自分のままでいることを頑張る
当たり前と言えば当たり前ではありますが、多くの人が自分の苦手なことを何とか“克服”しようともがいています。でも、多くの場合そこには答えがありません。
運動能力で考えればすぐにわかることだと思います。
歌がうまい or そうでもない でもいいかな。
そこには、もともと持って生まれた才能が大きく関係しています。
どれだけ努力しても太刀打ちできない壁がそこにはあることを多くの人は知っていると思います。
それでも、思考、感情、行動のパターンとしての才能は、今それが無くとも頑張れば開発できると多くの人が考えます。
たしかにクリフトンストレングス®(ストレングス・ファインダー®)が言うところの思考、感情、行動のパターンとしての才能は後天的な部分もあるとは思います。
それでも多くの場合、自分がこれまでに同じような思考を繰り返し、積み重ねてきた思考、感情、行動のパターンはそうそう変えられません。
そして才能は、それを開発していくことで真の強みになります。
逆説的に言えば、自分にとっての苦手を克服するということは、たとえそれが叶うとしても自分が元々持っていた才能を捨てるということになります。
その意味で、自分の苦手を“克服”しようとするのはそもそも無理だし、意味のないことだと思っています。
例えば私の場合で言えば「アレンジ」「適応性」上位で「目標志向」や「規律性」は下位にあり、先に目標を置いて計画的に物事を進めるのは苦手です。
「調和性」上位で「戦略性」下位なので、今これをやって先々がどうなるかにも意識が向きません。
さらには「最上志向」に加えて「学習欲」「収集心」上位で常に何かしら新しいことをやっていないと飽きてしまいます。
一言で言うと、一つのことを先を見越しながら続けていくのが苦手です。
そんな私ですが、ほぼほぼクリフトンストレングス®(ストレングス・ファインダー®)一本でやっている今の会社を興してから丸9年が経ちました。
そう、一つのことを長く続けてきたのです。
では、なぜ続けることができたのか?
それは、続けるという感覚がないままそこに意識を向けることなくやってきたからです。
私が、続けることが苦手な自分の特徴を「何とかせねば」と思い克服しようとしていたならばうまくいかなかったと思います。
ひょっとしたらここまで続けることもできていなかったかもしれません。
起業する以上は一定期間は続けねば…となってしまい、売上目標とかを立てて五ヵ年計画とか立てていたかもしれません。
そんなものにときめくことはないのに…。
もし私がそうしていたとしたら何が起こるかと言うと、計画通りに進められない自分と日々向き合うこととなり、そんな自分に嫌気がさし仕事にも身が入らなくなっていたと思います。
すなわちここまで続いてはいなかったかも…と。
実際にはどうやったかと言えば、一つのことを計画的に続けていくことが苦手な自分を否定することなく受け入れ、それでいいのだと認めたのです。
私の強みは、「最上志向」x「適応性」で今ココに最善を尽くすこと。
先を見るでもなく、過去を振り返るでもなく、ただ今目の前のことに最善を尽くし取り組んでいく。
そして流れに抗うことなくやってきたチャンスに乗っかる。
そうすることで「最上志向」x「学習欲」x「収集心」も喜ぶのです。
そんなふうに今ココに集中してやってきた結果として(決して狙ったわけではなく)ちゃんと何かが積みあがってきたのです。
ここで言いたいのは「目標なんか持たなくていい「とか「計画なんてくそくらえだ」ということではもちろんありません。
自分の特性を否定して違う自分になろうとしても決してそうはなれないし、うまくいかないということです。
繰り返し言いますが、苦手に“対処”することは必要だけども“克服”はできないし意味がないのです。
それよりも、元々自分が持っている才能を強みとして活かし、フルに活かしていくこと。
これしかないし、繰り返し、繰り返しお伝えしていることです。
どうせ努力するのであれば自分のままでいる努力の方が報われるのだと私は思います。
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