1on1で部下から話を引き出そうとしても、なかなか言葉が出てこない。そんなことはないでしょうか。
相手から引き出すのに要るのは、相手の言動を自分の基準でジャッジしない傾聴と、素直な好奇心から出てくる質問の2つです。その土台には、自分と相手は違う価値観を持つのが当たり前だと認めていることと、その違いに無邪気な好奇心を持っていることがあります。
相手から引き出すために、まず何を見直せばいいか
今、以前にも増して、相手から引き出すコミュニケーションが求められていますよね。すなわち、コーチング的なアプローチです。
相手から何かを引き出す具体的な関わりは、傾聴と質問です。
以前開催したプロファイリング初級講座の参加者の方向けに、口頭プロファイリングのデモ版を提供しました。そのために、コーチ仲間にお願いして相手をしてもらったのです。
通常、プロファイリング(資質の読み込み)では、私がお話しすることのほうが多いのです。そのときはあえて、引き出すアプローチに寄せてみました。
あとで自分自身で振り返り、以前の自分と今の自分、すなわち引き出すアプローチができている自分とそうでない自分とで、何が違うのかを考えてみました。違いは2つありました。順に書いていきます。
聴くとき、相手の言動をジャッジしないとはどういうことか
1つ目は、聴くという行為の中で、相手の言動を自分の基準と照らしてジャッジすることを、ほぼやっていないということです。
「ほぼ」と書いたのは、「絶対に」とは“絶対に”言い切れないからです(笑)。やっぱりどこかで、ふっとジャッジしている自分が現れたりはするのです。
でもそういうとき、すかさずもう一人の自分が登場して、「おい、今ジャッジしてるぞ!」と教えてくれます。ですから、「聴く」の姿勢に戻ることができます。
質問は、素直な好奇心からどう生まれるのか
もう1つは、質問についてです。
純粋に「へー、そうなんだぁ」という気持ちで聴きながら、「なんでそうなんだろう?」「こういう場合はどうなんだろう?」と、素直な好奇心で質問している感じです。
ここで大事にしたいのは、質問の根っこにあるのが、相手を評価する気持ちではなく、「へー、そうなんだぁ」という気持ちだということです。相手の言動を自分の基準で測らずに聴いているから、その続きを知りたくなる。聴く姿勢と質問は、つながっているのだと思います。
引き出すアプローチの土台には、何があるのか
ここまで読んでいただいて、おわかりいただけたと思います。引き出すアプローチ、すなわちコーチングと、ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、とても相性が良いのです。
まず、ベースに、自分と相手は違うということがあります。そして、その違いをリスペクトし合うということがあります。
その上で、お互いの違いが資質の違いから来るものだとわかっています。ですから、その資質の違いがどういうメカニズムで何をもたらすのかを、知りたくなります。
引き出すアプローチには、次の2つが必要なのだと思います。
1つ目は、お互いが異なる価値観や考え方を持つ存在であると、当たり前に認識し、それを尊重していること。2つ目は、その違いそのものに、無邪気な好奇心を持っていること。ストレングスファインダーは、そのマインドへ容易に誘ってくれます。
違うのが当たり前だと思えていれば、相手の言動を自分の基準で測る必要がなくなります。残るのは、その違いへの「へー、そうなんだぁ」という気持ちです。
先が見えなくなっていて、お互いが正しさのぶつけ合いになりがちな今、そういうマインドが大切だと思います。
1on1で、部下から引き出すにはどうすればいいか
ここまでの話を、職場の1on1に置き換えて考えてみます。1on1は、立場も経験も違う二人が、向かい合って話す場です。違う価値観や考え方を持つ二人の場だと考えると、ここまでの話がそのまま当てはまります。
1on1では、こんなことが起きてはいないでしょうか。部下が話さず、上司ばかりが話している。何を聞けばよいか分からず、沈黙が気まずい。1on1が業務の進捗確認で終わってしまう。これらは、聴き方と訊き方を見直すきっかけになります。
聴くときは、相手のペースに合わせて、話し終わるまで待ちます。言い換えや要約で、受け取ったことを確かめます。そして、評価・反論・結論を急がないことです。自分の基準で「それは違う」と測りたくなったら、私の中の「おい、今ジャッジしてるぞ!」のように、気づいて戻ってくる。まずはそこから始めてみてください。
訊くときは、方向を決めておくと楽になります。たとえば、広げる質問は「ほかには、どんな選択肢がありそう?」。絞る質問は「その中で、いちばん大切なのはどれ?」です。どちらも、部下の中にあるものを、一緒に眺めるための質問です。
部下の考え方は、上司とは違って当たり前です。その違いが、部下の資質から来ているのだとしたら、「どういう場面で、どんなふうに力が出る人なんだろう」と、知りたくなってきませんか。
私たちの「1on1のやり方研修」は、聴く・訊く・認めるの3つを、部下の資質を手がかりに練習する管理職向けの研修です。研修では、3人1組で上司役・部下役・観察役を交代しながら練習します。人数や時期が決まっていなくても、ご相談いただけます。内容は 1on1のやり方研修のページ をご覧ください。
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