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ストレングスファインダーの資質「指令性」を生産的に活かす

指令性は、“決める”


「指令性」は、「自己確信」と並んでグローバルでも日本だけでも診断を受けた人の中でTOP5に持っている人が最も少ない資質です。

その意味では、本人が自分の資質を理解することはもちろん大切ですが、周囲の人が理解しておくことも大切だと思うので、その視点も入れて書いてみます。

「指令性」の原語は“Command”です。

文字通り指令とか、命令とかの意味です。

影響力の資質の共通点は、自分の思い通りに物事を動かしたいという欲求があることですが、その意味で「指令性」はザ・影響力と言っても良いかもしれません。

「指令性」上位の人は“決める”ことに躊躇がありません。

徹底的に曖昧さを排除し、白黒はっきりさせることを求めます。

やるのか、やらないのか?

その種の“決断”を他者にも求めます。

そして、自分が決めた通りに物事を実行するために、率直な言葉で人に指示を与え、人を動かしていきます

この部分がまさに“指令”の部分だと思います。

その高い決断力をベースに力強い言葉で周囲の人を動かしていく

これが「指令性」という資質です。

指令性は、対立を恐れない


「指令性」上位の人は、真実から目をそらすことなく白黒はっきりさせる、決着をつけることを大事にしています。

そして、白黒はっきりさせるということは、時に対立を招くこともあります。

すなわち「指令性」上位の人は、対立を恐れることがありません

その意味で「指令性」上位の人は率直だし、ある意味強い言葉を使います。

そして、それにより強い存在感を発揮します。

「指令性」上位の人にとって白黒はっきりさせ決着をつけることが最も大事なことであり、相手がどう思うかは基本的には関係ありません。

そのため「指令性」上位の人は相手を選ばず率直です。

相手が誰であれ、必要なことであれば率直に要求します。

それが最も良く現れるのが非常事態です。

放っておいても誰かが陣頭指揮を執るのであればその人に任せますが、誰もいない、そしてその状況が放置できないとなると、自らが指揮者となりその場をコントロールします。

そしてテキパキと周囲に指示をして非常事態を収めていきます

そんな時にとっても頼りになる存在なのです。

指令性は、悪気なく威圧する


「指令性」の妨げになる部分を書いてみます。

前回の記事で書いたように「指令性」上位の人は、たとえ対立を招くことになろうとも白黒の決着をはっきりさせることを厭いません。

そういうところが、たとえば誰かが判断で迷っているときに

「やるの?やらないの?どっち?」

的な問いかけにつながり、場合と相手によっては威圧されているように感じさせてしまうかもしれません。

もちろん、「指令性」上位の人からすれば相手を威圧することが目的なのではなく、どうするのかの決着をつけたいだけなのに、そう感じさせてしまうことで相手を萎縮させてしまうのはもったいないですね。

だからと言って場面と相手を考え、時にはもっと丁寧に…というのはあまり「指令性」上位の人には機能しないのではないかと思います。

ただし、何もしないままだと、本当は言いたいことがあれば率直に言って欲しい人であるのにも関わらず、結果的に相手を萎縮させてしまってはそれが叶わなくなるのでもったいないですね。

なので、出来る限り周囲の人たちに対して自分の特性を知っておいてもらうことが大事だと思います。

自分はとにかく物事を明確にしたいだけであり、誰かを責める意図はないこと。

回りくどい言い方が嫌いで率直な物言いになってしまうだけに、時々物言いをきつく感じさせてしまうことがあるかもしれないこと。

自分に落ち度があれば是非率直に言って欲しいこと。

これらを周囲の人たちに繰り返し伝えておくことだと思います。

最初の記事でも書きましたが「指令性」を上位に持つ人は、他の資質と比して少ない可能性が高いので、周囲に自分の特性を知ってもらう努力をすることがより大切になると思います。

そして、周囲の人たちにとっては、「指令性」上位の人、もっと広く言えば物言いが端的で、率直で、単刀直入な人に対してはこちらも出来る範囲で同じようにコミュニケーションを取ることが大事だということです。

人は、自分が当たり前にやっていることを無意識に他の人にも求めるものです。

すなわち率直な態度で関わる人は、率直な態度で関わって欲しい人でもあるのです。

だから、相手の言動が自分にとって不快に感じられるときは、それを率直に相手に伝えた方が本当は良いのです。

そもそも率直になることが難しい人にとっては(だからこその強みを持つ人にとっては)そう簡単なことではありませんが、お互いが少しずつ譲り合い、配慮し合うことが違う価値観を持つ者同士がうまくコミュニケーションをとっていくためのコツだと思います。

指令性は、悪気なく萎縮させる


「指令性」上位の人は、白黒はっきりと決着をつけたい人であるだけに、自分なりに「こうだ」という明確な意見を持っていることが多いです。

そして、それを声高にそして率直に主張することもあるでしょう。

場合によっては誰かの意見に対し、「それは違う!」とあからさまに否定することもあるでしょう。

それによって何が起こるかと言えば、前回書いたように「指令性」上位の人の率直なあり方が相手には威圧されたように感じるところと相まって、他の人が意見を言いづらくなってしまうということです。

本来「指令性」上位の人は、反対意見もどんどん言ってもらってOKなのに、相手がそう捉えずに萎縮してしまうのはもったいないことです。

なので、自分の発する言葉は意図せずして強い影響力を発揮することを自覚しつつ、自分の言動をうまくマネジメントしていく必要があると思います。

特にリーダー的な役割に就いている人であればメンバー一人ひとりの自発性を引き出していく必要がありますが、自分の影響力を無意識で使っていると“物言わぬ人たち”を作り出してしまいかねません。

一人ひとりの意見にしっかりと耳を傾け、相手の自発性を引き出して各自のパフォーマンスを最大化させ、チームとしての総合力を上げていくことでより自分の影響力が効果的に発揮できると思います。

「指令性」上位の人は、「これが効果的だ」と思えればそれまでと違うことでも方向転換を厭わないと思います。

自分の影響力を発揮し、成果を出していくためにどう振る舞うのが効果的なのか、それを常に考えることが大事だと思います。

指令性は、決断し前に進ませる


「指令性」の強みは、何事も「こうだ!」と言い切れるところ、そして「こうだ!」と思ったことを迷わずやりきれるところ。

ある意味そういう“強さ”が強みだと思います。

とは言え、“強い”というのはあくまで他の人がそう感じるのであって「指令性」上位の人は当たり前のことを普通にやっているに過ぎない訳ですが…。

いずれにしても状況が混沌としていて迷いが生じやすいとき。

そして、そういう状況だからこそ“決断”が求められるとき。

その決断がどんな抵抗をもたらすことになろうとも、毅然とした態度で決断をくだし物事を前に進ませていく。

その良さを活かすためにこそ、より正しい方向へと物事を導くためにこそ、他人の言うことにしっかりと耳を傾けることが大事だと思います。

その上で、最後は自分で“決める”。

これが出来ると、ザ・影響力である「指令性」を最大限に活かせると思います。



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