ブログ

まず今の自分を受け入れる

ストレングス・ファインダー®の資質のプロファイリング(読み込み)や、ストレングスコーチングの際に、クライアントの方からテーマとして良く出てくるのは、ある資質が自分にとって悪さをするので、それを何とかしたいということです。

私自身も多々そういうのがあるので、その気持はとてもよくわかるのですが、それでも私はそのテーマにそのまま乗っかることは絶対にしません。

今日は、その理由を書いてみます。

すべての資質には、必ず二面性がある


私の場合は、「調和性」により葛藤を招くことが多いです。

この資質のおかげで、何かと言動にブレーキが掛かることが多いのです。

そう言えば、今日もあったなぁ。

今日は、大学での講義の日で、新一年生に対する初日の講義でした。

今日日の若者は…とか言うつもりはなく、いつの時代でも講義中の私語や居眠りはよくあることですよね。

そういうのを見て、私の場合いろいろと反応してしまいます。

まず「責任感」が反応して「こっちが喋ってるんだから、私語は慎めよ!」と思います。

それに「自我」も反応して「やっぱり俺の話しは退屈なのかな。」と、自分を否定されたような残念な気持ちになります。

だから、基本的には学生たちをきつく注意したくなるんですが、そこで「調和性」がブレーキを掛けます。

「調和性」は、対立を招きたくない資質なので、叱るというか注意することで相手のネガティブな感情がこちらに向かってくるのがイヤなのです。

で、結局何も言わないか、席を巡回しながらそっと肩をたたいて起こすかのどちらかで、いずれにしろ強く注意することはしません。

こういうとき、何も考えずにすっとアサーティブに注意できればいいなぁと毎回思います。

そんな風に自分から見たら何かとブレーキとなってしまう私の「調和性」ではありますが、一方で、必ず、確実に自分の強みでもあるのです。

その場にある感情のさざ波を検知する、感度の高いセンサーを持つ私の「調和性」は、場の調和を保つバランサーとしても作動します。

そして、どんな事に対しても極端に偏りを持った意見を持たず、意見の対立がある場にあってもその間に立ち位置を取れる私は、どんな人の意見もひとまず素直に聞くことができます

こういったあり方が、ある面私をニュートラルな人間だと見させています。

こういうところは、私の強みだと言ってもいいでしょう。

資質はあくまで無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターンです。

それゆえの無意識の強みと、弱みの両面を必ず持つものなのです。

まずここをしっかりと理解することが大切なのです。

それでも多くの人は、自分の弱みには自覚があり問題視するのに、強みにはなかなか目を向けないし気づかないのです。

だから、まずは正しくその両面について自覚することが必要なのです。

強みと弱みの両面を知り、初めて自分を受け入れられる


自分の弱みにしか目を向けていない状態は、自己受容が出来ていない状態です。

これが出来ていない段階では、自分の弱みを何とかしようと思っても、それを克服することは難しいです。

いや、答えは非常に簡単なのです。

その弱みとして出ている言動を改めれば良いのですから。

でも、それが出来ないからこそ悩んでいるんですよね。

であれば、ただ弱みを克服するために努力するというのは、恐らくしんどいし、苦しいだけで効果的ではありません

では、どうするか?

まずは一旦現状を受け入れ、認めることです。

今のままの自分でも、何も問題ないということを知ることです。

自分のこれまでを振り返ったとき、自分に今困った思いをさせている資質であっても、その資質を持っているからこそ、何か良いことをもたらしてもきたはずなのです。

誰かに貢献し、誰かに喜ばれたとき、そこには必ず自分の資質が強みとして活かされてきた瞬間があります。

まず、そこに目を向けてみましょうということです。

そうすれば、「そうかぁ。こんな自分でいいんだな…」と、きっと安堵した気持ちになり、今の自分を受け入れることができるでしょう

今の自分を受け入れてからがスタート


そして、そこからが初めてスタートです。

ひょっとしたら、自分を受け入れられた時点で、既に問題はなくなっているかもしれないし、そうでないとしても、自分の弱みを克服することが、絶対に取り組まないといけないことではなくなっていると思います。

今の自分で居続けることでもOKなわけだから。

それでもやっぱり弱みを何とかしたいと思うのであれば、そう取り組んでいけば良いと思います。

一旦今の自分を認めていれば、そこから勇気の必要なことを取り組むのにもハードルは低くなっているはずです。

だって、うまくいってもいかなくても、そもそも今のままでも良いのだから、うまくいかないことを恐れる必要もないのですから。

私のコーチングでは、上記のようなアプローチで、まずスタートラインに立ち、呼吸を整え、心を落ち着かせてもらうことを大切にしています。


文責 ギャラップ社認定ストレングスコーチ 知識茂雄