「学習欲」をより効果的に活かす
「学習欲」は、文字通り“学び”に対して大きなモチベーションがあります。 知的好奇心という意味で共通点のある「収集心」と区別しづらいところがあると思いますが、「収集心」は自分の知らないことがあると何でも情報として集めておきたい資質です。 一方「学習欲」は、自分の知らなかったことが少しずつわかっていく、その感覚を楽しみます。 つまり、「知らない」から「知っている」に変遷していくプロセスそのものを楽しむ資質です。 “資格コレクター”と言われることも多い「学習欲」ですが、「学習欲」上位の人にとって資格を取得することそのものよりも、そこに至るまでのプロセスが大事なのです。 そのため、傍から見ると直接的に役に立たないような資格を取得しているのを見て「何のために学んでいるんだろう?」と思われることが多いかもしれません。 それでも、学んだこと自体がまったく役立たないことではないと思いますし、学んでいる時点で目的が明確でなくとも、後追いで役立っている感が出てくることもあると思いますので、何かを学ぶことで誰かに迷惑を掛けたり、いたずらに時間とお金を浪費しない限りは存分に学べば良いと思います。 もしくは、自分が学ぶ“プロセス”に重きを置いていることを自覚できれば、それを踏まえてより直接的に将来につながるような学びを選択するということもできますよね。 「学習欲」は、上述した意味合いで、新たな経験、体験に対してもとてもオープンです。 すなわち、何かしら新しい体験をすることはむしろ好物です。 例えば、環境、状況の変化により職場や所属するコミュニティで大きな変革が必要な時、「学習欲」上位の人は「ここから何が学べるだろう?」と、むしろある種のワクワク感もありながら前向きに進んでいくでしょう。 そういう変化に対するオープンな姿勢が、周囲の人にもポジティブな影響を与えると思います。 特に、「ポジティブ」を併せ持っていると、新しい環境に躊躇なく飛び込んでいける感じだと思います。 逆に言えば、まったく何の変化もない環境に居続けると、「学習欲」にとっては栄養不足になってしまうので“学び”という栄養を与え続けることを意識しましょう。 どれだけ学んでも、まだまだ学ぶことがあると思っている「学習欲」の人は、ある意味“謙虚さ”を失わない人でもあります。 どんな人に対してもその人から学ぶことがあると思えるそのフラットな姿勢は、ある種の人間関係構築力としても働くでしょう。 具体的には、「学習欲」の人は質問上手と言われます。 自分の好奇心を目の前の相手に向け、学ばせて欲しいとの姿勢で相手に質問していくことで、相手から見たら自分に対してフラットに、そして興味を持って接してくれていると思ってくれるわけです。 別の意味で言えば、学びの場というと、そこには多くの知らない人がいると思います。 つまり学びの場にいるだけで、勝手に多くの知らない人とつながっていくことになるのです。 これはいつも私が言っていることですが、そういう意味では「学習欲」は「社交性」代わりにも使えるのです。 それから、「最上志向」を併せ持っている人は、自分を高める意味でも最高の環境で学び続ける人でもあります。 一方、いつまで経ってもついつい、「まだまだ…」と思ってしまうので、どれだけ学んでも現状に満足感がなく、次に向けてのステップをなかなか踏み出せないところがあるかもしれません。 そういう人は、時々後ろを振り返り、自分がどれだけの学びを積み上げてきたかを確認してみると良いと思います。 それから、同じような理由でせっかく自分が学んだことをアウトプットして周囲の人に教えるということをなかなかしないかもしれません。 それはいかにも勿体ないですよね。 学びがいかに人生を豊かにしてくれるかを含めて、自分の学びを積極的にアウトプットしていきましょう。
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