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良くないとわかっていても止められない理由

良くないとわかっていても止められない理由


先日は、コーチングを学んでの自分の体験を語るとのテーマでの学びの一日でした。

今の自分を知っている多くの人はびっくりされると思いますが(より深く知っている人には見透かされているかも…)、以前の私は仕事中に机を蹴とばすくらい毎日イライラを抱えていました。

資質で言うと一番には「責任感」が反応していたのだと思いますが、とにかく周囲の人の言動に許せなさを感じていました。

自分の正しさへのこだわりが強すぎるがゆえに自分だけの価値観で周囲の人たちをジャッジし「それは間違っている」とイライラを募らせていたのです。

その当時を振り返ると、机の引き出しには常に胃薬が常備されていたし、心の余裕のなさが身体に表れるのか常に肩こりを抱えてもいました。

今はと言えばそういう意味でのストレスは大きく減りました。

ま、ほぼほぼ一人で仕事してるのもあるとは思いますが。

いずれにしても私がコーチングを始めとするコミュニケーションについて学び始めたのは、そういう自分に疲れてしまい「何か変えなくちゃ、変わらなくちゃ!」と思ったからです。

とは言えそうそう簡単に変われるはずもなく…それなりに時間は掛かりました。

コーチング、アサーション、クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)と学ぶうちに、人の価値観の多様性についてはだいぶ実感できるようになったし、その意味では人を自分の価値観の物差しでジャッジするくせも少しずつ緩んではいきました。

それでもやっぱり時折イライラが募り爆発してしまう時があり、そのたびに反省し深く落ち込んでいました。

そうなるたびになぜそうなってしまうのかを自分に問いかけて続けていました。

そしてある日気づいたのが、自分の持つ価値観と自分の存在価値とが紐づいているということでした。

私の場合「責任感」的に常に誠実で正しくありたいと思っていました。

だからこそ、それを当たり前に他人にも求めてしまい、自分から見て正しくない行為を正そうとしていました。

それでも相手は相手でその人なりの価値観を持っていてそれを“直す”必要もない、すなわち相手は変わらないわけです。

その図式が続く限り、自分のイライラが消えないのは当たり前のことでした。

ここまではいろいろ学ぶうちにわかってはきたけれど、相変わらず自分が正しくて相手が間違っているとの感覚を手放すことはできませんでした。

私の持っていた思い込みに、常に正しく振る舞う自分だから周囲からその存在を認めてもらえるというものがあったからです。

言い換えると、常に正しい自分にこそ存在価値があるとの思い込みです。

でも、当然ながら自分だけが常に正しいことなんてあるわけがないのです。

それでも、自分は常に正しくないとその存在価値を脅かされるとの恐れを抱いているわけなので、何とか自分の正しさを証明せねばならい。

それがどこに行きつくかと言えば、他者を“間違っている”とみなすことで自分の正しさを証明するということです。

何と不毛なことかと思いますが、こう考えるとすべてが腑に落ちました。

私の場合は「責任感」だけでなく「自我」も働くので、自分の正しさを否定されたくないとの気持ちがとても強く働いていたのです。

ここに気づいてから、他者を間違った存在としてジャッジしてしまう自分の思考を徐々に緩めていくことができました。

恐らく多くの人がこんなふうに自分の大切にしている価値観と自分の存在価値とを紐づけているのではないかと思うのです。

人の気持ちを感じ取れる自分。

常に何かしら成果を出し続けられる自分。

そういうところに自分の存在価値を置いてしまっているかもしれません。

もし良くないとわかっていつつも止められない自分の言動があるとしたら

「自分はそうすることで何を証明しようとしているのだろう?」

と問いかけてみてください。

そこにあなたなりの答えが隠れているのかもしれません。

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