大事なのは「理解してもらえた」という感覚
先日は、大手通信会社の、主には1年目社員の皆さまへのストレングスファインダー®を活用したセルフマネジメント研修でした。
今回は人数が多く、冒頭でのプロファイリングの提供が難しかったので各ワークの後の全体シェアにて一人ひとりへのフィードバックをしていきました。
その際に心がけているのは、というか自然とそうなってしまうのは、全力でその人の良いところを伝えるということ。
今回はセルフマネジメントがテーマだったので、お一人おひとりがどんな環境であれば、どんな関わり方をしてもらえれば、どんな役割を任せられれば、それぞれが生き生きとするかを具体的に伝えました。
恐らく、会社生活の中でそういうことを周囲の人たちに言ってもらえる機会はなかなかないと思うのです。
むしろ、自分の苦手なことばかりに向き合うことになったり、自分と異なる考え方をする先輩方との関わりの中で、「それではダメだ」と否定されることも多いのかもしれません。
だからこそ必要なのは、「理解してもらえた」との感覚だと思うのです。
自分が何を欲しているのか、どんなことが得意なのか、何をやっているときにやりがいを感じるのか、そんなことを理解してもらえたとき、すなわち受け入れてもらえたとき、人は自分で自分を受け入れることができます。
元から自己受容している人は、幼少期より周囲の大人たちから“存在そのもの”を受け入れられてきた人なのだろうと思います。
チーム、組織として成果を出そうと思えば、メンバー一人ひとりの強みを引き出していくことが効果的であることに異論のある人はいないと思います。
そのための第一歩は、何も特別なことではなく、あるがままのその人をまず受け入れるということです。
特別な才能に目を向けるのではなく、その人が当たり前にできてしまうことに目を向け、それを明示的に言葉として伝えるということ。
人は、自分が当たり前にできてしまうことを、自分の特別な才能や強みとして自ら認識することはまずないからです。
ストレングスファインダー®は、まさにその部分を明確に言語化してくれるツールです。
自分の当たり前に出来てしまうことこそが才能のある分野であり、強みとして開発していくべきものであると自覚できれば、人は自然とその方向に向かい行動を起こします。
言葉で言うほど簡単なことではないけれど、もっともっと人や物事を肯定的に見て受け入れていく文化が醸成されることを願っています。