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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「公平性」

ストレングスコーチの知識茂雄です。

実行力の資質である「公平性」について解説していきます。

根源的な欲求、動機づけ

「公平性」を上位に持つ人の根源にあるのは、一貫性を保ちたい、誰に対しても同じ基準で公平に接したいという欲求です。

原語はConsistency。「一貫性」という意味です。「公平性」という日本語も確かにイメージしやすくわかりやすいのですが、この資質の本質的な部分を理解するためには、「一貫性を大切にしている」ということを念頭に置いておいた方がいいと思っています。特定の誰かに肩入れすることなく、誰に対しても基本的に接する態度を変えないのも、この「一貫性」から来る部分です。

そして、その根っこにあるのは、人は誰でも同じように幸せになる権利を有する、という思いです。この世のすべての人に等しく幸せになってほしい。特定の人だけが利益を得る世の中ではなく、すべての人が利益を得て幸福になる機会が与えられている世の中を目指している。

だからこそ目が向くのは「個」ではなく「全体」であり、一部の人だけが利益を独占することは許せない。そうさせないためにも一定のルールが必要。そんな思考です。この「一貫した基準で、誰に対しても公平でありたい」という欲求こそが、「公平性」という資質の核心です。

振る舞いの特徴

公平でありたい欲求は、まず「誰に対しても分け隔てなく接する」という形で表れます。

「公平性」を上位に持つ人は、えこひいきや特別扱いを嫌います。できるだけ誰とでも等しい距離感で付き合おうとし、その人の立場や地位によらず、誰とでも等しく接します。お金や地位で人をはかることをしないのも特徴で、人の価値は地位やお金で決まるものではないことを知っているのです。

よく出てくる話としては、出張先で職場へのお土産を買う際、必ず同じものが全員に行き渡るようにする、というものがあります。お土産にありつける人とそうでない人がいると、そこに一貫性がなくなって気持ち悪いのです。

比較的組み合わせとして多い「調和性」も上位だと、もらえた人とそうでない人とで感情の差が出てしまうのではないかという懸念も重なるので、余計にそうなりがちです。発言も一貫していて、一度設定した基準をころころ変えることはまずありません。

次に、「ルールや決まりごとを大切にする」という形で表れます。ここはやや誤解を受けやすいところですが、「公平性」の場合、ルールを守ることが目的なのではなく、ルールがあることによって一貫性が担保されることが大事なのです。ルールを守ることは手段であって目的ではありません。

「責任感」がルールを守ることを正しい行いと認識しているのに対し、「公平性」はルールは公平、平等を担保するためにあると考えています。だから、たとえルールがあったとしても、特別扱いばかりで形だけになっていたり、そのルールがあることでむしろ公平さを損なっていたりするのであれば、そのルールを正しく変えようとします。大切なのは、基準が一貫していることなのです。

そして、「判断の基準を明確にしておきたい」という形で表れます。仕事を進めていく上での各判断の場面で、判断材料が同じならば同じ判断になることを求めます。ここから、フローチャートのような手引きがあることで安心感を得る感覚が出てきます。手引きに則って判断すれば、迷いなく決められるからです。「規律性」も上位だと、手引きの必要性はより強く表れます。「公平性」を上位に持つ人の成果の出し方は、一貫した基準に基づいて判断し、実行していくところに特徴があるのです。

強みとして活かせている状態

この欲求が強みとして機能しているとき、「公平性」を上位に持つ人は、皆の利益を最大化し、世の中に安定と安心をもたらす人になります。

「公平性」を上位に持つ人が個々の違いをわからないわけではありません。むしろ、それぞれに価値観の違いがあることを知っているからこそ、それぞれが自分の利益を主張すると混乱を招くことになると思っている。だからこそ、基準が明確なルールを設けて混乱を収めていくのです。

「公平性」を上位に持つリーダーが率いるチームには、やっていいことと駄目なことの明確な線引きがあり、何が評価され何がそうでないのかも明確です。それにより、メンバーはチーム全体の利益に向けて、安心して一貫した行動が取れます。

多様な人が所属する集団において、給与や評価の仕組みなど、公平で公正な運用が必要な制度やルールを作る力に長けています。

考え方が一貫しているということは、言い換えると「ぶれない」ということです。周りの人から見ると、どんな場面でどう反応しどんなことを言うかが予測しやすい。思考がぶれないという安定性が、周りに安心感を与えています。判断基準が明確で、ぶれずに一貫している。そのあり方そのものが強みです。

その分け隔てのなさが周りの人に安心感を与え、信頼を勝ち取る要因になります。一部の人だけでなく、世の中の全員が同じように幸せになる権利があると考える「公平性」は、世の中に安定と安心をもたらす資質なのです。

妨げになってしまっている状態

同じ欲求が裏目に出ると、まず等しく関わりたい思いが極端になります。

「公平性」を上位に持つ人は、周りの人と等しく関わりたいという思いが強いだけに、それが極端になりがちです。特定の人だけを面倒みることに抵抗が出るかもしれず、場合によっては「一人だけ特別扱いするくらいなら」と、あえて全員との距離を遠めに取ることもあるかもしれません。

誰に対しても分け隔てなく接することが良さでもありますが、人によってはより濃い関わり方、密なやり取りを好む人もいて、その関わり方がそれぞれの個性を尊重していないように取られることもあります。それ自体は仕方のないこととして、そこから先の言動を必要に応じて意識的に工夫していくことが大事です。

その際のコツは、どこに「一貫性」を適用するかです。自分から見た関わり方や関わる頻度、濃さに一貫性を持たせようとするとそうなりがちです。それぞれの個性が尊重されるという点に一貫性の観点を向ければ、もやもやは残るにしても、ある程度の個別対応にも意識が向けられると思います。

もう一つは、手段が目的化することです。ルールを重んじるあまり、例外を認めないという点が強く出すぎてしまう場合です。「公平性」を上位に持つ人は、個よりも全体の利益を優先して考えます。各々が一貫した基準に基づくルールを守ることで、等しく役割を担い、組織全体として成果が出せるようにするという感覚です。そう振る舞えることが強みであると共に、いつの間にかルールを守る、守らせるが目的化してしまいがちです。

例外ばかりでルールが形だけになってしまうのはもちろん論外ですが、人それぞれにやむを得ない理由が生じることも当然あります。そういうときは、その例外を認めることが全体にどんな影響をどの程度与えるのかを、大きな視点で捉えるようにするといいと思います。本来の目的に照らし、譲れない線がどのあたりにあるのかを考えてみることも大事です。

個の事情を考慮せずルールを守ることに頑なで、周りにそれを強要してしまうと、そういう人が上司だと部下が窮屈に感じたり、こまめな承認を必要とする人のやる気を下げてしまったりもします。過ぎた公平さは周りを窮屈にしてしまうので、価値観は人それぞれだし正しさは人の数だけあることを思い出し、少しだけ自分の「こうあるべき」を緩めた方がいいこともあるでしょう。

そして、状況が変わっているのに臨機応変な対応が取れなくなることです。どういう結果を得るかよりも、手引きに従うといった「手順」を守ることにこだわりが出てしまう場合です。何をどういう手順でどういう基準でやっていくのかを決めておくことは、何がしかの成果を出すための手段でしかありません。

成果を出すという目的に照らし、状況の変化に応じて基準そのものを変えていくことに一貫性を見出すようにするといいと思います。変化があることをあらかじめ想定しておいて、変化への対応も手引きにしておく、というイメージです。

自分の苦手なことへの対処にも、自分の自然な思考の型を適用していくのがうまくいくコツです。資質ゆえのこだわりが非生産的な方向で使われているときは、多くの場合、視野が狭くなっているときです。時々意識的にタカの目で全体を見渡してみることが大事です。

効果的に活かす方法

「公平性」を効果的に活かす鍵は、自分の判断基準を明確にして周りに知らせておくことと、制度やルール作りを担うことです。

まず、自分の中での判断基準を常に明確に定義しておくことを意識することです。状況や環境が変わったとしても、自分なりの手引きのようなものを持っていて、常にそれを拠り所として実行していけば、着実に成果が出せます。それが強みなので、そういうものをチームの中にもたらすことで貢献できます。

チーム内での取り決めやルールなどを、自分がリードして整備していく。そうすることで、それまでメンバーそれぞれがばらばらに自分の基準で判断していて統一感がなく、成果の量や質が「人依存」だったものが、人によるばらつきがなくなり、チーム全体としての生産性を上げられます。

もちろんルールで人を縛るのが目的ではなく、生産性を上げるのが目的なので、そこを見失わないようにするのが大事です。多様な人が所属する集団で、公平で公正な運用が必要な制度やルールを作る役割を、自ら担うことを意識するといいと思います。

次に、自分が何を大切にしているのかを周りに伝えておくことです。自分がなぜ特別扱いをしないのか、自分の持つ行動基準や判断基準、何を大切にしているからその基準の下でルールや決まりごとを守るべきだと思っているのかを、周りの人に知らせておくと、無用なすれ違いを防げます。

一貫した対応が全体の利益につながるのだと説明すると同時に、一人ひとりの個の事情を考慮することもチームや組織として滑らかに成果を出すことにつながります。つまり全体の利益につながることを踏まえ、時に柔軟な対応を取ることを心掛けましょう。

特定のメンバーが特殊な状況にある場合、その背景を理解して適切な配慮をし、他のメンバーにもその理由を明確に説明して全員が納得できるようにすれば、全体の公平感を保ちながら個別対応ができます。

そして、「一貫性」という考え方をどんな場面で、どのように適用すれば生産的に活かせるのかを考えることです。世の中には、等しくそれぞれが個性を発揮するという公平さがあってもいい。部分だけを見ると凸凹しているかもしれないが、全体を広く見渡せばきっと均されている。誰しもが思う存分自分の才能を発揮する機会が与えられている。

本来目指すべきところは一人ひとりの幸せであり、それぞれに、その人なりに幸せになる権利が誰にでもある。そういう広い視点で「公平性」を使えたとき、この資質はより活きると思います。

対比される資質

「個別化」と「公平性」は、個と全体のどちらを見るかが対照的です。「公平性」を上位に持つ人は、一貫性と平等なルールを大切にし、全員に同じ基準を適用します。「個別化」を上位に持つ人は、人それぞれの違いを見抜き、それぞれに合った関わり方をしたいという欲求から、個性を大切にし、一人ひとりの事情を勘案します。

「個別化」を上位に持つ人がえこひいきや特別扱いをするということではありません。ただ、人を等しく扱うというこだわりがないので、「公平性」が強い人からはそう見えることもあるということです。「着想」や「自我」も、ユニークさや独自性を求めるので、誰とでも一貫して等しく接したい「公平性」とは時に衝突することがあるかもしれません。

この違いは、相互理解がないとすれ違いを生みます。「公平性」から見れば「個別化」は不公平に見え、「個別化」から見れば「公平性」は機械的で冷たく見える。しかし、「個」を見る視点も「全体」を見る視点もどちらも大切である以上、お互い理解し合えていれば最高のパートナーとなり得ます。

まれに両方を上位に持つ人もいて、そういう人は「個」と「全体」の両方の視点を持っています。無意識だと自分の中で両者がぶつかる感覚があるかもしれませんが、両方あることを自覚できれば、場面場面でどちらを優先するのかを選べるようになります。

他の資質との組み合わせ

「公平性」と「調和性」が組み合わさると、場全体を隅々まで見渡しながら雰囲気を整えていく人になります。「調和性」には、対立を避け、皆が同じ方向を向いていてほしいという欲求があります。全員が平等に扱われることと、対立が避けられることの両方を大切にするので、誰もが等しく安心して意見を言える場が整います。比較的多い組み合わせです。

「公平性」と「規律性」が組み合わさると、ルールや基準を作り、その通りに一貫して実行する人になります。「規律性」には、何事も秩序立った、予測の立つ状態にしておきたいという欲求があります。一貫した基準を求める欲求に手順を定めて守る欲求が重なるので、手引きや仕組みを整えることが得意で、この人がリーダーだと進行が予測可能で全員が安心して働けます。

「公平性」と「責任感」が組み合わさると、公正な基準を自ら守り、周りにも守るように導く人になります。「責任感」には、人との約束を果たして誠実でありたいという欲求があります。ルールを一貫性のためのものと考える「公平性」に、ルールを守ることを正しい行いと捉える「責任感」が重なるので、全員が同じ基準に従うことへのこだわりが強く出ます。

「公平性」と「信念」が組み合わさると、相手が誰であろうと信念を貫く人になります。「信念」には、自分の中の変わらない価値観に沿って生きたいという欲求があります。分け隔てのなさに揺るがない価値観が加わるので、権威のある人物に対しても立場の弱い人に対しても、同じ基準で接し、自分の信念に基づいた行動を貫けます。

「公平性」と「個別化」が組み合わさると、全員に等しく個別対応することで公平さを担保する人になります。「個別化」には、人それぞれの違いを見抜き、それぞれに合った関わり方をしたいという欲求があります。各人の強みや事情を理解し、それに応じた対応を全員に対して等しく行うので、一人ひとりが自分の特性を活かしつつ、全体の目標に向かって協力できます。

このように、「公平性」は組み合わさる資質によって表れ方を変えていきます。ただ、根っこは一つです。一貫した基準で、誰に対しても公平でありたい。すべての人が同じように幸せになる権利があると考えるその思いが、周りの人に安定と安心をもたらしているのです。

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上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。

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