「戦略性」は、複数のパターンを見出す
「戦略性」は、原語では Strategic となっています。 “戦略的”という意味です。 「戦略性」上位の人は、一つのことを実行するにあたり、いくつものパターンを見出します。 よく例えられるのがカーナビです。 行き先をセットすると、いくつものルートが示されます。 それと同じように、「戦略性」上位の人は、求められる成果を出すための方法(パターン)は一つではないと考え様々見出します。 先々の可能性を予測し、「もしこうなったら…」を考えることで、その際に取り得る選択肢を挙げ、可能性を広げていきます。 そして、基本的にはその中でも最も手数が少なく効率的に成果の出せる方法を選択します。 「戦略性」の思考とカーナビの共通点は、行き先がセットされないと働きようがないということです。 「戦略性」の場合で言えば、求められる成果が何なのか、ゴール、成果物、落としどころが明確になっていることが必須です。 そしてもう一つは、選択肢を考える上での材料となる情報です。 カーナビで言えば、地図に相当する部分です。 どんな人が関わり、どんなリソースが使えるのか、どんな制約事項があるのか、そういう情報を元に全体を俯瞰して観ながら向かうべきゴールに到達するためのパターンをいくつも見出し、状況に応じて適切に選択していく。 これが「戦略性」という資質です。「戦略性」は、俯瞰する
ギャラップのサイト上での「戦略性」の説明に、“学習して習得できるスキルではない”とあるように、「戦略性」的な思考は、後天的に訓練して得ることは難しいと言われています。 もちろん、多少は「戦略性」的な思考を見習い真似ることは出来ても、無意識レベルで全体を俯瞰し、そこに道筋を見出すことはなかなか出来ることではありません。 この物事を俯瞰して観ることが出来るというか、観てしまうのが「戦略性」の大きな特徴だと思います。 全体を鳥の目で高いところから眺められるからこそ、そこにたくさんの道筋やパターンを見出すことが出来るのだと思います。 「戦略性」が低く「適応性」が高い私は、今目の前に見える範囲でしか物事を考えません。 だから、ちょー行き当たりばったりになりがちです(^_^;)。 なので、たとえうまくいったとしてそれはあくまで結果論であることが多いです。 すなわち、「戦略性」の人から見たら「そっちに行ってもダメだよ」という方向にもわからずに進んでいることが多いと思います。 逆に言えば、この“行き止まり”が見えてしまうのも「戦略性」上位の人の特徴の一つだと思います。 全体を俯瞰して観ることにより、行き止まりを避け、たとえ通れたとしても凸凹で通りにくいであろう道も避け最もスムーズに通れる道を選択する。 こんな感じだと思います。「戦略性」にしか見えていない世界がある
「戦略性」上位の人は物事を俯瞰して観ているので、他の人と異なる視点で物事を見ていることがあります。 もちろん、視点の違いがあること自体が問題となるわけではありませんが、自分に見えているものが他の人にも同じように見えているだろうと思い込んでいると、そこにすれ違いが生じやすいです。 人は誰しも自分に見えている世界は他の人にも同じように見えているものだと思い込んでしまいがちです。 それでも実際には、「戦略性」上位の人のように全体を高いところから俯瞰している人の方が少ないのです。 それゆえ自分には見えている行き止まりが、他の人には見えていないことも度々起こり得ます。 なので、 「そっちじゃなくて、こっちだろう」 的に道を指し示した際に相手は否定、批判されたかのように感じることがあるかもしれません。 ここは単純に同じ絵を見ていないから起こることであり、単に説明が不足しているのです。 なので、 「なぜ、こちらだとうまくいかないのか?」 「なぜ、こちらの方がうまくいきそうなのか?」 をしっかりと周囲の人に説明していくことを意識すると良いと思います。地上戦にも目を向ける
他の陥り易い点としてまず考えられるのは、ここも“俯瞰”から起こりがちなことですが、全体を俯瞰、すなわち視点が高いところにあるだけに、地上部分の解像度が落ちてしまう可能性があるということです。 ここは、もちろん他の資質との組み合わせにもよりますが、「戦略性」の全体像を観るという特性から、場合によっては大筋でのルートは見えていてもより現実的で細かな障害に気づかない可能性があるということです。 特に、人間関係構築力が低めだと、どうしても“コト”にフォーカスしがちなので、人の気持ちを置いていってしまい、後でややこしいことになってしまうなんてこともあるかもしれません。 ここはやはり細部に気を遣いがちな人にサポートしてもらうのが一番だと思います。 全体を俯瞰してみる才能と、細部を詳細に見る才能が組み合わされば最強ですよね? もう一つは、これは「内省」とか「慎重さ」が合わせて上位の方に起こりやすいことかと思いますが、あらゆるオプションを見出し比較検討するという特性上、その部分に時間が掛かり過ぎてしまう可能性があるということです。 「最上志向」も上位だと、最善オプションの選択をしたくなると思うので、余計そうなりがちかもしれません。 あと、特に「着想」との組み合わせだと選択肢がさらに広がるので、どんなことに対しても「何かしらやりようはある」との感覚が強いと思います。 すなわち、良く言えば粘り強く攻略法を考えるということでもあるし、悪く言えば諦めが悪いということでもあります。 これももちろん場面次第ではあります。 いずれにしても大事なのは、自分のそういう特性を理解、自覚し自分を客観視しつつマネジメントしていくことです。 その意味では、「戦略性」の特徴は俯瞰することであるだけに、自ら自分の陥り易い点も頭に入れながら対処されている方も多いのではないかと思います。「戦略性」の鳥の目を活かす
「戦略性」上位の人の強みは、何と言っても俯瞰、鳥瞰しているところだと思います。 行く道が迷路であったとしても、高いところから一望すれば正解ルートが一発で見えてきます。 「鳥の目」「虫の目」という言葉がありますが、「虫の目」を持つ人は細部を見ることに長けている一方で全体を引いて見ることが苦手です。 「鳥の目」を持つ「戦略性」上位の人は、「虫の目」しか持たず行き詰まっている人に「こういう行き方もあるよ」あるいは、「そちらに行くと行き止まりだよ」と教えてあげられると思います。 戦略的思考力の資質の全般に言えることですが、自分の思考をアウトプットすることでの他者貢献を意識することが強みとして活かす一つの方向性です。 その意味では、自分に見えている世界や道筋を言語化し、説明する意識を持つことが大事だと思います。 繰り返しますが、人は自分に見えている世界は同じものが他の人にも見えていると思い込みがちです。 なので、自分に見えている世界をわざわざ言語化するのは面倒くさいことに感じるかもしれません。 それでも、それをやった方が結果的には効率的に物事が進んでいくことも多いと思いますし、トータルで見れば同じ成果を出すのに手数を減らせるかもしれません。 そう考えると、言語化して周囲に説明していくこともオプションの一つとして捉えられるのではないかと思います。 それから、「戦略性」の思考はカーナビのようなものだと書きました。 現在地と行き先が明確で正確な地図さえあれば決して一つではないルートが見えてきます。 その際に大事なのは、自分が持っている地図の精度や解像度です。 ざっくりし過ぎていると思わぬ落とし穴を見落とすかもしれません。 一方、あまりに詳細な地図だと抜け道、裏道を含めて選択肢が多過ぎ迷ってしまうかもしれません。 ここで言う地図とは情報です。 ここも前述しましたが、情報の量や精度を自らマネジメントする意識も大事かもしれません。 後は、制約事項だったり優先順位だったりを明確にしておくことも大事だと思います。 ここはスピード優先で行くのか、確実性を優先するのかを決めておくといったことです。 そうすることで多くの選択肢の中から自分なりのベストを絞り込み易くなると思います。 「戦略性」上位の人はそもそも自分の資質をどううまく(効率的に)活用するかにも意識が向いていると思うので、ここで書いたようなことはとっくに意識し、実行されているかもしれませんね。
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