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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「共感性」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

人間関係構築力の資質である「共感性」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「共感性」を上位に持つ人の根源にあるのは、人の気持ちを大切に扱い、人が笑顔でいることを自分の喜びにしたいという欲求です。

原語はEmpathy。文字通り「感情」に関わる資質です。「共感性」を上位に持つ人は、言葉を交わさなくとも、相手が感じているであろう感情を察知することができます。他の人と接しているとき、無意識に相手の感情にアンテナを立てている感じです。

どんな資質であっても、その特徴的な振る舞いは無意識のレベルで起こるものなので、他者の感情を感じるというのも「感じてしまう」と言った方が感覚としては近いと思います。感情を察知するアンテナの感度が、非常に高いのです。

感情に焦点が当たる以上、当然ながら、相手の持つ感情がネガティブなものであるよりポジティブなものである方が安心感が出ます。だから「共感性」を上位に持つ人は、他者の感情がネガティブな方向に振れないようにと配慮して振る舞います。

人の心の痛みを取り除いてあげたいという思いがあり、今つらい状況に置かれている人も、自分が関わることでその人が笑顔を取り戻すことを何よりの喜びとして感じる。つまるところ、人の幸せは感情で決まります。「共感性」は、生まれつき人の幸せを願う資質なのです。

この「人が笑顔でいることを自分の喜びにしたい」という欲求こそが、「共感性」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

人の気持ちを大切にしたい欲求は、まず「他者目線で気を配る」という形で表れます。

「共感性」を上位に持つ人は、常に相手の気持ちを気づかいながら振る舞います。誰かが何かを探している気配を感じると、先回りしてその人が欲しいであろうものを手に取り差し出す。手渡された方は「なぜ自分がそれを探していたとわかったのだろう?」という感じですが、何となくそれがわかってしまう感覚なのです。

何となくいつもと違うという感覚で、体調が悪い人や、何かがあって落ち込んでいる人を的確に察知します。困りごとを抱えている人や、何かがうまくいかず落ち込んでいる人がいると、放っておけない気持ちになる。「回復志向」が加わると、その傾向はさらに強まります。

人の話を共感しながら親身になって聞いてくれる人でもあるので、いろんな人に相談ごとをされることも多いと思います。

次に、「感情の振れ幅が大きい」という形で表れます。他者の感情を自分のことのように感じ取るので、自分の周りにいる人の感情や場の雰囲気によって、自分の感情も左右されます。皆が楽しそうにしていれば自分も楽しくなるし、皆が悲しそうにしていれば自分も悲しくなる。

映画やドラマの悲しい場面では感情移入して涙することも多く、災害の様子が画面に映し出されると、そこにいる人たちの心情を察してつらくなることもあります。その場にいない人に対しても、その人の置かれた状況に自分の身を置いた場面を思い浮かべ、その人が感じているであろう感情を自分の中に無意識に作り出すのです。

体調を崩して気分の沈んでいる人の多い病院のような場所は苦手だと思います。もちろん、楽しい、うれしい場面では人一倍その感情を味わえる人でもあります。

そして、意外に思われるかもしれませんが、「時に厳しさを出す」という形でも表れます。基本的には穏やかで優しい感じの人が多いのですが、しっかりと厳しさを前面に出すこともできます。それは、他者を思いやるからこその厳しさです。

誰かが心無い言葉で他の人を傷つけたとき、それに対して強い怒りを覚える。人の気持ちを大切にするだけに、人の気持ちを逆なでするような発言を許せなく感じるからです。ここでも「誰かのため」の動機づけがあれば、他の人に厳しい姿勢で向き合うこともできるのです。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「共感性」を上位に持つ人は、周りの人の心を温め、癒す人になります。

人の話をうなずきながら否定せずにいつまでも聞いてくれる。そんな姿勢に、悩みを聞いてもらっている方は少しずつ心を落ち着かせ、ほっとし、笑顔を取り戻していきます。

「共感性」は、ただひたすら聴くことの大きな力を教えてくれます。ネガティブな感情をポジティブな感情へと導きたい資質ですが、ひっくり返すイメージではなく、冷え切ったものをゆっくりと温めていくイメージです。そのあり方そのもので、人を癒していくのです。

そして、純粋に人の幸せを自分の喜びに変えられる人です。人は、自分の成功を心から喜んでくれる人の存在に大きく励まされます。「共感性」を上位に持つ人にとって、喜びの感情を素直に表すのは当たり前。その当たり前のことが人を勇気づけ、優しく背中を押します。

人の幸せを本人以上に喜んでくれる。人の心の痛みを本人に代わって感じてくれる。人の思いやりを心からの感謝と共に受け取ってくれる。そのあり方が、どれだけの安心感を与え、心を癒しているか。

意識的に貢献しようと思わなくとも、周りの人への深い思いやりと配慮で、生まれつき貢献しているのです。常に他者目線で周りの人に気を配り、一人ひとりが穏やかにいられるよう振る舞える。それが「共感性」の強みです。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず周りの人の感情に飲み込まれて疲弊してしまいます。

周りの人の感情を敏感に察知してしまうだけに、周りにどんな人がいるかの影響を受けやすい。愚痴や不平、不満ばかり口にする人がいると、気が滅入ってしまうかもしれません。「ポジティブ」を併せ持っていると、ネガティブな感情に反応しやすくなる一方で落ち込んでも比較的早く浮上するので、周りの人の感情によりいっそう敏感になります。

自分の気持ちよりも人の気持ちを大切にするあまり、聞きたくないような話を延々と聞かされてもつい聞き続けてしまい、話をしている本人以上に気持ちが沈んでしまうことも。話している方は聴いてもらってすっきりするものですから。

場合によっては、それが嫌で自分の感情にふたをしてしまう人もいます。そうなると自分の強みを否定することにもなるので、もったいない。「共感性」という素晴らしい才能を封印してしまう人もいるのです。

対処としては、まず、受け取る感情の量を自分の側で調整する意識を持つことです。あくまでイメージの世界ですが、相手と自分の間に透明な板を置き、それを通すことで相手の感情を和らげてから受け取る感じ。自分を透明なカプセルで覆って守られている感覚でもいい。とにかく、受け取りたくない感情のエネルギーから自分を守る意識を持つことです。

自分と相手の間にペンなどの物を置いて視覚的に境界線を引くというやり方も、効果的だと聞きます。どういうイメージでも構わないので、自分をネガティブな感情から守る意識を持つとそこに思考が働きます。その場の空気にただ飲み込まれるのではなく、「あ、今相手の感情に流されそうになってるな」と少し引いた感じで自分を客観視できます。

そして、そういう人たちとは可能な限り距離を置くなど、環境を整えることです。距離を置きたいのは、その人そのものではなく、その人の発するネガティブな言葉。その場を離れても、その人を否定したことにはなりません。

悲惨な映像を「そこから逃げてはいけない」と見続けてしまう人もいますが、自分を大切にしてこそ人のことを大切にできるもの。そういう情報から離れて自分を守ることも必要です。

もう一つは、自分の中の想像でブレーキを掛けてしまうことです。「共感性」を上位に持つ人は、何をやるにしても他者に迷惑が掛かることを避けたい気持ちがあります。その際にありがちなのが「これをやったらあの人が嫌がる」と、自分の中の勝手な想像でブレーキを掛けてしまうことです。

でも、自分が受け取っている相手の感情が、相手の感情をそのまま写し取ったものであるかはわかりません。表情が乏しくて感情が表に出にくい人だっています。

どこまでいっても相手の感情は相手のものであり、相手にしかわからないもの。先回りして配慮できるのが強みでもありますが、先回りしすぎて自分の行動に過度にブレーキを掛けているとしたら、そこは少し緩めてみてはどうかと思います。

そして、自分を置いていってしまうことです。「共感性」の基本的な動機づけは「誰かのため」なので、自分のためだけに何かをやることに意識が向きづらいかもしれません。家に誰かがいるときは手間の掛かる料理を作ってかいがいしく世話をするけれど、自分一人だと途端に何もしなくなる、というように。

他人のために一生懸命に何かをやってあげることで疲れ果ててしまい、そういう自分だとなかなか他の人のことを思いやれずに自己嫌悪に陥る、という訳のわからない循環にはまり込むことすらあるかもしれません。まず自分を大切にしてこその他者貢献です。

効果的に活かす方法

「共感性」を効果的に活かす鍵は、意識的に自分を大事にすることと、「誰かのため」の動機づけをうまく使うことです。

まず、「意識的に」自分を大事にすることです。無意識でいると自分のことを置いていってしまうので、まず先に自分の感情を大事にし、疲れたときには休ませ、ねぎらい、いたわり、自分が喜ぶことを自分にさせてあげる。そうすることで自分が整うと、気持ちにも余裕が出てきて、それまで以上に他者を思いやることができるようになります。

端的に言えば、意識的に自分を最優先にしてみるということですが、そこに誰かが絡む話になると「誰かに迷惑を掛けてしまうのではないか」と心配になり、なかなか踏み出せないかもしれません。もしそうならば、こう考えてみてください。

「人は、自分が思うほど、他の人が何をしようが気にしないものなのかもしれない」。これは恐らく多くの場合事実です。だから、時々思い切って、自分が疲れているときの頼まれごとを断るとか、自分がやりたいと思っていることに協力を求めるとか、それまでやってこなかったことに挑戦してみてください。

意外と何事もなくうまくいくことが多いことに気づくでしょう。常に他者への思いやりを忘れず周りの人に関わっているだけに、周りの人は「もっと自分のことも大切にしてあげればいいのに」と思っているかもしれません。

まず自分を大事にすることが回り回って周りの人を大事にすることにつながる、という図式を作れると、「共感性」はより生産的に活かせます。

次に、「誰かのため」の動機づけを、苦手なことに使うことです。上位の資質が人間関係構築力に偏っていて実行力の資質が相対的に低い人は、「成果を出す」ということに意識が向きづらく、仕事で成果を出すことに苦手意識を持っているかもしれません。

もしそうであれば、その仕事で成果を出すと誰の役に立つのか、誰が喜んでくれるのかを考えてみることです。目の前の仕事の成果に焦点を当ててもやる気が出ないかもしれませんが、それをやることが誰かのためになり、誰かを喜ばせるのだと思えれば、目の前の仕事にも意義を見出せます。

そして、より意識的に貢献することです。影響力の資質が高く「共感性」が低くて、悪気なく人の気持ちを置いていってしまいがちな人に、「今の言葉は、◯◯さんにはちょっときつく感じるかもしれませんね」と伝えてあげる。そういう人に意見するのは失礼ではないかと気が引けるかもしれませんが、そういう型の人はむしろ率直な助言を歓迎するはずです。

自己主張が苦手で言いたいことがあっても言えないでいる人の存在も敏感に察知できるので、そういう人の話を聞いてあげることでも貢献できます。自分の「共感性」が普段どういうところで活かされているのか、他の人に尋ねてみるのも、自分の強みを自覚する上で大切です。

対比される資質

「指令性」と「共感性」は、物言いの率直さが対照的です。「共感性」を上位に持つ人は、相手の気持ちに最大限配慮するため、メールなどの文字でのやり取りでは丁寧で遠回しな表現を使うことが多いです。「指令性」を上位に持つ人は、自分が主導権を握って物事を決め、動かしたいという欲求から、物事をあいまいな状態に留めず白黒はっきりつけたいので、端的で率直な物言いになりがちです。

「共感性」から見ると「指令性」の物言いには圧を感じたり怖く感じたりし、「指令性」から見ると「共感性」のやり取りはまどろっこしく思えることがあります。「分析思考」も、感情よりも論理や理屈を大切にするので、感情を大切にする「共感性」との間で意見のすれ違いが起こりやすい資質です。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「指令性」を上位に持つ人は物事をはっきりさせたいだけで、相手を攻撃しようという意図はありません。だから、こちらも率直なやり取りを心掛け、相手の言動が気になるときは「その言い方は良くないと思います」と率直に伝えることです。合理的な助言であれば素直に従う人たちです。

チームで物事を進める上では、合理的な説明も必要だし、感情面への配慮も必要です。気持ちを大切にする人と、はっきりさせる人は、どちらも組織に欠かせません。

他の資質との組み合わせ

「共感性」と「調和性」が組み合わさると、人の役に立ちたいという思いが強い人になります。「調和性」には、対立を避け、皆が同じ方向を向いていてほしいという欲求があります。一緒に上位に持つ人が多い組み合わせで、一見似ていますが、「共感性」は一人ひとりの感情を大切にし、「調和性」は場全体の調和を保つことを大切にします。

皆が談笑している場で一人だけ暗い顔をしている人がいると、「共感性」はその人の気持ちが気になって純粋に心配し、「調和性」は場の雰囲気が壊れることの方が気になる、という違いです。両方が上位だと、意見の対立が生じたときに双方の感情に配慮しつつ、争いを避けて全体の調和を保つ橋渡し役になります。

「共感性」と「ポジティブ」が組み合わさると、周りの人の感情をポジティブに保つよう配慮する人になります。「ポジティブ」には、自分も周りもポジティブな感情でいたいという欲求があります。落ち込んでいる人に「大変だったね。でも大丈夫、次はきっとうまくいくよ」と掛ける言葉が、相手の気持ちを感じ取った上でのものになるので、ただの慰め以上に勇気と希望を与えます。

「共感性」と「回復志向」が組み合わさると、困っている人を放っておけず、寄り添って問題を解決しようとする人になります。「回復志向」には、うまくいっていないものを元の状態に戻したいという欲求があります。相手の苦境に心から共鳴した上で、具体的な解決策を共に探すので、感情面への配慮と問題解決への意欲が合わさった、頼りになる存在になります。

「共感性」と「適応性」が組み合わさると、急なお願いにも相手の心情を察して応じる人になります。「適応性」には、今この瞬間に起こることを受け入れて対応したいという欲求があります。急に舞い込んだ依頼に対しても、相手の切迫した気持ちを理解し、柔軟に自分の予定を組み替えてできる限り支えるので、周りからの信頼を得ます。

このように、「共感性」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。人の気持ちを大切に扱い、人が笑顔でいることを自分の喜びにしたい。自分を大切にしつつ、他の誰かの喜びが自分の喜びとなるその特徴を存分に活かすことが、「共感性」を活かす鍵です。

上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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