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どうして上位資質を知っても活かせないの?

ストレングスコーチの知識茂雄です。

ストレングスファインダー®を受けた方から、こんな声をよく耳にします。

「資質の説明は面白かったけれど、その後どう活かせばよいのかわからない」

診断結果の解説を聞いて「なるほど!」と思っても、日常や仕事の中で実際に使えている人は意外と多くありません。

では、なぜ上位資質を知っても活かせないのでしょうか。


活かせない4つの主な理由

1. 当たり前すぎて、自覚がない

自分では普通だと思っている行動や考え方が、実は他の人にはない強みであることに気づかないのです。

例えば「調和性」が上位の人は、会議で意見がぶつかっても自然と間を取り持ち、落ち着いた雰囲気を作ります。本人にとっては"いつものこと"ですが、これはチームの緊張をほぐし、生産的な議論を促す大きな価値です。

2. 努力や苦労を伴わないため、価値を感じにくい

資質は生まれ持った思考・感情・行動のパターンです。自然にできてしまうことほど「大したことではない」と思いがちです。

例えば「学習欲」が高い人は、新しい情報を吸収し続けることが苦になりません。周囲が「どうしてそんなに知識が豊富なの?」と驚いても、本人は「ただ好きでやっているだけ」と感じるのです。

3. 成果として言語化していない

資質が成果につながった場面を整理していないため、自分の中で"証拠"として残らず、強みとしての自信につながりません。

例えば「達成欲」が強い人が、短納期のプロジェクトを完遂したとき、その背景にある継続的な努力や計画性を振り返らなければ、「やり切った」記憶だけが残り、再現可能な強みとして認識されないのです。

4. 他者との比較経験が不足している

異なる資質を持つ人と接する経験が少ないと、自分の資質の独自性に気づきにくくなります。

例えば「戦略性」が高い人は、複雑な状況の中でも複数の選択肢を瞬時に思い描き、最適ルートを選びます。しかし、この資質が低い人は、同じ状況で選択肢を1つずつ時間をかけて検討します。こうした違いを体感してこそ、自分の資質の価値が実感できます。

資質は持っているだけでは強みにならない

資質は"原石"です。磨き方や使い方を知らなければ、光を放つことはありません。

強みに変えるためには、自覚を持ち、意図的に活用するための理解と仕組みが必要です。

今日からできる第一歩

まずは、自分の資質を「普通の自分」として流してしまわず、日常の中で発揮されている瞬間を意識的に見つけて記録しましょう。

例えば「責任感」が上位の人なら、期限前に仕事を終わらせた日や、約束を守るために工夫した出来事を書き留めます。

その上で、その行動がどんな成果や周囲への影響につながったのかを言葉にしてみることが、強みに変える出発点になります。

  • 「やったこと」:期限より2日早く納品
  • 「成果・影響」:クライアントが安心し、次の案件も依頼してくれた

こうして「資質 → 行動 → 成果」という流れを可視化することで、自分の強みが"再現可能な能力"として手元に残ります。

次回予告

今回の記事では「なぜ知っても活かせないのか」を整理しました。

次回は、資質を強みに変えるために欠かせない5つの要件について、事例を交えて詳しくお伝えします。