
ストレングスコーチの知識茂雄です。
現場での気づきは、いつも予定外から始まる
昨日、とある企業でストレングスファインダーを活用したリーダーシップ研修を実施しました。対象は管理職の皆さんで、自分の資質を理解し、どう現場で活かしていくかをテーマにしたプログラムです。
順調に進んでいた中盤、グループワークの時間に少し違和感を覚えました。手が止まっていたり、話が弾んでいない様子が見えたのです。いくつかのグループに入ってみて、ようやく気づきました。
そもそも「何をすればよいか」が十分に伝わっていなかったのです。こちらとしては説明したつもりでしたが、それは完全に自己満足で、参加者には意図が届いていなかったことを反省しました。
瞬時の判断と再構成
このまま続けても深まりがないと判断し、その場でプログラムを大胆に組み替えることに。全体のワークをやめ、参加者一人ひとりに即興で簡易プロファイリングを行いながら、その資質の傾向とリーダーとしての強みを端的に伝える形式に変更しました。
タイムテーブルを即座に見直し、時間配分を組み替えて「これはいける」と判断。資料と頭を総動員しながら、資質とリーダーシップの関係をその場で言語化していきました。
場が動き出す瞬間
すると、会場の空気が徐々に変わってきました。「なるほど、そういうことか」と納得してくださる表情があちこちに現れ、メモを取り始める方も増えていきました。参加者の理解が進んでいることを、空気の動きから感じ取ることができました。
資質を“使いこなす”ということ
このように動けたのは、やはり私自身の上位資質である「アレンジ」と「適応性」の力が大きいと実感しています。ただし、それらの資質を「持っている」だけでは、今回のような判断や再構成はできません。
自分の中にある資質を理解し、現場で意識的に使い、試行錯誤を重ねながら精度を上げてきたからこそ、「今、この状況にはこう動こう」と判断できたのだと感じています。
資質は、育ててこそ意味がある
ストレングスファインダーの資質は、ただ持っているだけでは成果にはつながりません。使い方を理解していなければ、活かせないどころか埋もれてしまうこともあります。
だからこそ、自分の資質がどんな場面でどう働くのかを理解し、日常の中で意図的に使っていくことが重要です。今回の研修を通して、あらためて資質は持っていることより、使いこなす力が問われると強く感じました。