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わかっているのにできない理由

わかっているのにできない理由


先日は、コーチング研修のサポートを務めました。

知っていることとできることは違うというのはよく言われることです。

その中でもコーチングはその最たるものかもしれません。

知っている、理解しているのにできないのには明確な理由があります。

一つには、慣れていないことだけにこれまでのやり方についつい引きずられてしまうこと。

ここは、他者からのフィードバックも受けつつ少しずつ時間を掛けて積み重ねていけばできるようになる部分。

一方で、単なるクセとして片づけられない部分もあります。

自分でも「わかってはいるのに…」と感じる部分です。

傾聴にしてもそうです。

聴くという単純な行為なのに、それすら難しいことがあります。

かつての私もそうでした。

なぜ聴けないのか?

そこには様々な要因があります。

その一つに、人に自然と備わっている相手の問題を解決してあげたいとの思いがあるかもしれません。

私は典型的なこのパターンに陥っていました。

話しを聴く=相手の問題を解決してあげるになってしまっていて、相手の話したいことを訊き、聴くのではなく、ただ自分が必要なことを訊き、聞いていたのです。

この部分は結構根深いものがあります。

それは、自分が相手に提供できることと自分の存在価値が紐づいていることが多いということ。

私の場合で言えば、相手の悩みや課題に対して解決策を与えてあげられる自分に価値を置いていたのです。

逆に言えば、相手の問題を解決してあげられない自分には価値がないと思い込んでいたということ。

こうなってしまうと、相手が答えを持っている前提でそれを引き出していくコーチングが機能するはずがありません。

機能するコーチングを提供するためには、こういった思い込みを手放していくことが必要です。

翻って、ストレングスファインダー®の結果から自己理解を深め、望ましい方向に自分をマネジメントしようとしたときにも同じ壁にぶつかることがあります。

私で言えば「責任感」上位ゆえにきっちりと成果を出し、誠実に振る舞うことを大切にしています。

だからこそ、その裏返しでどんな場面でもきっちり、かっちりやり遂げねばと自分を追い詰めてしまいしんどくなることもあります。

そうやって自分に厳しくあたればあたるほど、他者に対しても目線が厳しくなります。

そうなってしまう背景には、やはり自分のあり方と自分の存在価値を紐づけた思い込みがありました。

どんなときでも誠実な自分であることで周囲の人たちから認めてもらえるとの思い込みです。

でも、ストレングスファインダー®的に言えば、自分と同じような価値観を持ち自分と同じことを大切にしている人の方が少数派なのです。

すなわち自分の思い込みは明らかに非合理。

ここに気づけてようやく自分の資質の使い過ぎをしないようにマネジメントすることができるようになるのです。

「こうすればいい」「これをやめればいい」と思いつつなかなかできない時は、その根っこに非合理な思い込みが潜んでいないか見てみることをお勧めします。

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