「共感」と「同感」は違う
特にマネージャ層の方にコーチング、その中でも傾聴をお伝えする際に強調しているのが相手の話しを共感しながら聴くということです。 そして、これもメルマガやブログで度々書いてきましたが、コーチングやカウンセリングで言う「共感」を誤解している人が多いです。 一番多いのは、「共感」を「同感」と混同してしまうことです。 言葉遊び的になってしまいそうで、あまりこの言葉の区別を説明するのは好まないのですが、敢えて説明してみます。 あくまでここでの説明は、コーチング、カウンセリングの世界での区別です。 実際、単純に「共感」を辞書で引くと、「同感」と同じとして扱われていますしね。 では、具体的に「共感」と「同感」がどう違うかというと、例えば誰かがこう言ったとします。 「Aさんが待ち合わせに10分も遅刻してきたんだよ。ひどいよね!」 それに対する頭の中での反応は、 「10分も遅刻するなんて非常識だなぁ。」 「たかだか10分くらいいいじゃん。」 のどちらかである場合が多いですよね。 ま、そもそもどうでもいい場合を除き。 で、それぞれの場合のその反応なりの発言として、 「それはひどいね!」 「いいじゃん、10分くらい!」 という感じになるでしょうか。 この場合の、前者の反応、発言を、ここでは「同感」と呼びます。 相手の感情をあたかも自分のことのように感じ、相手に同意するということです。 後者の反応はもちろん、「共感」でも「同感」でもありません。 日常の会話において、そのどちらであろうがぶっちゃけどうでもいいと思います(笑)。 だけども、コーチングにおいては、基本どちらもNGなんです。 特に後者は論外。 相手の感情を一切受け止めず、むしろ否定している訳なので。 一方で、前者のように同感するのが良いかと言えば、そこには大きな落とし穴があります。 それは、人一人ひとり価値観も考え方も異なる以上、完全なる同感など存在し得ないし、「『同感』しなければ…」となってしまうと、それが相手に対して必ずしも良い影響を与えることにはならないからです。 どういうことかと言うと、 「人の話しを良く聞けるようになって信頼関係を築くには、相手に共感しなければいけない。」 と思っていたとして、それはそれで良いのですが、ここでの「共感」を「同感」と混同してしまうと、相手の言っていることには同感できないのに、同感したかのように口先だけで言ってしまうというようなことが起こるわけです。 「10分も遅刻するなんて、ひどいねー。(棒)」みたいに。 同感していないのに同感しているかのように“まやかし”で口にしたとしたら、それは相手にはしっかりと伝わります。「わかって欲しい」に応えるのが「共感」
ではここで、相手の立場に立って考えてみましょう。 話しをしている本人にとって何が大切か、何を求めているかというと「わかって欲しい」ということです。 もちろん、無意識ですけどね。 ここで“わかる”というのは、上で言う「同感」では必ずしもなく、自分がそう感じていることをただ認めて受け止めて欲しいということです。 ということで、「共感」しながら聴くというのは、上の例で言えば、 「相手が遅刻してきて、ひどいと感じたんだね。」 と返すことです。 自分の価値、判断基準でジャッジするでもなく、同感するでもなく、ただ相手はそう感じたんだということを、その客観的事実をそのまま受け止めるということです。 「同感」も結局ジャッジしている訳なので、評価を挟まずに相手がそう感じたという事実のみをみていくということです。 この意味での「共感」ができるようになれば、無理なく人の話しが聞けるようになります。 自分と相手は違うのがあたり前だし、違っていていいという前提に立てるからです。 これなら無理なくできそうですよね?ジャッジしている自分に自覚的になる
そして、これを今回書いたのは、ここでの意味での「共感」を意識することで、自分が普段いかにジャッジしまくっているかに気づけること、そしてそれこそが大事だと思っているからです。 ジャッジすること自体が悪いことではありません。 ただ、そこに無自覚でいることで、多くの場合自分と違う価値、基準を持つ人とすれ違い、ぶつかる訳です。 なので、ここでいう「共感」を意識していけば、相手の価値観を尊重して関わることにもつながります。 私自身もコーチングのトレーニングにおいて「共感」を意識し続けることで、日常においても様々な価値観を尊重できるようになりました。 もっと言えば、自分と異なる価値観を持っているからこそ、その自分と違う人を大切に思えるようになりました。 そしてストレングスファインダー®は、自分が何をどうジャッジしがちなのかを教えてくれます。 それが自己の客観視をしやすくしてくれ、より無理なく「共感」力を得ることができます。
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