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クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)34資質完全ガイド「適応性」

人間関係構築力の資質である「適応性」について解説していきます。

振る舞いの特徴


「適応性」を上位に持つ人は、その場の状況に応じて柔軟に行動します。彼らは計画を固めるよりも、変化を受け入れ、即座に対応します。たとえば、会議中に急な変更があっても「仕方ない」と受け入れ、動じることなく対応し、次に何をすべきかを迅速に判断します。また、予期せぬ問題が発生したときでも、慌てることなく状況を把握し、解決策を見出そうとします。

「適応性」を上位に持つ人は、他人のニーズにも柔軟に対応します。たとえば、チームメンバーが急な休暇を取った場合でも、その分の仕事を引き受けてカバーし、全体のスケジュールを調整できます。さらに、急なスケジュール変更や新しいプロジェクトの立ち上げにも「やるしかないなら仕方ない」と対応します。

日常生活においても、「適応性」を上位に持つ人は変化に強く、むしろ変化を楽しみます。たとえば、旅行中に予定が狂っても、現地での新しいアクティビティをすぐに見つけて楽しむことができます。また、家族や友人との計画が急に変更になった場合でも、その場で新しいプランを提案し、みんなが楽しめるように工夫します。急な天候の変化や交通トラブルにも冷静に対応し、臨機応変に予定を変更できます。

また、「適応性」は、今目の前で起こったことに即反応し対応する資質でもあり、たとえばメールでの問い合わせがあると、他の仕事をしていたとしても、ついつい問い合わせへの回答を優先してしまいます。

人間関係構築力としての意味合いで言えば、「適応性」を上位に持つ人は、今この瞬間共にいる人に完全に集中し、その相手に合わせて柔軟に対応するとの側面もあります。

根源的な欲求、動機づけ


「適応性」を上位に持つ人の根源的な欲求は、今に集中し、今この瞬間に注意を払うことです。

強みとして活かせている状態


「適応性」を強みとして活かしている状態では、変化や予期せぬ出来事に対してスムーズに対応し、他の人々に大きく貢献します。たとえば、プロジェクトが急に変更された場合でも、「適応性」を上位に持つ人は迅速に新しい計画を立て直し、スムーズに移行できるようサポートします。顧客対応やクライアントの要求が急に変わった場合にも、迅速に適応します。

「適応性」を上位に持つ人は、たくさんの仕事や急な頼みごとにも柔軟に対応し、常に最新の情報や解決策を提供できます。プライベートにおいても、たとえば、家族旅行の計画を急に変更せざるを得なくなったときは、新しいプランを提案し、全員が楽しめるように調整します。また、食事を約束していた友人が急に来れなくなった場合でも、「仕方ない」と受け入れ、代わりの活動をすぐに見つけます。

「適応性」を上位に持つ人は、困難な状況においても冷静に対処する力があります。自然災害や緊急事態が発生した際にも、「立ち止まっても仕方ない」とパニックになることなく落ち着いて行動し、最善の解決策を見つけることができます。彼らの柔軟な対応力は、周囲の人々に安心感を与えます。

妨げになってしまっている状態


「適応性」が妨げになる場合、それは一貫性の欠如や長期的な計画の不足として現れることがあります。「適応性」を上位に持つ人は「今」に集中する傾向が強いため、未来の目標を設定し、それに向かって計画的に進めることが難しいことがあります。未来はいくらでも変わり得るものだという感覚があるため、未来を固定化して考えるのが難しいのです。

そのため、彼らは日々の変化に対応することに優れている反面、長期的なビジョンや戦略を持たずに行動してしまうことがあり、大きな目標に向かって着実に進むことが難しいのです。さらに、適応性を上位に持つ人は、その時々の目の前のことに反応するため、行き当たりばったり的に頻繁に方向転換をしてしまうことがあります。これにより、一貫した方針や戦略を持たずに行動することがあり、プロジェクトやタスクが予定通りに進まないことがあります。

このような状況に対処するためには、「適応性」を上位に持つ人が他の資質を持つ人と協力し、計画性や一貫性を補完してもらうことが有効です。たとえば、「戦略性」上位で先読みしながら今やるべきことを選択できる人や、「規律性」や「目標志向」など計画的に物事を進めることが得意な資質を上位に持つ人と協力し、計画を立て、進捗を管理してもらうことで、よりバランスの取れたアプローチが可能になります。「適応性」はある意味受動的な資質でもあるため、能動的に目標に向かうことが得意な人との協業が特に効果的です。

効果的に活かす方法


「適応性」を効果的に活かすためには、変化に迅速に対応する能力を最大限に発揮できる場面を見つけることが重要です。たとえば、クレーム対応や緊急対応が必要な状況では、その力を発揮することができます。「適応性」を上位に持つ人は、日々異なる状況に対応する仕事や役割が適しており、変化の多い環境でその能力を最大限に発揮することができます。

また、長期的な計画を立てることが得意な人と協力することも有効です。上述した「目標志向」や「規律性」を持つ人と協力し、「適応性」を上位に持つ人が急な変更に対応しつつ、全体の方向性を維持することで、効率的かつ効果的なプロジェクト運営が可能になります。これにより、「適応性」を上位に持つ人は変化に対応しながらも、一貫性のある進行を維持することが可能となります。

「適応性」を活かすもう一つの方法は、飽きっぽさを逆手に取り、自ら変化を作り出すことです。たとえば、いつもと違う道を通ったり、綿密な計画や準備がないまま旅をしたりすることで、むしろ生き生きとし、新しい状況に適応する力をさらに強化することもできます。

さらに、変化に強く臨機応変に対応することが得意な「適応性」を上位に持つ人は、他のメンバーのサポート役としても優れています。たとえば、チーム内で変化に戸惑っているメンバーがいる中で、落ち着いて柔軟に対応できる「適応性」上位の人は、皆に安心感を与えることができます。

「適応性」を上位に持つ多くの人は、自分の行き当たりばったりな行動、すなわち何かを積み上げている感覚が得られにくいことを否定的に捉えています。しかしながら、実際にはその時々の変化に柔軟に最適に対応していくことで確実に何かを積み上げていっているのです。すなわち「適応性」の行動は「行き当たりばっちり」なのです。

対比される資質


「適応性」と「規律性」は、行動や計画に対するアプローチが異なる資質です。「適応性」を上位に持つ人は、柔軟に状況に対応し、変化を楽しむ傾向があります。たとえば、急に予定が変更されたときでも、その状況を受け入れ、その時々の状況に応じて対応することが得意です。

一方で、「規律性」を上位に持つ人は、自ら設定した手順や計画に従って物事を進めることを重視し、安定性と秩序を求めます。彼らは、決まったプロセスに従うことで安心感を得るため、予定外の変更に対してはややストレスを感じることがあります。

「適応性」と「目標志向」もまた、時間や計画に対する考え方が異なる資質です。「適応性」を上位に持つ人は、その瞬間に集中し、今を大切にしながら進むことを好みます。彼らは、長期的な計画を立てるよりも、その場の状況に適応して行動することに価値を見出します。

一方、「目標志向」を上位に持つ人は、未来に明確な目標を設定し、それに向けて計画的に行動することを重視します。彼らは、未来のゴールに向かって集中して努力し続け、一貫して持ち続けている目標を達成することに専念します。

このように、それぞれの資質により行動や計画に対するアプローチが異なり、変化を受け入れる柔軟性と、安定性を求める計画性の違いが強調されます。

他の資質との組み合わせ


「適応性」と「最上志向」が組み合わさると、変化の中でも最善を尽くして対応する力が際立ちます。たとえば、プロジェクトが予期せぬ方向に進んだ場合でも、「適応性」と共に「最上志向」を上位に持つ人は、その時々の状況に合わせて可能な限り良い結果を追求します。この組み合わせにより、変化を柔軟に受け入れながら、プロジェクトの質を常に高めていくことができるのです。

「適応性」と「回復志向」が組み合わさると、緊急のトラブルに直面しても「起こってしまったことは仕方ない」と捉えて柔軟に対処する力が強化されます。たとえば、突然のシステム障害が発生したとき、「適応性」を上位に持つ人は動揺せずに状況を受け入れ、「回復志向」で問題の核心に迫り、迅速に解決策を導き出してプロジェクトを復旧させます。

「適応性」と「ポジティブ」が組み合わさると、変化を前向きに受け入れ、周囲に活力を与える力が生まれます。たとえば、新しい取り組みが始まるとき、「適応性」と共に「ポジティブ」を上位に持つ人が、前向きな視点で「この変化は新たな機会だね!」と声を上げ、チームの士気を高めることで、全員が前向きに変化に取り組むことができます。

「適応性」と「運命思考」が組み合わさると、変化の中でも深いつながりや意味を見出すことができ、他者に安心感をもたらします。たとえば、組織が大きな転換期にあるとき、「適応性」と「運命思考」を上位に持つ人は、今目の前で起こっていることをありのまま受けとめ、「この変化には重要な意味があるはず」と考えて受け入れ、周囲に安心感を与えます。

「適応性」と「アレンジ」が組み合わさると、臨機応変に状況を管理し、タスクを効率的に進める力が際立ちます。たとえば、急な仕事の依頼が舞い込んだ場合でも、「適応性」と共に「アレンジ」を上位に持つ人は、即座に予定を組み替え、柔軟に対応します。このため、チームや職場において予期せぬ状況でもスムーズに物事を進めることができ、他のメンバーが安心して自分の役割に集中できる環境を作り出します。

このように、「適応性」は他の資質と組み合わせることで、その柔軟性と対応力をさらに強化し、さまざまな場面で効果的に活用することができます。


上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。
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