話しを聴いてもらうという豊かな時間
先日、研修の一環としてコーチングを学んでいらっしゃる経営層の方同士の相互コーチングのトレーニングに立ち会いました。 何が良くて、どこが改善点なのかをフィードバックする役割です。 正直言うと、お二人の対話自体はとてもコーチングと呼べるものではありませんでした。 それでも、私が感じたのは、お二人にとってとても豊かな時間が流れていたなぁということ。 同じ経営層として共通する悩みを持っているので、自然と相手の抱える課題を自分ごととして捉えることができます。 だからこそ、コーチングという関わり方、すなわちコーチ自らが相手の問題を解決しようとしないことが難しくなるのですが…。 それは置いておくとして、「良いなぁ」と思ったのは、相手の悩みを自分ごととすることで相手に寄り添う気持ちが表現されていたことです。 繰り返すけど、コーチングとしてはこういう関わり方はNGです。 経営層というのはある意味とても孤独な立場ですから、多くの場合愚痴を聞いてくれる人すら近くにいることは少ないです。 自分の悩みや課題、ときには愚痴を聞いてくれて一緒になってこの先どうすべきかを考えてくれる。 そんな存在があることが、どれだけ自分を勇気づけてくれるかということです。 そういう気持ちを味わった方は、きっと周りの人の話しをもっと聴いてあげたくなるでしょう。 経営層の皆さまは、他の誰よりもメンバー一人ひとりが安心して、やりがいをもって働いて欲しいと願っているに違いないから。 願わくば、コーチングもしっかりと身につけては欲しいですが…(笑)。 翻って、私を含むその他大勢の人にとっても、誰かに自分の話しを否定することなく聴いてもらえる環境があることはとても大事だと思います。 私自身は定期的にコーチングを受けているので今はその時間ですね。 でも会社員時代、それもコーチングを学び始める前は、ただただ話しを聴いてもらえる人なんて一人もいませんでした。 当時典型的な仕事人間だった私は、悩みのほぼすべては(人間関係を含めて)仕事のことでした。 そもそも家族に仕事の話しをしてもしょうがないと思っていたし、自分の課題は自分自身で解決すべきと信じていて誰かに相談するという選択肢すら持っていませんでした。 こういうところも非合理な思い込みがあるところであり、自分で自分の課題を解決できない自分には価値がないと思い込んでいたのだと思います。 そして、そういう私は、他の誰かから相談されるタイプでもなかったのだと思います。 きっとその当時の私は、“相談される=相手の課題を解決してあげないといけない”と捉えていたと思うので、相談する側としては重いですよね。 そういう私がコーチングを学んでいく過程で、ただただ聴くということにも意味があることに気づき、ひたすら部下の話しを聴くことを徹底してやっていた時期がありました。 その結果どうなったかと言えば、仕事上での面談の場であるにも関わらず、いろんなプライベートの悩みを打ち明けてくれるようになりました。 自分自身、「“こんな自分を”信頼してくれているんだ」と思えてとても満たされたような気持ちだったのを覚えています。 (“こんな自分を”のところに自己信頼の低さが表れていますが…(^_^;)) もちろん、そうなることを目的にやっていた訳ではないけれど、否定されない安心安全な場がこういう信頼関係を生み出すのだということを実感しました。 誰かに話しをして悩みを聴いてもらうというのと、誰かの話しを聴き悩みを打ち明けられるというのは裏表の関係です。 すなわち、そういう話しを他の人にできるからこそ、他者のそういう話しを聴けるということだし、その逆もまたしかり。 “話す”という行為は、本人にとってさまざまな効能をもたらすものです。 鶏が先か、卵が先かという話しなのでどっちでも良いと思うのです。 誰かにただただ話しを聴いてもらう機会を作っていくのもいいし、誰かの話しを相手の課題を解決しようとせず、ただただ否定せず聴いてあげる機会を作るのもいいと思います。 ま、後者はそれなりのトレーニングが必要ではありますが。 話しを聴き、聴いてもらうことが当たり前の社会にしていきたいものです。 -----------ストレングスファインダー®徹底活用ガイド
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