ストレングスファインダー®といえば「TOP5資質」に注目が集まりがちですが、実は全34資質の順位にこそ、あなたの本当の姿が隠されています。
今回のテーマは、TOP5だけでは見えない「全34資質」を見ることの大切さと、下位資質との上手な付き合い方です。診断結果を俯瞰して理解することで、自分の型や行動傾向をより立体的に把握できます。
全34資質から読み取る4つの洞察
1 4つの領域のバランスから見える自分の型
資質は大きく「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」の4領域に分かれています。全34資質の順位を俯瞰すると、自分がどの領域に重心を置いているのかが見えてきます。これは、自分の思考や行動の傾向を把握する手がかりとなります。
例えば上位10のうち7つが「戦略的思考力」に偏っている場合、情報を整理したり将来の方向性を描いたりすることが得意なタイプです。一方で、4領域が比較的均等に分布している場合は、状況に応じて切り替えができる器用さを備えているといえるでしょう。
2 上位1/3は無意識に表れる領域
全34資質のうち上位およそ3分の1(目安として11位前後まで)は、濃淡の差はあっても日常的に無意識で現れる傾向があります。TOP5だけでなく、この範囲を含めて理解することで、自覚できていなかった強みに気づくことができます。
例えば3位の「指令性」で物事を進める人が、会議で9位の「共感性」を自然に働かせる場面があります。相手の感情を察して説明の順序を変えれば、合意形成がスムーズに進むこともあります。このように、TOP5以外にも意識次第で強みに育つ資質が隠れています。
3 下位資質を知ると苦手への対処を選べる
下位資質は、自分が苦手に感じやすい領域を示しています。苦手への対応には、次のような4つの方法があります。
- 困っていないなら無理に克服しようとしない
- 上位資質を使って補う
- 得意な人を頼る
- 最低限までは頑張りすぎずに対応する
例えば「規律性」が下位にある人は、細かい計画づくりが負担になりやすいです。この場合は「達成欲」を使って1日のゴールを定め、やり切ることに集中する方法があります。また、進捗管理が得意な同僚に確認役をお願いするなど、人を頼る選択肢も有効です。
4 下位資質は上位を際立たせる
下位資質は単なる弱点ではなく、上位資質との対比によって自分の個性をより鮮明に浮かび上がらせます。
例えば上位に「未来志向」、下位に「適応性」を持つ人は、長期的なビジョンへのこだわりが強い一方で、短期的な方向転換に苦手意識を持ちやすいです。逆に上位に「適応性」、下位に「未来志向」がある場合は、変化には柔軟ですが、長期的な計画を描くのが難しい傾向があります。
このように、上位と下位をペアで見ることで、自分の強みと弱点の輪郭がより明確になります。
まとめ
全34資質を見渡すことには大きな意味があります。自分の型を理解し、強みの幅を広げ、苦手への対処を選びやすくし、さらには個性を言葉にして伝えることができるようになるのです。