ストレングス・ファインダー®2.0の診断用アクセスコードの付属した新版の「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」が4/13より発売となっています。
新版になり何がどう変わったのか、そしてストレング・スファインダー®1.0と2.0はどう違うのかをレポートします。
全体的に読みやすくなっています
まず、旧版と大きく異るのは、そのページ数です。
旧版が全357ページであるのに対し、新版は225ページと、
何と132ページ分も減っています。
でも、私はこれを“大幅に情報が減った”とネガティブには捉えておらず、むしろ
情報が整理され必要なものだけが残ったことで、よりわかりやすく、とっつきやすくなったとポジティブに捉えています。
それからページ数が減っただけではなく、全体的にフォントサイズも大きくなり、その点でも読みやすくなっています。
手前が新版、奥が旧版なのですが、わかるでしょうか?
遠近がついてしまい、わかりづらいかな?
それから、今回は
各資質の解説のある場所がわかりやすいように、インデックスがついています。
これは、地味な改良ですが、とってもいいですね。
旧版では、五十音順に並んでいることはわかっても、目的の資質を探し出すのが一苦労でしたから。
内容もわかりやすくなっています
前書き部分も旧版が94ページあったものが、31ページと、約1/3となっています。
旧版の前書き部分は、かなりアカデミックな内容で、私のように
「分析思考」を持つ人間にとってはありがたいのですが、多くの一般の方は読み飛ばしている部分ではないかと思います。
今回の前書きでは、
◆「いばらの道」を選ぶな
◆あなたは「強みのゾーン」にいるか
◆「才能」を「強み」にする
◆才能はあなたに見いだされるのを待っている
の4つのタイトルで、
欠点ではなく強みに目を向けることの大切さや、才能と強みの関係など、よりわかりやすく説明してあり、一般の方にとっても読みやすく、理解しやすい内容となっています。
各資質の解説についても、よりわかりやすくなり、ストレングス・ファインダー®の結果を活かしやすくなっています。
まず資質の定義は、旧版からの一貫性を保つため、ほぼそのままではありますが、一部微妙に表現が変えられできるだけわかりやすい表現へと工夫の跡が伺えます。
その後に当該資質の高い人の声が来るのも旧版と同じですが、こちらの文章もフォントサイズが大きくなるとともに、冗長部分が削られてブラッシュアップされているようです。
そして、旧版と大きく異るのは、その後に
各資質ごとに10個の行動アイデアが記載されていることです。
例えば、
「最上志向」の最初には、こう書かれています。
人の成功を助ける職務を探しましょう。コーチングやマネジメント、メンタリングをしているとき、強みに着目するあなたは、人々に利益をもたらしている自分に気づくでしょう。多くの人にとって自分の得意なことを見つけるのは難しいことなので、詳細に説明をして、彼らの優秀な能力に気づかせることから始めてください。
日本経済新聞出版社 「さあ、才能(じぶん)にめざめよう」 トム・ラス 古屋博子[訳] P99より引用
総じて具体的でわかりやすく、行動に結びつきやすいように感じます。
ストレングスファインダー®を受けても、診断結果を得ただけでその先の行動には結びつかない人が多くいる現状を考えると、これはとても意味のあることだと思います。
行動アイデアは、是非読まれることをオススメします。
さらにはその後に、“当該資質が高い人との働き方”として各資質3つずつ挙げられています。
旧版では、各資質の解説ページとは別のページで、“当該資質を強みとする人の活かし方”として記載されていましたが、資質解説と別ページであること、そして自分自身が自分の資質をどう活かすかよりも、その資質を持つ他者をどう活かすかの目線だったので、今回の構成は旧版に対して非常にわかりやすくなったと思います。
ストレングスファインダー®2.0について
今回の新版には、
ストレングス・ファインダー®2.0の診断用アクセスコードが付属しています。
アクセスコードは、巻末にこのようにシールされた状態で添付されています。
このシールを剥がすと、アクセスコードが記載されています。
アクセスコードは、一度きりしか使えませんので、
ストレングス・ファインダー®2.0の診断を希望される場合は、中古本ではなく、必ず新品を買ってくださいね。
では、ストレングス・ファインダー®1.0と2.0では何が違うのでしょう?
その違いは、
資質ごとの解説レポートの違いであり、診断そのものは何も変わりません。
ストレングス・ファインダー®1.0においては、各資質の解説は、他の資質の組み合わせによらず一律でした。
ストレングス・ファインダー®2.0においては、
組み合わせに応じて5,000種類以上のレポートが入手可能となっています。(本書P27参照)
以下に、実例として組み合わせの違いにより
「調和性」の解説がどう異なるかを見てみましょう。
解説の出だしの一部を掲載します。
1.
調和性
2.
責任感
3.
適応性
4.
アレンジ
5.
慎重さ
の場合は、こうなります。
多くの場合、あなたは、心から、知り合ったすべての人にもっと長い時間あなたと一緒に過ごしたいと思ってもらいたいと願っています。あなたは、客観的な人であるため、これは実現しそうにないことを知っています。たとえそうだとしても、ある種の人たちに対して、自分の意見や希望を押しつけるのではなく、配慮を示すことがあなたの性分です。あなたは、彼らがどうしたいかを見つけようとします。それから、あなたは不平を言うことなく、彼らに加わることに同意します。 生まれながらにして、あなたは、普段から、始めようと思ったことに対しては、それを完了するための実際的な方法を見つけ出します。自分や他の人が作業をやりやすくなる方法を考案します。 おそらく、誰もがだいたい同じ時間、労力、エネルギーを費やすよう、作業負荷のバランスを取るでしょう。
Gallup Strengths Center 強みのインサイトガイドより一部引用
そして、
1.
調和性
2.
責任感
3.
収集心
4.
分析思考
5.
自我
の場合は、こうです。
多くの場合、あなたは、周りの人がお互いの共通点を見つけられるようサポートすることに楽しさを感じます。人は互いに違うというより似ていると気付けば、プロジェクト、問題解決、リソース共有で協力し始められます。あなたは普段から、物事のありのままの状態を相手に捉えてもらうことができる人です。率直で客観的なあなたは、関係者全員が1つの方向へ進めるよう事実を提示することができます。おそらくあなたは、 独創的というよりは、現実的であるようです。 あなたはいつも、段階を追って問題や状況を考えます。あなたは、未知のことを知ってもらうために事実を見つけ出します。あなたは、不足していた情報を埋めていきます。 あなたは、アイディア、提案、ルールなどを明らかにします。あなたは、知性と一般常識を活用して、何が真実で何が嘘かを、人々に如才なく伝えます。あなたは常に、憤慨したり、怒ったり、イライラしたり、対立し合っている
人々の間の求心力となります。
Gallup Strengths Center 強みのインサイトガイドより一部引用
いかがでしょう?
調和性の持つ、
“意見の一致を求め、意見の衝突を嫌い、異なる意見でも一致する点を探る”という基本的な共通点は押さえつつ、その他の資質の組み合わせが考慮されカスタマイズされた表現になっていますよね。
これにより、より深く自己理解が進むと思います。
まだストレングス・ファインダー®の診断をしたことの無い方は、この機会にぜひこの新版を手にとってください。
上記をクリックするとアマゾンの購入ページに飛びます。
すでにストレングス・ファインダー®1.0の結果をお持ちの方は、改めて診断する必要はありません。
1.0も2.0も、結果そのものは変わりませんので。
ただ、本の内容は以前より充実しているので、手元に置いておきたい方は、診断用アクセスコードを自分の大切にするどなたかにプレゼントするのも良いですね。
詳しい解説(資質のプロファイリング=読み込み)が必要な場合は、是非
ストレングスコーチのセッションを受けてみてください。
ストレングスコーチのセッションでは、どんな資質とどんな資質が組み合わさって、あなただけの思考、感情、行動のパターンが出るのかを詳しく解説するので、
自分の資質の効果的な活かし方が具体的に見えてきますよ!
ストレングス・ファインダー®の診断方法は、
こちらを参照してください。
新版付属のストレングス・ファインダー®2.0のアクセスコードを使った診断にも対応しています。
後書きも是非読みましょう!
この本を購入されたら、是非訳者である古屋博子さんの後書きも読んでください。
たくさん、大切なことが書いてあります。
その一部を引用します。
アセスメントの結果としてわかるのは「あなたの才能(すなわち潜在能力)であって「あなたの強み」ではありません。このことを、私はよく次のように例えています。「才能」はダイヤモンドの原石であり、それを磨き上げたダイヤモンドこそが「強み」です。才能は、磨き上げて初めて、常に高いパフォーマンスを生み出す「強み」となるのです。
日本経済新聞出版社 「さあ、才能(じぶん)にめざめよう」 トム・ラス 古屋博子[訳] P216より引用
そうなんです。ストレングス・ファインダー®は診断しただけでは、宝の持ち腐れ、いやダイヤモンド原石の持ち腐れです。
是非皆さんも、自分の資質を強みとして磨き上げてください。
そして、ストレングス・ファインダー®をこよなく愛し、ギャラップ社のトップコーチとして活躍していた故Curt Liesveldの言葉も紹介されています。
才能を強みに変えるためには「投資」が必要ですが、彼は「投資に加えてもうひとつ、秘密の材料が必要だ」と皆に教えてくれました。それは何でしょうか。<分析思考>をトップ5に持ち、データと客観的事実をこよなく愛する彼が教えてくれた秘密の材料は、なんと「愛」でした。 ~ 一部略 ~ 人は自分を愛することができて初めて他人を愛することができる、自分の資質に感謝することができて初めて他人の資質にも感謝できるのです。
日本経済新聞出版社 「さあ、才能(じぶん)にめざめよう」 トム・ラス 古屋博子[訳] P222~223より引用
Curtは、日本のストレングスコーチ向けにストレングス・ファインダー®の活かし方の3つの“L”、すなわち
“ Learn it! Love it! Live it! "を生み出した人です。
自分の資質を知り、好きになり、活かす。
この3つを是非、覚えておいてくださいね!
そして、我々ストレングスコーチも、クライアントとその資質に愛をもって接することを肝に銘じておかねばならないのだと思います。
そこに愛がなければ、資質のプロファイリングも単なる当てっこゲームになりかねませんから。
自戒を込めて…
4/17追記)
カバーを外すとこんなものが…
心憎い演出ですね!
文責 ギャラップ社認定ストレングスコーチ 知識茂雄