同じように声をかけているのに、部下によって伝わり方が違う。そう感じることはないでしょうか。
部下によって、届く言葉は違います。ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)の資質が違えば、欲しいものも、言い切りだったり、率直な改善点だったり、じっくり聞いてもらうことだったり、具体策だったりと変わるからです。上司が自分の自然な話し方のまま渡しても、相手が欲しいものとは限りません。
以前、チャリティーセミナー「あなたのTOP10を読み解く夜」で、参加者の方のTOP10を前にして、その方の内側で何が起きているのかをことばにしていく時間がありました。この仕事を13年続けていますが、読み解きは今も、いちばん神経を使います。
私の自然な話し方は、言い切りになりません
私のTOP5は、最上志向、調和性、学習欲、アレンジ、適応性です。6位から10位は、自我、内省、収集心、責任感、達成欲です。初回の診断では分析思考もTOP5に入っていて、今も私の思考を強く動かしています。この資質構成が、私のものの見方、ことばの選び方、間の取り方に影響しています。
自分の「自然」のまま話すと、私はこういう話し方になります。
「〜という可能性があります」 「〜という見方もできます」 「〜という傾向が見て取れます」
責任感が「うそをつきたくない」と働き、分析思考が「論理的に正しいか」を問うてくる。そこに調和性が「相手の受け止めに余白を残したい」と重なる。結果として、言い切り型にはなりません。
指令性や自己確信が上位の人には、言い切りのほうが届きます
ところが、これが通じにくい相手がいます。影響力の資質のなかでも、特に指令性や自己確信が上位の方です。
こうした資質が上位の方は、率直なやりとりを好みます。あいまいさを残されると、かえって不信感が生まれます。「で、結局どうなの?」と、表情に出る方も少なくありません。
こういう方には、明確に言い切ったほうが届きます。私の感覚からすると、少し切り込んでいくくらいです。その踏み込みがあってはじめて、相手のなかに「ちゃんと話してもらえた」という感触が生まれます。
部下との1on1でも、同じことが起きるのだと思います。上司が丁寧なつもりで余白を残して話しても、部下には核心を外された話に聞こえるかもしれません。
頭ではわかっています。でも、油断すると、すぐ私の「自然」に戻ります。「〜かもしれません」「〜という側面もあります」と、丁寧なつもりで核心を外している。話しながら「あ、今、ぼかしたな」と気づくこともあります。
改善点を聞きたい人には、強みを伸ばす話だけでは足りません
チャリティーセミナーのときには、もうひとつ「自然」が出ました。私は最上志向が上位で、回復志向は最下位です。最上志向は、目の前の人の良いところを見つけて伸ばしたくなる資質。回復志向は、問題を見つけて直したくなる資質です。
この組み合わせだと、改善したほうがいい点には、無意識のうちに触れたがりません。強みを見つけて、そこを伸ばす方向で話したくなります。そこに調和性も手伝って、「切り込んだら、気持ちを損ねるかもしれない」という配慮まで入ってきます。
そのときの参加者のなかに、回復志向が上位で、最上志向が下位の方がいらっしゃいました。その方のTOP10を読み解いていたとき、こんなご要望をいただきました。
「改善したほうがよいところも、教えてほしいんです」
「しまった」と思いました。その方が求めていたのは、「どこをどう直せばよいか」という観点でした。伸ばすより、まず欠けているところを埋めたい。そこが見えてはじめて、前に進める感覚があります。私は、それを渡せていませんでした。
指令性や自己確信が上位の方への言い切りと同じで、気をつけているつもりでも、自分の「自然」のほうが先に出ていたのです。ことばで指摘してもらえたから気づけました。指摘してもらえなかったら、そのまま素通りしていたと思います。
部下が欲しがっているものは、何が違うのでしょうか
自分の「自然」のまま話すのは、楽です。自分にとって心地よいことばを、心地よいペースで、心地よい順番で渡せばいいからです。でも、そのまま渡したものが、相手の欲しいものだとは限りません。
私が「強みを伸ばす話」を渡していたとき、受け取った側は「ありがたいけれど、私が今ほしいのはそれじゃない」と感じていたかもしれません。
相手が欲しいのは、明確な言い切りかもしれませんし、率直な改善点かもしれません。じっくり話を聞いてもらうことかもしれませんし、その場で手が動く具体策かもしれません。
それは、相手の資質構成によって違います。私の資質構成とは別の物差しで、決まっています。
あなたが今、良かれと思って部下に渡しているものは、相手が本当に欲しがっているものでしょうか。あなたの「自然」は、相手にとっての「ほしい」と、かみ合っているでしょうか。かみ合っていないとき、それに気づくきっかけは、たいてい相手からのことばです。以前の私がそうでした。
部下ごとの声のかけ方を練習する、1on1のやり方研修
自分の「自然」は、気をつけていても出ます。だから私は、相手の資質を手がかりに、声のかけ方を考えておく時間が役に立つと思っています。
1on1のやり方研修は、聴く・訊く・認めるの3つを、部下の資質を手がかりに練習する管理職向けの研修です。半日(3〜4時間)を基本に、人数と状況に合わせて調整します。3人1組で上司役・部下役・観察役を交代しながら、ロールプレイもします。
持ち帰っていただくものの1つが、部下ごとの「上位資質と声のかけ方」のメモです。当日は、参加者全員の資質の一覧を見ながら、実際の部下の方について書きます。
人数や時期が決まっていなくても、ご相談いただけます。ご相談は無料です。詳しくは、1on1のやり方研修のページをご覧ください。
https://heart-lab.jp/training/coaching/
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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。
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