振る舞いの特徴
「戦略性」は、カーナビにたとえられることが多いです。カーナビは、目的地を入力すると、地図に沿っていくつかの選択肢を提示してくれます。複数の選択肢が必ず存在するというのが「戦略性」の思考の大きな特徴です。 カーナビでは、距離優先、費用優先、速さ優先などの条件によってルートが変わります。「戦略性」も同様に、目的地が決まれば自分たちのリソースや制約を考慮し、その中で最も効率的に目的地にたどり着くルートを選びます。「戦略性」を働かせるためには、カーナビと同様に目的地の設定が必要です。それは成果や結果を出すための目標やゴール、狙い、落としどころです。逆に言えば、何を手に入れれば良いのかが明確でない状況では「戦略性」は機能しません。 「戦略性」を持つ人に何かを相談したり、成果を求める際には、最終的に何を得たいのかを必ず訊かれるでしょう。「戦略性」は全体を俯瞰し、先を見通して行動します。場当たり的に動くことなく、今の状況や環境において最適なやり方やアプローチ方法を選択します。常に複数の選択肢を持ち合わせているため、大きな変化があっても異なるアプローチに切り替えることができます。これもカーナビが運転手が異なるルートを選択した場合に即座にルートを再検索して提示するのに似ています。根源的な欲求、動機づけ
「戦略性」は物事を達成する上で、常に最も効率的な方法を見出したいという欲求に基づく思考です。常に「やり方は一つではない」という思考に基づき、可能性を探ります。強みとして活かせている状態
「戦略性」は、広く先を見通して物事を考えるため、最終的に求める成果を効率的に得るための布石を打つことができます。例えば、自分の提案を上司に通すために、予めそれに関わる主要メンバーを説得して味方にしておくなどです。こうすることで一見遠回りのように見えても、スムーズかつ効率的に成果を手にします。 また、「戦略性」は物事を俯瞰し、先を見通しているため、無駄な動きを減らします。可能性のあるルートを探ることで、行き止まりの道を通ることがないからです。その意味で、プロジェクトチームに「戦略性」が高い人がいると、広い視野に立ち、どこにリソースを割くのが効率的なのかをアドバイスしてくれるでしょう。別の言い方をすれば、目先の細かなところに無駄なリソースを割くことを防いでくれます。 さらに、プロジェクトが行き詰った際には、その状況を突破するための方法を再検討し、提示してくれるので、プロジェクトを停滞させることなく前進に導くことができます。先を見通し、予測することで不確実性を減らし、ストレスを軽減することができます。チームに安心感を与える存在です。妨げになってしまっている状態
「戦略性」が上位にある人は、物事を鳥の目で見ている感覚があると思います。つまり、全体を俯瞰し、先を見通しているのです。それゆえに、自分が通るべき最適な道が見えており、通るべきでない道(明らかに行き止まりとなる道)も見えていると思います。しかし、他の人は必ずしも同じ景色が見えていないことを自覚することが必要です。この自覚がないと、同じ景色を見ていない人への説明が不足しがちです。その結果、周囲の人たちが思うように動いてくれず、自分も周りもストレスを感じることになりかねません。 なぜこのアプローチを取ろうとしているのか、なぜこちらではダメなのかを丁寧に説明することを心がけましょう。上記にもつながりますが、他者の取ろうとしているアプローチが自分には無駄に見えたとき、なぜそう思うのかを説明せずに「それは違う」と指摘してしまうと、相手からは単なる批判やダメ出しと受け取られることもあります。ここでも、より効率的なやり方があり、それがみんなの利益につながるという前提と共に、丁寧な説明を心がけましょう。 他の上位資質にもよりますが、「戦略性」は基本的にあらゆる選択肢の中から最も効率的なやり方を選択したいという欲求があります。そのため、選択肢を探ることそのものに時間をかけ過ぎてしまい、結果的に物事を進めるのが遅くなる可能性もあります。特に情報が増えれば増えるほど、可能性や制限が増えるため、その分検討したくなるものです。時には、たとえ若干非効率であってもスピードを優先した方が良い場面もあります。検討し尽くしたいという欲求があることを自覚しつつ、もう一段高い視点に立ち、全体最適を目指しましょう。 「戦略性」は鳥の目を持つだけに、虫の目で物事を見ることが欠けがちです。「戦略性」とてすべての情報を把握できているわけではないので、「自分が見落としていることはないか?」と時折確認することを意識しましょう。 「戦略性」は合理性を大事にする思考です。他の上位資質にもよりますが、合理性を追求するあまり、非合理な感情を置き去りにしてしまう可能性があります。人は往々にして非合理な感情に振り回されるものであり、特にチームで物事を進める際には感情を大事にした方がスムーズに進むことが多いです。この点を意識して、自分が周囲の人の感情を置いてけぼりにしていないかを時折振り返ると良いでしょう。効果的に活かす方法
「戦略性」の思考を機能させるためには、カーナビに例えるならば、目的地と地図が必要です。目的地を確認するというのはごく当たり前にやっていることなので、さほど意識する必要はないと思います。大事なのは地図の部分です。地図が詳細であればあるほど、最適なルート検索が可能となります。したがって、自分が最適解を検討するにあたって必要な情報を十分に手に入れることを意識しましょう。ここで言う情報とは、自分たちが使える時間、金、物、人などのリソースや、逆に使えないもの、制約、制限事項などです。 前述したように、情報が多すぎると選択肢が広がり過ぎてしまう可能性もありますが、基本的には情報が多い方が最適ルートを選択しやすくなります。フィードバックを活用し、自分の戦略を他者と共有し、見落としや偏りを修正することが大切です。さらに、小規模な実験を行い、その結果を基に戦略を修正するアプローチも効果的です。これにより、大規模なリスクを避けつつ、最適な戦略を見つけることができます。 繰り返し述べているように、「戦略性」は鳥の目を持ちます。ここでも役割分担という視点が大事です。プロジェクトが目先の問題により停滞してしまっているときには、「戦略性」上位の人の出番です。時に、その目先の問題に正面から向き合うのではなく、迂回した方が全体としてスムーズに進むこともあります。そういう局面での「戦略性」の思考はチームにとって大きなメリットをもたらします。不測の事態に対しても常にオプションを持っている「戦略性」は、目的地を見失わずに柔軟に舵取りができます。ここでも、自分の才能が活かせる場面を自覚し、存分にその才能を発揮しましょう。対比される資質
統計的に見て、「戦略性」と順位が離れやすいのは「調和性」です。「調和性」がチームで物事を進める際に合意を大切にするのに対し、「戦略性」の場合は「ケースバイケースだ」と考えます。つまり、合意は数ある選択肢の一つに過ぎないと捉えています。「調和性」が意見の対立を好まないからといって、その反対で「戦略性」が対立を好むわけではありません。ただ、「戦略性」は時に意見の対立も厭わないことがあるので、他人の意見を過度に気にして自分の言動にブレーキがかかるということは少ないでしょう。 「戦略性」と「慎重さ」には共通点があります。それは、先々を「もしこうなったら?」の思考で考えていくことです。しかし、違いは「戦略性」が可能性だけを見るのに対して、「慎重さ」はリスクを検討し、それを回避することを第一に考える点です。「慎重さ」はリスクを避けるために細心の注意を払い、慎重に行動しますが、「戦略性」はリスクを管理しつつも柔軟に対応することがあります。 比較的共に上位に位置しやすい資質は「着想」です。「戦略性」と「着想」の共通点は、広く可能性を模索する点にあります。「着想」は多様な視点から物事を考え、既存のもの同士を結びつけて新たなアイデアを生み出す才能です。従って、「戦略性」に「着想」が加わることで、より広く可能性を探り、困難な状況においても意外な方法で活路を見出すことができるでしょう。「戦略性」は物事をパターン化して考える側面があると言われますが、「着想」が加わることでその傾向がより強くなるかもしれません。「着想」はある意味で抽象化の才能なので、異なる業種の事例から目の前の課題を解決できる共通のパターンを見出すことができます。他の資質との組み合わせ
「最上志向」との組み合わせでは、「戦略性」の効率的に狙った成果を得る感覚がより研ぎ澄まされるでしょう。「最上志向」は何事にも妥協なく最善を求めるため、何をするにも複数の選択肢の中から最短で成果を得られる選択をすることになると思います。また、常に最善の選択をしたいという無意識の欲求があるため、不測の事態に遭遇しても、その時点での最善を選び、事態を柔軟に切り抜けることができます。 方法論として合理的かつ効率的(無駄な手戻りがないという意味で)であることを大切にする「戦略性」と、行動の効率性を追求する「アレンジ」との組み合わせでは、いかに手数(タスク)を減らすかを考えた上で、それらのタスクを効率的にこなすことになります。動きに無駄がない印象です。 「社交性」との組み合わせでは、戦略性の持つ未来を見通す力と社交性の持つ人間関係構築の力が合わさり、戦略的なネットワーキングや効果的なチームビルディングが可能になります。社交性は新たな人脈を築き、戦略性はその人脈をどのように活用するかを考えます。 「目標志向」との組み合わせでは、具体的な目標設定とその達成に向けた具体的な行動計画が強化されます。目標志向は具体的な目標を設定し、その達成に向けて直進する傾向がありますが、戦略性はその目標に到達するための最適なルートを見つけるのに役立ちます。 「収集心」との組み合わせでは、収集心の持つ多くの情報を収集する能力と戦略性の持つその情報を効果的に活用する能力が融合し、情報に基づいた戦略的な意思決定が可能になります。収集心が情報を提供し、戦略性がその情報を基に最適な行動を決定します。 いずれの資質の組み合わせにおいても、「戦略性」の持つ数手先を見通して複数の選択肢を考え、最適解を見出す特徴が表れます。上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。
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