多様性を知ることは傾聴を促す
コーチングを学び始める前の私は、人の話しを聴けない人でした。 よく言われることですが、人は話すスピードより頭で考えるスピードの方が速いので、相手が言っていることを先回りして読み取ってしまいます。 さらにはそこに自分の正しさの基準でのジャッジが入るので、相手の言動に対し正誤のジャッジがついた時点で相手の話しは耳に入ってこなくなります。 昔の私はまさにこんな感じ。 その状態からトレーニングを積んで、ようやく相手の話しをジャッジしないで聴けるようになっていきました。 いや、正確に言えばジャッジはしてしまうのだけれど、自分でそのことに気づき、気づくたびにそのジャッジを手放す感じでした。 この感じで話しが聴けるようになると、相手からすると何を話しても否定されないとの安心感を得られるので格段に話しやすくなります。 その意味で、この段階でも傾聴としては十分な効果があると思います。 私の場合は、その後ストレングスファインダー®を深く学んでいく過程で人って本当にいろんな考え方をするのだということに気づくことができました。 そして学びを深めれば深めるほど、自分とは異なる思考を持つ人を心から尊重できるようになりました。 ストレングスファインダー®というツールが、人それぞれの違いを才能や強みという観点で語っているからだと思います。 人それぞれの思考の違いを正誤でジャッジするのではなく、「へー、そう考えるんだ」という感覚で聴けるようになりました。 正誤でジャッジしても手放すのではなく、そもそもジャッジしなくなりました。 というのは言い過ぎで、やっぱりジャッジはしちゃうけど(笑)、こだわりは確実に薄くなりました。 もっと言えば相手の話しを聴きながら「この人のこういう考え方はどんな価値観から来ているのだろう?」との問いを持ちながら話しを聴くようになりました。 ここに至って文字通りの傾聴、すなわち相手の話しに耳を傾けられるようになった気がします。 こう考えると、コミュニケーションにおいて多様性を理解し受け入れることの大切さがわかります。 ストレングスファインダー®はその意味でもとても役に立つツールだと思います。 自分の上位資質を活かすために使うのはもちろん大事だし、まずはそこからスタートするのが王道だと思います。 でも自分のことを知れば知るほど、自分が他の人といかに違うかに気づくことにもなるんですよね。 そうすると自分と違う他の人をもっと知りたくなる。 結局はここに行き着くのだと思います。 なので、ちょっとでも理解を深めようとその世界に足を踏み入れると深みにはまってしまい二度と戻れなくなる。 そういう罠にはまってしまうのがストレングスファインダー®の怖いところです(笑)。
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