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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「調和性」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

人間関係構築力の資質である「調和性」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「調和性」を上位に持つ人の根源にあるのは、対立を避け、皆が同じ方向を向いて、現実的に着実に物事を前に進めたいという欲求です。

原語はHarmony。「調和性」は、端的に言うと「対立」を嫌います。対立は何も生み出さないし、非生産的なものだと無意識に考えています。人間関係構築力に分類されていますが、実行力にも関連する資質で、その根源にある欲求は、現実的に、着実に物事を前に進めるということです。

だから「合意」を求めます。逆に言えば、対立は物事を前に進める上での「障害」でしかないと捉えているのです。対立せずに、皆が同じ方向を向いて歩調を合わせて進んでいる状態を好む。いかに合意を得るかを、常に考えています。

私自身も2番目に持っている資質で、企業研修で出会う人の中でいちばん多いのではないかと思っている資質でもあります。影響力の資質全般が自分の思う方向に物事を動かしたいという欲求を持つのに対し、世の中の大半の人がそういう欲求を持っていたら必ずしもうまくは回っていきません。

全体としては合意を取り、調和を図りながら現実的に進めていく必要がある。ここに「調和性」の役割があると思っています。この「対立を避け、合意によって着実に前に進めたい」という欲求こそが、「調和性」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

合意を求める欲求は、まず「周りに合わせる」という形で表れます。

「調和性」を上位に持つ人は、場の空気を読み、対立を起こさないように、さざ波を立たせないように振る舞います。よく「自分の意見はないの?」と聞かれることがあると思いますが、自分の意見を持たないわけでは決してありません。ただ、自分の意見を出してそこで対立が起こるくらいならば、譲れる範囲で譲って相手や周りに合わせる方を選択しがちなだけです。

仲間内で食事に行った際に「何食べる?」と聞かれて「何でもいいよ」と答える確率が高く、自分だけ違うものを頼むよりは周りに合わせた方が楽なのです。会議や打ち合わせでいきなり意見を求められるとちょっと困ってしまうのも特徴で、皆の意見を聞いてみないと、自分がどうそこに合わせて意見を出せばいいかわからないからです。一通り皆の意見が出揃い、場の空気や方向性が見えてから、できる限りそれに合わせる方向で自分の意見を述べます。

次に、「合意点を探す」という形で表れます。皆の意見を黙って聞きつつも、どこに着地点、合意点があるかをずっと考えています。無意識に、どんな人の、どんな意見にも同意できる点を見出すのです。

様々な社会問題に様々な意見がある中で、どこかの意見に偏って賛同することが少なく、「この人の言うこともわかるし、一方で、あの人の言うこともわかる」という感じです。自分でも気づかないうちに仲介役、調停役を担っていることも多く、対立しがちな部門同士の間に立ち、双方の意見を聞いて調整するのが得意です。

そして、「場の空気を敏感に察知する」という形で表れます。その場にいる人の声の調子、気持ちや場の雰囲気に対する感度が非常に高い。「共感性」と違うのは、「調和性」で感じ取るのはそこに対立感情があるか否かだということです。

「共感性」はその場にいる一人ひとりが笑顔でいることに安心感を覚えますが、「調和性」はその場にいる全員の感情の方向性が揃っていることに安心感を覚える。皆が真面目に、深刻に議論している場で、ふざけたような態度での発言があると、それが誰かの負の感情をもたらすのではないかとどきっとするのです。

「調和性」は、物事を現実的に考える資質でもあります。あまり非現実的な夢を描かず、現実的に着実に物事を進めたい。発散型の思考ではなく収束型の思考で、あまり「策を練る」ということをしません。

良くも悪くもある種の「正攻法」で向かい、そこから、他の人の話を真に受けやすいという特徴も見えてきます。社交辞令の「今度食事にでも行きましょう」を真に受けて、いつか誘ってもらえるものと思い込んでしまったりします。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「調和性」を上位に持つ人は、その天性のバランス感覚で場に安定をもたらし、それを維持する人になります。

意見が対立している場にあって、一致点、合意点を見出す天才です。一見すると着地点が見出せないような様々な意見が飛び交う中で、最大公約数的な合意点を見出し、全体を合意に導いていける。全体の意見を調整し、対立によって停滞しているチームや組織のメンバー全員を再び同じ方向に向けて進ませる。

その存在が、チームや組織に着実な前進をもたらします。声の大きな人だけを見るのではなく、声の小さな人のこともちゃんと見ていて、声の小さな人の意見にも耳を傾けることが、より良い着地点を見出すことにつながることを知っています。

目先の問題で対立している両者に、その先にある本来の目的に目を向けることの大切さを教えてくれる。方法は違えど、視点は違えど、目指しているところは同じ。そこに気づければ、小さな意見の相違には目をつぶり、大きな目的に向かっていけるのです。

そして、対立を未然に防ぎます。プロジェクトを進めていくうちに「このままだとどこかで不協和音が発生するな」ということが見えることがあります。そういうのはよくお互いの意思疎通が不足していたり、背景の説明が不十分で誤解が生じていたりするので、さりげなく根回し的なことをやります。

「◯◯さんがこういうことをやりたがっているけど、そちら的には大丈夫ですか?」と聞いて、その返事を◯◯さんにさりげなく返す。こういうときに誰も傷つけない言い回しができるのも「調和性」ならではです。

誰かの発言が言葉足らずで誰かを傷つけそうなときには、自ら情報を補足したり、本来の意図を正確に伝えたりして調整を図る。対立や不協和音が起こるとその解消に余分な力を割かなければならないので、それを未然に防ぐのです。

場に存在する感情の乱れを察知し、そのさざ波を自らバランサーとなって静かに収めていく。「あなたがいると、場が落ち着く」。こんなふうに言われたことはありませんか。

何をしたという意識がなくとも、場に安定をもたらすのが「調和性」です。場に平和と安定をもたらし、安心、安全な場を作り上げる人なのです。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず自己主張を必要以上に抑えてしまいます。

「調和性」を上位に持つ人が自己主張が苦手なのは、対立を嫌うところから来ています。相手がどう思っているかわからないまま一方的に自分の思っていることを言うことはあまりなく、場を乱さず全体を合意に導きやすい一方で、自分の言いたいことを必要以上に抑えてしまいがちです。口には出さないけれど、本心は別のところにあることもままあります。

これが良くない方向に行くと、会議では特に発言もせず反対意見も述べないのに、後で仲のいい人に「実は、あれには反対だ」なんてことを言ってしまう。他の人からすると「そんなの会議中に言え」ですよね。自分と意見の食い違う人がいて、どう言っても納得することはないと思うと、ただ黙ってしまうこともあります。

「調和性」を上位に持つ人が急に黙り込んで存在感を消すようなことがあれば、それが起こっている可能性が高いです。誰かに何かを物申すつもりで意を決してその人の元に行っても、いざ目の前にした途端に気持ちが萎えてしまうこともあるでしょう。そういう反応そのものはなくならないので、あらかじめメールで伝えておいて緩衝を置くとか、はっきり物の言える人に代わりに言ってもらうとか、工夫する方が現実的です。

大事なのは、「対立は物事を前に進める上での障害にしかならない」という思考を、少し緩めることです。端的に言えば、時には対立を恐れずに自己主張してみようということです。「調和性」的にはとても勇気のいることなので、こういう事実を知っておいてください。自分が上位に持つ資質を同じように上位に持つ人は、全体から見たら必ず少数派です。

統計的に最も上位5つに入りやすい資質であっても、全体に対する割合は3割程度。つまり、対立を良くないものと捉えている人は、世の中全体から見たら圧倒的に少数派なのです。意見の対立があるのは当たり前だと思っている人の方が多い。それを踏まえて、時に思い切って自己主張してみると、その行為を否定されることはないことにきっと気づけるでしょう。

誤解しないでほしいのは、常に自己主張できる自分になろうということではないということです。それは本来の強みすらなくそうとする方向なので、まったく意味がありません。

言いたいのは、時には自己主張してもいいという「選択肢」を手に入れることです。選択肢として持っておけば、自己主張しないにしろ、それは「言えない」のではなく「言わない」を自分の責任で選んだことになります。その場で言わなかった以上、後で文句を言わないことも大切です。「調和性」を上位に持つ人は非主張的になりやすいので、アサーティブなやり取りを学ぶといいと思います。

もう一つは、エネルギーの高い資質のブレーキとして働くことです。「責任感」など「こうあるべき」の出やすい資質と一緒に持っている場合、自分の基準に照らして許せない言動があっても面と向かっては言いづらいことがあります。そのため、かえって怒りのエネルギーを溜め込んで、限界を超えると爆発してしまうこともあります。

私自身にも覚えがあります。「自我」との組み合わせだと、前に出て目立ちたい思いと「出る杭にはなりたくない」思いがぶつかって葛藤します。良くも悪くもブレーキになりやすい資質なので、実行力や影響力のようにエネルギーの高い資質との組み合わせだと、アクセルとブレーキの両方をべた踏みしているような状態になる。そういう組み合わせを持っている場合は、両方を少しずつ緩める感覚でいると自分を扱いやすくなります。

そして、真に受けて突拍子もない考えをつぶしてしまうことです。現実的に地に足のついた思考なので、「着想」を上位に持つ人が出してくる、時に現実味の欠けた考えに、「それって誰がやるの?」「そんなお金あるの?」「今からやって間に合うの?」と否定的な反応が起こります。

でも「着想」を上位に持つ人が必ずしもその考えを実現させようとして発言しているとは限りません。それを真に受けて、実現可能性という観点だけで否定してつぶしてしまう可能性があるのです。

物事は現実的に考えてばかりいても大きな進歩は見込めず、考えは数が大事で、極論すれば100個のうち1個が当たればいい。自分がつい現実的に考えすぎてしまうことを自覚し、発散が求められる場面では無理に議論を収束させないこと。自分の現実的なやり方を尊重しつつ、むしろ自分の枠を広げてくれる「着想」や「戦略性」の考えや意見を、楽しむつもりで聴けるといいですね。

効果的に活かす方法

「調和性」を効果的に活かす鍵は、収束の場面で出番を意識することと、不満の芽を拾って対立を未然に防ぐことです。

まず、自分の出番を意識することです。会議を運営する際には、意見を出し合って発散させ、そして収束させる過程が必要です。「調和性」の出番は、収束の場面です。一通りの意見が出揃った時点で、結論に向けて意見をまとめることは得意とするところ。

それぞれの異なる意見を聴きながら、どこで折り合いをつけるか、どこに着地すれば多くの人が納得できるかを考え、導いていけます。周りに「調和性」を上位に持つ人がいたら、ぜひ会議の最後の方で発言を促してください。

促されないとそのまま何も発言しないかもしれませんが、決して何も考えていないわけでも意見がないわけでもありません。一通り議論が進んだ後で意見を聞くと、全体をうまく合意に導いてくれます。

今目の前で議論されていることのもっと先にある大きな目的に照らすと、目の前の対立が必ずしも本質ではないことが見えていることも多いです。だから、「誰に何を届けたいのか」といった本来の目的を思い出させることで、自然と対立が収まっていくこともあるでしょう。

次に、現実に落とし込む視点を提供することです。現実的に、実践的に物事を考えられるので、決まったことを形にしていくための視点を出せます。手持ちの時間、人員、技術、お金で何をどこまでできるのか、何ができないのかを考えて提案する。発散した考えを収束に向かわせ、物事を確実に形にしていく役割を担えるのです。

そして、不満の芽を拾うことです。無意識に場全体を見ていて、言葉には出していなくとも何かしら不満がある人の存在を敏感に捉えます。その才能を活かし、そういう人に発言を促す。

必要な情報を提供したり、場合によってはその人の不満を代弁したりして、ささいな感情のもつれが大きな対立にならないように配慮する。勇気をもって「あの人の意見も聞こう」と言いましょう。

ただし、やりすぎには注意が必要です。すべての対立を避けるのは無理ですし、対立そのものを悪いと考えない人もいます。「こういうことを気にしているのではないか」と思っていたことが、本人は意外と気にしていないこともある。

自分が気を遣いすぎて疲れてしまうのも本末転倒です。他者貢献として自分の強みが発揮できる場面をしっかりと認識し、無意識に出すぎないように意識的に扱うことが大切です。

「調和性」を上位に持つ人は、他人の影響を受けやすかったり、自己主張が苦手だったりで、どちらかと言えばそれを弱みとして認識している人も多いかもしれません。対立を良しとしない人がその場にいるだけで、実は場に落ち着きと安定をもたらしている。

そこに気づくだけでほっとするし、安心感が得られると思います。もし「調和性」を強みとして受け取れていないならば、周りの人に「私の強みって何だろう?」と聞いてみてください。あなたの存在が、いかに場に影響を与えているかを教えてくれるでしょう。

対比される資質

「戦略性」と「調和性」は、統計的に順位が離れやすい資質です。「調和性」を上位に持つ人は、複数の人で物事を進める際には基本的に全体で合意を得て進めることを重視し、合意を得るの一択です。「戦略性」を上位に持つ人は、全体を見渡して先を見通し、最善の道筋を選びたいという欲求から、ある成果を出すための進め方は一つではないと考え、合意を得るのはその選択肢の一つに過ぎません。

合意を得るのが最も無駄がないと思えばその選択をし、合意を得なくても先に進めた方が得策だと思えばそちらを選ぶ。「戦略性」と「着想」は共に上位に来やすいので、結果的に「調和性」が上位で「着想」が下位の人も比較的多いと思います。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「調和性」から見れば「戦略性」は波風を立てているように見え、「戦略性」から見れば「調和性」は目の前の合意に縛られているように見える。しかし、皆の足並みを揃える人と、先を見通して道筋を示す人は、どちらも組織に欠かせません。

「調和性」を上位に持つ人にとって「戦略性」的な思考はある意味あこがれの対象ですが、思考の型は簡単には変えられません。だからこそ、役割分担です。うまいやり方が浮かばないときは「戦略性」や「着想」を上位に持つ人の知恵を借り、自分は自分の得意なことでお返しをする。強みを活かし合い、弱みを補い合う関係を築くことが理想です。

他の資質との組み合わせ

「調和性」と「共感性」が組み合わさると、さりげなく人を支える人になります。「共感性」には、人の気持ちを大切に扱い、人が笑顔でいることを自分の喜びにしたいという欲求があります。他者を優先し、相手の気持ちに配慮しながら細かなところに気づいて支えるので、周りから感謝されます。一方で自己主張が薄くなり、他者優先が行きすぎて自分を疲弊させることもある組み合わせなので、対等なやり取りを心掛けるといいでしょう。

「調和性」と「適応性」が組み合わさると、どんな場にいてもその場に合わせられる人になります。「適応性」には、今この瞬間に起こることを受け入れて対応したいという欲求があります。自分がやりたいことを主張するよりも流れに任せて周りの求めに柔軟に応じるので、良くも悪くも受け身になりますが、「いてもらうだけで安心する」と言われる存在になります。

「調和性」と「責任感」が組み合わさると、決めるべきことは自分の役割として決められる人になります。「責任感」には、人との約束を果たして誠実でありたいという欲求があります。

「調和性」は皆の意見を聞けば聞くほど迷って決められなくなりがちですが、「責任感」を使って「決める」ことを自分の役割にすると、それを果たせるのです。一方で、自分の基準に照らして言うべきことを「調和性」が抑え込み、ストレスを溜めやすい組み合わせでもあるので、普段から言うべきことを対等に言うことと、「べき」を緩めることを意識しましょう。

「調和性」と「公平性」が組み合わさると、場全体を隅々まで見渡しながら雰囲気を整える人になります。「公平性」には、一貫した基準で、誰に対しても公平に接したいという欲求があります。全員が平等に扱われることと対立が避けられることの両方を大切にするので、誰もが等しく安心して意見を言える場が整います。比較的多い組み合わせです。

このように、「調和性」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。対立を避け、合意によって着実に前に進めたい。どんな資質を獲得してきたかは、無意識に自分の役割を定義してきたのと同じだと私は思っています。合意点を見出せるという強みを、どんな場面のどんなタイミングで発揮するのかを意識して過ごすことで、より効果的に、より他者貢献として使えるようになります。

上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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