「責任感」は、他者との関わりを大事にする
「責任感」は、実行力の資質です。 実は、2003年頃に出版された 「これが答えだ!部下の潜在力を引き出す12の質問」 という書籍では「責任感」は“かかわり合う才能”として分類されています。 今で言うところの人間関係構築力的な位置づけですね。 実は、ここが「責任感」という資質を理解する一つのカギだと思っています。 「責任感」の実行のスイッチは、人との関わりの中で生まれるものだということです。 単純に言うと、他の人と約束したことは必ず守るとの感覚です。 求められたことを、求められた納期までに確実にやり切る。 すなわち、必ず成果を出すところまで実行するので、今は実行力の資質として分類されていますが、相手との約束を守る等、誠実な接し方で関係性を築いていく資質でもあるということだと思います。 この他者との関係性をベースにした実行力であることを理解しておくと、「責任感」の持つその強力なコミット力が理解できると思います。 すなわち、「責任感」上位の人は、理由はどうあれ他者との約束を果たせなかったときに強烈な罪悪感を感じますが、それこそがその相手との関係性を大事にしている裏付けでもあると思います。 他者との関係性の中で誠実に振る舞う。 これが「責任感」の特徴の一つです。「責任感」は、誠実さを他人にも求める
「責任感」は、強いコミット力を持つ資質です。 どれくらい強いかと言えば、「責任感」上位の人は、前回書いた通り自分が果たすべき約束を、理由はどうあれ守れなかったときに強い罪悪感を感じてしまうほどです。 例え不可抗力であったとしても、“約束を守れなかった=相手に迷惑を掛けた=不誠実なことをした”という図式になってしまうのです。 ここまでの強い思いを別の表現で説明すると、「責任感」という資質は、は“こうあるべき”“こうあらねばならない”の“べき、ねば”を持っているということになります。 そして、どんな資質であっても自分が大切にしていることは他の人にも当たり前に大切にして欲しいと無意識で思っています。 「責任感」の場合、自分を誠実たらしめる“こうあるべき”を持っているということは同じように他者に対してもそれを求めます。 上では大切にして“欲しい”と書きましたが「責任感」の場合は自分に求めているものの裏返しで大切に“すべき”となるわけです。 もちろんそれを声高に、直接的に要求するかどうかは他の資質にもよります。 いずれにしても実行力の資質全般に言えることでもありますが、その高いエネルギーを適切に方向付けして活かしていくことが「責任感」をより生産的にマネジメントしていく上でのカギとなります。世の中はもっと“いい加減”
前述したように、「責任感」上位の人は、自分の考える“誠実さ”を自分にも他人にも求めます。 それが「責任感」の強みにもつながるところであり、何かしらの“妨げ”にもつながるところです。 これもどんな資質についても言えることですが、“過ぎた”使い方をするといろんな弊害が出てきます。 「責任感」で言えば、“べき、ねば”を自他共に求め過ぎている場合です。 自身に対して求め過ぎてしまうと、いろんな意味で無理して頑張り過ぎてしまうかもしれません。 いろんな事情があり、約束したことを約束した納期でやり切ることが難しくなった状況下でも何とかしなければ…と、徹夜してでも約束を果たすことを優先してしまうとか。 それが悪い訳ではないけれど、 「本当にそこまでする必要があるのか?」 という問いを、自分に投げかけてみることが必要かもしれません。 自分に厳しく求める人は、その裏返しで他者にも同じように厳しく求めてしまいます。 その結果何が起こるかと言えば、自分に強く誠実であることを求めれば求めるほど他者が不誠実な存在に思えてしまいます。 もっと言うと、自分の周囲がいい加減な人だらけになってしまいます。 そうすると、当然ながら日々のイライラ感が募り精神衛生上良くないですよね。 かつての私がまさにそんな感じで、前職時代は胃薬が欠かせませんでした(^_^;)。 もしこんな状態に陥っているとしたら、その“求め過ぎ”を少し緩めるのが効果的です。 そしてそれは、他者に求めることを緩める意識を持つのではなく、自分が自分に求めるものを緩める意識を持つ方が効果的です。 なぜならば、自分に求めるものを緩めないまま相手にだけ求めないようにするのは難しいというか、ほぼ無理なことだからです。 逆に言えば、自分への求めすぎを緩めてしまえば他者に求め過ぎてしまうのも自然と緩みます。 ここで言う“緩める”とは、約束を必ず果たすこと等を絶対視しないことです。 ここは、誠実さを信条とする(約束を果たさないことは不誠実と考える)「責任感」上位の人にとってそうそう簡単なことではありません。 そこでどう考えるかと言えば、誠実であることを絶対化するのではなく周囲の人と比べてどうかで相対化して考えてみることです。 34資質のどんな資質であっても、それを上位資質として持っている人は全体から見たら必ず少数派です。 すなわち、「責任感」的に言えば、世の中の多くの人は自分が思う以上に緩い感覚で生きています。 すなわち良い意味で“いい加減”。 実は多くの人が自分にそこまで求めていないことを理解すれば“緩める”ことへのハードルも下がるのではないかと思います。 そして、ここは「責任感」の冒頭で述べたように、「責任感」が人間関係構築力的な側面を持つからこそ機能する考え方だと思います。 「責任感」上位の人は、誠実さを示すことが相手との信頼関係を築くことにつながると無意識に思っています。 であれば、周囲の人が実際にはそこまでの誠実さを求めていないことを知れば、過度な誠実さを緩めることが出来るはずだと思うのです。「責任感」を都合良く使う
途中で書いたように、特に「責任感」のようなエネルギーの高い資質は、それをどこに向けるかを意識することが大事です。 それは、特に重要な局面において高い品質を担保しつつしっかりと求められた成果を出していくこと。 そして、そうすることによってそれまで以上の信頼を得ること。 これは、今当たり前にやっていることの延長上にあることです。 もう一つは、その高いコミット力を応用していくこと。 誰しも何かしら苦手なことはありますよね。 そして、苦手だからと言って逃げてばかりもいられないことも。 そんな時、「責任感」上位の人は、「責任感」をうまく使っていくといいです。 具体的には、その苦手なことに取り組むことを他の人に宣言してしまうことです。 すなわち自分がその苦手なことに取り組むことを誰かと約束するということです。 「責任感」は、残念ながら自分との約束には機能しないことが多いです。 なのでそこに他者を絡ませることで他人との約束ごとにしてしまうということです。 そして「責任感」は、自分が約束を守れなかったときに相手に迷惑が掛かってしまうような状況で特にがっちりとスイッチが入ります。 例えば、誰かが助けを求めていて、そのこと自体は自分にとっては苦手だけれどもいつか取り組みたいと思っていたことであるならば、敢えて自ら手を挙げ取り組む機会とする…みたいな使い方です。 そしてもう一つは、自分の役割を強く意識することです。 これはこれまで何回も書いてきたことですが、私の場合は「責任感」ゆえに人に任せるのが苦手でした。 最後まで自分が成果の質にコミットしたいという思いがあるからです。 そしてそれが自分がマネジャー時代の大きな課題とも認識していました。 ところがある日、ふと思ったのです。 それって、マネジャーとして人を育てるという責任を放棄しているに等しいのではないかと。 すなわち、部下に任せるだけ任せ、うまくいかなければその責任は引き受ける、それがマネジャーとしての役割であり、果たすべき責務ではないのかと。 そこから不思議と部下に任せるということに抵抗感が無くなっていきました。 こうやって「責任感」の特徴をうまく引き出してあげると、パワフルな資質なだけにより良い成果を出しやすくなると思います。
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