかってもらいたいという欲求があります。じっくり考えたことを適切な言葉で表現できるので、書き言葉の方が得意な人が多いと思います。

このように、「内省」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。深く考え、自分で納得したい。思考に制約がない以上、どんな世界でも頭の中に自由に作り上げることができます。彩り豊かで幅広く、奥深い自分だけの思考の世界を味わってください。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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