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「規律性」と「慎重さ」──安心を求めるふたつの資質、その違いをたどる



ストレングスコーチの知識茂雄です。

「規律性」と「適応性」について以前発信した内容に対して、読者の方から、とても本質的なご質問をいただきました。

「秩序立てた状態を維持することで安心感を得る」という規律性の説明を読んで、慎重さ1位の自分にも「できる限り予測可能にしたい」という気持ちがあると感じました。
このふたつの資質は、根本的な欲求が似ているのでしょうか?
それとも、“安心”という同じ目的地に向かいながら、方法が異なるだけなのでしょうか?

このような問いをもってくださったこと自体、資質理解を深めるうえでとても大切な一歩です。

どちらも「予測不能に不安を感じる」資質

ご指摘のとおり、「規律性」も「慎重さ」も、予測できない事態や不確実な状況に不安を覚えやすい傾向があります。ただし、何に不安を感じるのか、どう整えれば安心できるのか、その“拠りどころ”は異なります。

規律性は、「秩序が保たれていること」で落ち着く

規律性は、身の回りに秩序があり、物事が整った流れで進んでいるときに、最も安心できます。

  • 毎朝の準備の手順が決まっていて、その通りに動ける
  • 今日やるべきタスクが明確に整理されていて、順序立てて取り組める
  • 一日のスケジュールに見通しがあり、急な変更がない

こうした、自分で整えた秩序を保てている状態に、心が落ち着くのです。

慎重さは、「想定外への備え」が整っていることで安心できる

慎重さは、未来に起こるかもしれない“もしも”の事態に思いを巡らせます。
まだ見えていないリスクを想定し、あらかじめ備えておくことで安心しようとするのがこの資質の特徴です。

  • 出張先で荷物が届かないことを想定し、現地のコンビニや衣料品店を調べておく
  • プレゼンで機材が使えない場合の代替案や紙資料を用意する
  • 遅刻者が出たときの進行パターンを考えておく

慎重さにとっての安心とは、突発的な出来事が起きても対応できる備えがあることにあります。

安心感は同じでも、行動の起点が違う

資質 安心のよりどころ 整えようとするもの 行動の起点
規律性 予定通りに進む秩序ある日常 手順・流れ・環境 整っている状態を維持する
慎重さ 想定外に対応できる備え シミュレーション・選択肢 起こりうるリスクを想定する

規律性は「崩れないように整える」、慎重さは「崩れることを前提に備える」と言い換えることもできます。

「似ているようで違う」を見つけることの意味

今回のように、「この資質とあの資質、似てる気がするけどどう違うのだろう?」と問いを持つことは、資質理解の入口としてとても重要です。

言葉として似た方向性を持っている資質でも、動機・安心の拠点・思考や行動の順序といった構造に目を向けることで、それぞれの本質的な違いが見えてきます。

補足にあたって

この記事は、ご質問の文面をもとに構成したひとつの見方です。
実際の資質の現れ方は、他の上位資質や経験・価値観によって変わるため、すべての方に当てはまるとは限りません。
ご自身の感覚や日々の体験と照らし合わせながら、「自分はどう感じているか?」を確かめてみてください。

ご質問、ありがとうございました。



上記はギャラップに承認されたものではなく、ギャラップの認可も推薦も受けていません。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)に関する意見、見解、解釈は、株式会社ハート・ラボ・ジャパン代表 知識茂雄だけの考えです。


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