たとえば、会議で上司が来月の仕事の進め方を提案し、意見を求めても誰も話さない。ところが、決まったあとで、別の考えや不満が出てくる。
そんなときは、上司と異なる意見も表明してよいという前提を、参加者全員で共有してみてください。自分の意見を持ち、それを表明する権利は、立場によらず誰にでもあります。意見を求めたあとの対応でも、その権利を尊重することが必要です。
意見を言う権利は、誰にあるのか
アサーティブには、アサーティブ権という考え方があります。その中の1つが、「自分の意見を持ち、それを表明する権利」です。私は以前、アサーティブ権をテーマにしたミニセミナーを開き、noteでもこの考え方を紹介しました。
自分だけでなく、誰もが同じ権利を持っている。自分が意見を伝えるときも、相手から異なる意見を伝えられるときも、お互いにその権利があるということです。
アサーティブの4つのキーワードの1つに「対等」があります。地位、役割、能力によらず、人として対等であるということです。会議でも、上司と部下が違う考えを持ち、それぞれの意見を伝えてよいと考えられます。
会議の始めに、何を伝えるか
この考え方を冒頭の例の会議に当てはめるなら、進行する上司から、たとえば次のように伝えられます。
「私と違う意見も聞きたいです。この進め方で気になる点や、別の考えがあれば聞かせてください」
意見を求めたあとに相手が違う考えを口にしたら、それも自分と同じ権利を使っているのだと受け止めて、話を聞く。会議の始めに伝えたことを、そのあとのやり取りでも守っていきます。
異論が出たとき、どう応じるか
たとえば、この会議で、部下から今の人数では期限に間に合わないという意見が出たとします。上司には、今の人数で進められると考えた理由があるかもしれません。
その場合も、自分の理由を話す前に、「どの作業で、日程が厳しくなりそうですか」と聞いてみてください。相手が何を気にしているのかを聞いてから、自分が考えていた進め方を説明します。異論をさえぎって自分の案を説明し直すと、部下は次に違う考えが浮かんでも、話すのをためらうかもしれません。
お互いの話を聞いたあとは、期限や分担をどうするか、仕事を進めるための話し合いが必要です。意見を聞くことと、その意見を受けて進め方を変えるかどうかは分けて考えられます。変えないと決めた場合も、聞いた内容に触れながら理由まで伝えることが、相手の意見を尊重する応じ方の1つです。
意見を伝える側も、たとえば期限に間に合わないと考える作業を具体的に伝えてみてください。期限や分担を話し合うための材料になります。
発言するかどうかも、本人が選ぶ
こうして意見を求めるときに、もう1つ、一緒に共有しておきたい権利があります。以前のブログでも紹介した、「私たちには自己主張しない権利もある」ということです。
アサーティブを学ぶことには、自分で選べる行動を増やすという意味があります。意見を伝えるかどうかも、本人が選ぶことです。
会議で異論が出ないからといって、全員に必ず1つずつ異論を言うよう求めれば、発言が義務になってしまいます。会議の始めに意見を求める言葉に加えて、たとえば「今ここで、全員が何かを言う必要はありません」と伝えられます。考える時間が要る人には、その場で答えるように迫らずに待ちます。発言しないことを選んだ人には、それを受け止めます。
会議で発言がなかったことだけで、進め方に全員が賛成したと判断するのも避けたいところです。たとえば、示した期限で対応できるか、分担に無理がないかを、会議のあとで担当する人に確かめます。発言を迫るためではなく、仕事を進めるための確認です。意見を言う権利をお互いに認めるときには、発言するかどうかを選ぶことも含めて共有したいと思います。
会議で意見が出ず、決まったことに後から不満が出る職場では、上司が異論に応じる言葉も、部下が言いにくいことを伝える言葉も、練習で身につけていけると思います。アサーティブ・コミュニケーション研修では、上司も部下も、一人ひとりが自分の伝え方のくせを知り、自分の実例を伝え方の4つのステップで整理して、言いにくいことを、相手も自分も大切にしながら伝える練習をします。人数や時期が決まっていなくても、ご相談いただけます。
無料レポート
ストレングスファインダー®を受けた方へ
上位5資質から、強みの活かし方を読む
ストレングスファインダー®の上位5資質と、活かしたい場面(仕事・人との関わり・自分のこと)から、あなたの強みの出方と、明日から試せることを読み解く、A4・1枚のレポートです。できあがったレポートは、メールでお送りします。
上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。
もっと深く知りたい方へ





