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自己責任で言動を選択するアサーティブ・コミュニケーション

自己責任で言動を選択する


前回の記事で書いた、客観的事実とそれに対して生じた自分の感情を切り分けるというのはとても大切なことです。

そうすることにより、相手をただ責めるという図式にはなりにくくなるので、伝えづらいことを伝えるにしてもうまくいく確率が上がります。

それ以上に大事だと私が思うのは、感情を生じさせているのはあくまで自分自身であることに気づけるということです。

人それぞれに異なる価値観を持っている以上、同じような事実に対しての感じ方は人それぞれです。

一方、人は自分なりの大切な価値観があるとして、無意識のうちにそれと同じような価値観を他の人も持っているかのように思い込みがちです。

すると、あたかも自分の考え方が世の中の常識であるかのように錯覚しがちです。

結果何が起こるかと言えば、自分の価値観に沿わない言動を取る人に対し、それを常識に外れた言動として“当たり前に”責めてしまいます。

でも実際には、自分の持っている価値観は多様な幅広い価値観がある中での“一部”に過ぎないのです。

事実と感情を切り分け、自分の一次感情に気づき、それがどんな自分の価値観から生じているのかを理解していくことで、相手の行為が“絶対的に”悪いのではなく、あくまで自分の価値観に照らして自分がそう“感じている”だけなのだということに気づけます。

つまりは、場合によっては相手を責めることなく自分の怒りの感情を自分で収めることもできるようになります。

もちろん、それでも自分がより快適に過ごしたいという理由で相手に自分が心地良く思わない行為をやめてもらうように要求することもできます。

すなわち、自分で自分の感情を収めるのか、相手にアサーティブに要求を伝えるのかを自分の意思で選択することができるようになります。

この「選択する」という感覚がとても、とても大切です。

アサーティブなコミュニケーションの取り方を知らない場合は、ただただ相手を責めるのか、それとも相手との関係性を悪化させないことを優先して何があっても要求として伝えないのどちらかに偏りがちです。

これは本当の意味では「選択」ではありません。

「選択」できていれば、それによって起こる結果にも自分で責任が取れます。

伝えないを選択したならば何も起こらない(変わらない)し、伝えるを選択したならば相手に伝わるかもしれないしそうでないかもしれない。

どんな結果が生じるにしろ自己責任として引き受けることができます。

自己責任で自分の言動を選択するというのもアサーティブの大切な考え方です。

そうなるためには他者の言動が自分にどんな影響を与え、それは自分の持つどんな価値観が影響しているのかを見ていくことが必須なのです。

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