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1on1で上司が話しすぎてしまう。語る前に立ち止まるには

1on1で、気づくと上司のほうがたくさん話している。部下はうなずくだけで、助言や自分の経験談ばかりが続いてしまう。

私の場合、話しすぎてしまうのは、相手の役に立ちたい気持ちが強いときです。その裏には、早く解決してあげたいという焦りが隠れていることもあります。1on1の上司にも、同じことが起きやすいと思います。話し始める前に「ここで一歩引こう」と立ち止まれるかどうかが、1on1では大きな分かれ目になると、私は感じています。

役に立ちたい気持ちが、話しすぎにつながるのはなぜか

以前、横浜で開催されたストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)のイベントに参加しました。日頃はやり取りのない方々と直接お会いする機会で、イベント後の懇親会でも、ストレングスの話題を中心に、いろんな方と楽しく言葉を交わしました。

こういった場で私がよくやってしまうのが、つい「自分の経験を役立てたい」と思いすぎてしまうことです。特に、相手が自分の資質について悩んでいたり、どう活かしたらいいのかわからないという話になると、「自分はこうだった」「こんなふうに乗り越えた」といった話をしたくなってしまいます。

これは1on1ではなく、イベントの場でのことです。ただ、部下が仕事の悩みを話してくれたとき、上司の側にも同じことが起きやすいのではないでしょうか。

良かれと思って渡した話は、なぜ部下に届きにくいのか

自分の中では「役に立てればうれしい」「何かヒントになれば」という気持ちです。ただ、その裏側には、早く解決してあげたいという焦りのような感情が潜んでいることもあります。

そのとき私の場合は、資質の1つである「自我」が動き出して、「自分のやってきたことを伝えることで貢献したい」と強く思ってしまいます。資質は人によって違うので、話しすぎる理由も人それぞれだと思います。

私が何年もかけて積み重ねてきた経験や考えは、短い会話でそのまま伝えても、なかなか相手には届きません。そもそも、その人の背景や状況は私とは違います。よかれと思って渡した言葉が、かえって負担になってしまうこともあります。

特に「良かれと思って」やっているときほど、気づかないうちに、相手のペースや思考の余地を奪っていることがあります。1on1は、部下が自分で話したいことを選び、自分で考える時間です。その余地を上司の話で埋めてしまうと、部下は考える前に答えを受け取ることになります。

話し始める前に、どこで立ち止まればよいか

私がポイントだと感じているのは、「言いたくなる気持ちはあるけれど、ここで一歩引こう」と思えるかどうかです。実際には、私もまだうまくいかないことが多くあります。それでも、少しずつ距離感を調整しながら関われるようになってきたのは、これまでの失敗や気づきがあったからこそだと思っています。

立ち止まる場面は、大きく2つあると思います。

1つは、部下の話から自分の体験を思い出したときです。すぐに自分の話を始めず、まず相手の続きを聴いてみます。自分が何を話したくなったのかに気づくことも、聴く練習の1つです。

自分の話をしたくなったときは、その代わりに、相手が言ったことを言い換えて確かめる手もあります。傾聴の基本としても、言い換えや要約で、受け取ったことを確かめることが挙げられます。話の主役は、あくまで部下のままにしておけます。

もう1つは、聴きながら頭の中で返事を組み立てているときです。返事の準備をしていると、聴いているのは相手の話の前半だけになります。後半は、自分の返事の準備に使われてしまいます。

返事は、聴き終わってから考えても間に合います。数秒黙ってから返したほうが、相手には「考えてくれた」と伝わると思います。

1on1のあとには「途中で自分の話に変えていなかったかな」と、実際のやり取りを振り返ってみてください。

話すことと引くことのバランスは、どう練習するか

話すことも大事です。でも、どこで話すのをやめるか、どう聴くかということも、それと同じくらい大切だと思います。伝えることと引くことのバランスを意識しながら、自分の資質の使い方を見直していく時間が、上司にも必要だと思います。

とはいえ、頭でわかっていても、実際の1on1では気持ちが先に動いてしまうことがあります。そんなときは、立ち止まる練習を、実際の場面に近い形で試してみるのが近道だと思います。

1on1のやり方研修は、聴く・訊く・認めるの3つを練習する管理職向けの研修です。「聴く」では、相手のペースに合わせて話し終わるまで待つこと、評価・反論・結論を急がないことを扱います。3人1組で上司役・部下役・観察役を交代するロールプレイもあります。人数や時期が決まっていなくても、ご相談いただけます。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

この記事を書いた人

知識茂雄

知識 茂雄ちしき しげお

株式会社ハート・ラボ・ジャパン 代表取締役

1986年に九州日本電気株式会社に入社し、半導体技術者として品質向上の業務に従事。2011年に人事総務部へ移り、社内教育・研修の企画と運営、コーチング研修・アサーション研修の社内講師を担当しました。2013年にギャラップ認定ストレングスコーチの認定を受け、株式会社ハート・ラボ・ジャパンを設立。13年・延べ5,000名超のプロファイリングを行い、コーチングを続けてきました。

ギャラップ認定ストレングスコーチ/国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ/日本プロフェッショナル講師協会認定講師

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