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資質の違いはすれ違い?それとも可能性?

先日開催した資質探求講座では、ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)の資質の中でも特徴の異なる「ポジティブ」と「慎重さ」を取り上げました。これらは、見ている方向や反応のしかたがまったく異なる、対照的なペアです。

「ポジティブ」は、状況の中に前向きな側面を自然と見出し、そこに意識が向く資質です。うまくいきそうなことや楽しいことに敏感で、何気ない日常の中にも希望や可能性を見つけるのが得意です。もちろん落ち込むことがないわけではありませんが、気づけば前向きな視点に戻っている。その“切り替え”と、自然と前向きな方向に注意が向く感覚こそが「ポジティブ」の本質といえます。

一方で「慎重さ」は、まだ起きていない未来を想像し、その中に潜むリスクや抜け漏れを丁寧に見つけ出す力です。「何か見落としていないか」「これで本当に大丈夫か」と確認を重ねることで、物事を確実に進めることを重視します。その背景には「物事をきちんとやり遂げたい」「安心して進める状態を整えたい」という意識があり、早く進むことよりも、着実に進むことに価値を置く姿勢があります。

このように、どちらも未来に目を向けてはいるものの、見えているものや注目している点は大きく異なります。そしてこの違いが、しばしばお互いの理解を難しくしてしまう要因にもなります。

「ポジティブ」の側から見ると、「そんなに悪いことばかり考えなくてもいいのに」と感じることがあるかもしれませんし、「慎重さ」からすると、「なんでそんなに楽観的でいられるの?」と、不安になってしまう場面もあるかもしれません。

けれど、それぞれの資質の奥にある“根っこの欲求”に目を向けることで、見えてくるものが変わってきます。「ポジティブ」には「前に進むための希望を見つけたい」という願いがあり、「慎重さ」には「安心して進める状態をつくりたい」という意図があります。つまり、どちらの資質も根底には「よりよく進みたい」という思いがあるのです。

自分とはまったく異なる資質を持つ人を理解するのは、決して簡単なことではありません。ときには「どうしてそんなふうに考えるのかがわからない」「分かり合えないかもしれない」と感じることもあるでしょう。でも、「どちらが正しいか」という視点ではなく、「なぜその資質はそう反応するのか」と見ていくことで、その人が大切にしている価値観や判断の根拠が見えてきます。

そしてその違いを「自分にはない視点」として受け取ることができたとき、はじめて本当の意味で“協業する”ことが可能になります。たとえば、ポジティブな人が楽観的に可能性を信じて進もうとするとき、慎重な人が計画のリスクを拾い、実現性を高める役割を果たすこともできます。逆に、慎重な人が不安材料を見つけすぎて前に進めなくなっているとき、ポジティブな人が「大丈夫、まずやってみよう」と背中を押し、空気を変えてくれるかもしれません。

このように、お互いの資質が相互補完的に機能する関係を、「相互依存」と呼びます。自立した個人同士が、お互いの強みを認識し、活かし合いながら協力すること。それが、真の意味での成果につながる関係性だと考えています。

「違うから合わない」と思っていた相手が、「違うからこそ意味がある」と感じられるようになる。資質の違いに向き合うことは、自分自身を知ることと同じくらい、他者との関係を豊かにしてくれる機会でもあるのです。


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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。



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