弱みを克服しようとするのは時間のムダ
昔の私自身がそうでしたが、日本の場合どちらかと言えば“強みを伸ばす”よりも“弱みを克服する”に重きが置かれているような気がします。 ストレングスファインダー®的に言えば、強みを上位資質だとすれば、弱みは下位資質です。 (※これは、得意/不得意の観点から見たもので、上位資質の強みの裏返しの弱みとはまた別の概念です。) そして、上位資質というのは自分に才能のある部分を指しています。 ここでいう才能とは“無意識に繰り返し表れる思考、感情、行動のパターン”のことを言い、自分が頑張らなくても無理なく自然にできてしまうことです。 これをスポーツに例えるとわかりやすいと思いますが、元々運動能力の高い人と、私のようにそうでない人がいたとして、運動能力の低い人が頑張って努力すれば、元々運動能力の高い人並みに自分の身体を自分の意のままに動かせるようになるかということです。 なりませんよね? もちろん努力することで、ある程度はできるようになることはあります。 でも、例えどれだけ熱意があったとしても、才能がないのに努力だけでメジャーリーガーにはなれません。 元々の才能があって、そこに人一倍の努力が加わって初めてそうなれる可能性が出てくるわけです。 一方で、苦手なことに努力して取り組むことが全く無駄かと言えば、必ずしもそうではありません。 私自身、マラソンをやっていますが、小さい頃から運動が苦手でどんくさく、とても趣味で何かのスポーツをやることなど想像していませんでした。 それでもマラソンの場合は、競技志向の人も、完走目的の人も、その人なりのペースで十分楽しむことができ、自分なりの努力で十分な達成感が得られるから続いているのです。 つまり、自分の元々苦手なことに取り組むのであれば、それが元々得意な人たち並に近づこうと努力するのではなく、自分の苦手なことでもそこそこできるようになるために、そこそこの努力をするのが正しい臨み方なのです。 仕事で言えば、自分の苦手なことでも全くやらないということはできないし、ただ単に「できません」と言うのが許されることは少ないでしょう。 だから、例え資質的に自分の苦手なことであっても、“それなりに”できるようになるよう努力することは求められると思います。 でも、それはあくまで“それなりに”であって、それ以上を求めるのは時間のムダなのです。多様な人たちが持つ多様な強みがチーム、組織を強くする
ではなぜ、特に日本においては弱みを克服するということにフォーカスされてきたかと言えば、画一的で均質なやり方がチームのパフォーマンスを向上させると信じられてきたからではないかと思います。 画一的で均質なやり方を踏襲するためには、チームメンバーは皆、同じことを同じようにできるようにならねばなりません。 チームの全員が、ある意味何でもできるスーパーマンになれれば、それは確かに素晴らしいことでしょう。 でも、それが現実としてあり得ないことであることは自明です。 ストレングスファインダー®が教えてくれるのは、同じことをやるにしても、それをうまくやるやり方は一つではなく、幾通りもあるということです。 それはすなわち、自分の上位資質を強みとして使うやり方です。 上位資質とは、自分が元々才能を持っている領域です。 だから、自分の上位資質、すなわち天才的な才能を持っている領域に着目し、意識してそれを磨いていけば個々人のパフォーマンスは劇的に向上します。 才能のない部分を克服しようとムダな努力を続けるのと、各々が自分の才能に気づきそれを磨いていくのと、どちらがチーム、組織としてのパフォーマンスが上がるでしょうか? これまた自明ですよね。人は感情で動く
それには部下の強みが何かを上司が理解することだ。これまでは弱みを改善することに集中するのが上司の仕事だったが、得意でないことが強みに変わることはない。無気力な社員の半数は自分に合っていない仕事に就いている。合った仕事に変えるだけで無気力な社員を半分に減らせるどちらかと言えば専門職的な働き方をする米国と、どちらかと言えばジェネラリストとなることを求められる日本とでは、そのアプローチは異なるかもしれませんが、いずれにしても働き方として自分の強みにフォーカスしていくことが、仕事への熱意を高めることは間違いないと思います。 その意味では、これからストレングスファインダー®を導入する企業が増えていくのは間違いないですね。 ジム・クリフトンもこう言っています。
日本企業は今、厳しい状況にある。私は過去20年で10回訪日した。当初は日本のリーダーはマインドセットの変革に興味を示さなかったが、今回来日した際の興味の高さに驚いた。生産性を高めることに対する危機感が強い。大きな変革は困った状況にならないと起きないという点で、今は逆にチャンスだただし、ストレングスファインダー®はあくまでツールであり、それを導入すること自体が目的化してしまっては本末転倒です。 「チーム全員がストレングスファインダー®の診断をやったからチームのパフォーマンスは上がるはずだ。」 ここにも書いたように、恐らくそんな簡単なことではないです。 ツールは、その目的を明確にして正しく使ってこそ、初めてその効果を発揮できます。 それをしっかりとお伝えしていくのが、我々ギャラップ社認定ストレングスコーチの役割だと認識しています。
オンライン資質理解講座シリーズ全17回(全34資質)
初回「最上志向」&「回復志向」を開催しました!
ダイジェスト版の映像です。(10分ほど)
資質の一つひとつの理解を深めていくオンライン講座です。
【こんな方へ】
☑自分が上位に持つ資質について深く知ることで、自己理解を深めたい。
☑自分の上位にない資質について深く知ることで、自分とは違う他者の理解を深めたい。
毎回思考の意味合いが対極にあるように感じられるもの(お互い真反対の資質はありません)、何となく似ていそうで区別がつきづらいもの同士で二つずつを取り上げ、それらを対比させることでより理解が深まります。
オンライン講座は、基本固定開催(隔週開催)としますが、参加できなかった回については録画映像、録音音声を後日配信しますので、学びを取り逃がす心配がありません。
日時:2018年8月21日(火)~2019年4月2日(火) 各21:00-22:00
方法:Zoom(オンライン講座)
講師:知識茂雄(ちしきしげお)
株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表
ギャラップ認定ストレングスコーチ
料金:50,000円(全17回の講座参加費及び録画映像、録音音声視聴含む)
ストレングスファインダー®は、診断したのみで活かせるものではありません。一つの資質のみならず、それらの組み合わせによってどんな思考、感情、行動のパターンが出来上がっているのかを理解し、そのパターンゆえの強みを活かしつつ弱みに対処していく必要があります。ストレングスファインダー®の専門家であるギャラップ認定ストレングスコーチが自分の資質を活かして人生を好転させるコーチングを提供します。
<サンプル映像:ストレングスコーチング>
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