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ストレングスファインダーの資質「親密性」を生産的に活かす

狭く深くの「親密性」


「親密性」は人間関係構築力の資質で、原語は Relator です。

Relatorを辞書で引くと“告発者”とかで出てくるのでイメージしづらいですが、動詞のRelateには“他人とうまく付き合う”というニュアンスもあるのでそちらから来ているのかなぁと想像します。

日本語の「親密性」は、割とイメージし易いですよね。

文字通り他者と親密な関係を作ることを大切にする資質です。

以前お届けした「社交性」と対比されることの多い資質でもあります。

とは言えその二つの資質が必ずしも順位が対極にくるという訳ではなく、両方が上位の人も割といる印象です。

あくまで個人的な印象ですが。

「社交性」との対比をものすごく乱暴に言えば「社交性」が“広く浅く”であるのに対し、「親密性」は“狭く深く”の交友関係になりがちだということです。

交友関係の広さを輪っかで表現するならば、「社交性」はその境界もあいまいなおっきな輪っかで、「親密性」は境界線がくっきりはっきりしたきゅっと小さな輪っかという感じでしょうか。

ま、「社交性」の人類皆友だちの感覚から言えば輪っかで表現するのは不適切かもしれませんね。

いずれにしても「親密性」の場合は、一人ひとりとしっかりと向き合い強固な関係性を築くことに特徴があります。

そのための前提としては、お互いのことをよく知り合うことが必要です。

それも、表面的な部分ではなく深い部分で知り合うことが必要です。

そのため他の人との距離の近づけ方が割りと慎重になりがちです。

いきなり自分の深いところを見せられる訳ではないし、いきなり相手の深いところに切り込める訳でもないですからね。

なので、「社交性」が下位で「親密性」上位の人は、いわゆる“人見知り”的な感じになりやすいと思います。

ここは、「慎重さ」も併せて上位だとより顕著になる部分だと思います。

もちろん良し悪しではなく。

「親密性」は、心理的安全性を求める


「親密性」の場合は、深いところまでお互いを知り合うことで信頼関係を築くことに特徴があります。

従い、必然的に“人を選ぶ”という感覚が出てきます。

誰とでもお互いの深いところを理解し合えるわけではないという感覚からくるものです。

私はよく「親密性」の輪という表現を使いますが、「親密性」上位の人は自分の周囲に何重かの輪っかがあり、誰がどの輪の中に入っているかが割とはっきりとしているのではないかと思います。

すなわち、本当の意味でお互い何でも言い合える一番内側の輪っかの中に入っている人。

日常的に仲良くはしているものの、すべての本音をさらけ出せるようなところまではいっていないような人。

そこまで仲が良い訳でもなく、必要最低限の会話しか交わさない人。

のように、関係性の近さである意味“分類されている”感覚なのではないかと思います。

この“輪っか”に象徴される分類はあくまで結果論です。

そもそもの関係性の入り口として、信頼するに値しそうな人なのかどうかに鼻を利かせているところ。

そして、相手との現時点におけるコミュニケーションの量と質がいかほどかによると思います。

「親密性」上位の人の本音からすると、常に一番内側の輪っかの中にいる人とだけ共にいたいくらいの感覚なのかもしれません。

相手が自分のことを理解し、信頼してくれていることをベースに安心して自分の思う行動を取れるのだと思います。

すなわち、今流行の言葉で言えば「親密性」上位の人が求めるのは“心理的安全性”そのものなのだと思います。

時間の経過が安心感をもたらす


「親密性」の陥り易いことについて書いてみます。

まずは最初の回で書いた人見知りしやすいということ。

「社交性」も併せて上位だとこの限りではありませんが、相手が信頼できる人なのかを確かめつつ心を開いていく感じなのでどうしてもそうなりがちだと思います。

特に、プライベートをオープンにすることにリスクを感じがちな「慎重さ」を併せ持っているとその傾向は顕著だと思います。

そういうなかなか腹の内を見せないところが場合によっては相手によそよそしさを感じさせてしまうことにつながるかもしれません。

私も、「親密性」は高くはないのですが、影響力の資質全般が低く、その中でも「社交性」がとっても低いので典型的な人見知りです。

そして、そもそも人と関わることが億劫な人でもあります。

(こんなこと言っていいのかしらんけど…(笑))

なので、“万年初対面”的なことをよく言われてしまいます(^_^;)。

それでも大昔に比べると“近寄りがたさ”はだいぶ減ったかなぁと思います。

それは、特に初対面の人に対してはできる限りの笑顔で接するように心がけているからです。

「ポジティブ」「社交性」の人のように自然体で笑顔が出る訳ではないけれど、笑顔を“作る”ことは出来ます。

もし、初対面の人によそよそしさを与えていそうだなぁと思うならば、ちょっとだけ笑顔でいることを意識するだけでもだいぶ違うと思います。

そして、内面的な悩みとしてありがちなのは、特に会社の異動等で同僚やチームメンバーが入れ替わってしまった時にその中ででの関係性を築くのに時間が掛かってしまうように感じてしまうことです。

ここは、ひょっとしたら周囲の人が感じている以上に自分がそう思い込んでいるだけなのかもしれませんが。

いずれにしても周囲の人が入れ替わってしまった時、人によっては自分にとって居心地のよい場所になるまで数ヶ月単位掛かるような感じかもしれません。

でもここは、考え方次第かなぁとも思っています。

関係性を築くのに時間が掛かってしまうと捉えるのか、時間さえ経てば必ず関係性が築けて居心地は良くなると捉え信じるのか。

実際のところ、後者は単なる事実のはずです。

時間の経過と共に周囲の人を理解する機会、そして自分のことを理解してもらう機会が増え、相互理解が深まっていき心理的安全性が増していきます

単純なその事実を踏まえて「自分の場合はそうなんだ」とただ思えれば多少楽になれるかなぁと思います。

もちろん、打ち解けるまでの時間を短縮するためにはコミュニケーションの量を増やしていけば良いので、勇気を出して意識的にコミュニケーションをとっていくことをやるのも良いと思います。

一対一を増やし広げる


「親密性」上位の人の場合、自分との心の距離感が人によりくっきりはっきりと違いが出てくるのが特徴の一つです。

なので、そういう関係性を外から見た場合、やや排他的に見えてしまうこともあるかもしれません。

もちろん「親密性」上位の人が排他しているわけでも何でもなく、自分にとって安心して付き合える人と一緒にいたいだけなので、ここは仕方ないというかそう見られることがあるかもしれないことを自覚しておくくらいかと思います。

後は、ありがちな内面的な葛藤で言うと、クローズドな交友関係を好むだけに、交友関係や人脈が広がらないことへの悩みがあるかもしれません。

「社交性」x「包含」のような人を羨むような感覚とか。

ここも、強みの裏返しでもある訳なので致し方ないところですね。

なので、良い意味でそこは諦めることも大事です。

その上で、やはり交友関係や人脈を広げていきたいとのニーズがあるのであれば、それをそもそも得意とする人のことを真似ないことも大事だと思います。

すなわち、自ら全く初めての人に会いに行って関係性を作っていくようなことを無理に頑張ってやらないことです。

もちろん多少苦手なことでも頑張ってやってみることは自分の可能性を広げることにもつながり大切なことでもあります。

しかしながら、そもそも苦手なことを“頑張り続ける”のはやっぱりしんどいし続かないですよね。

その結果、そういう自分を否定的に見てしまう。

そういうのが一番馬鹿らしいなぁと。

では、どうすれば良いのか?

明確な答えはありませんが、一対一の関係性を重視する資質である以上はその一対一の絶対数を地道に増やしていく感覚でいくのが良いのかなかぁと思います。

その際のポイントは、自分の「親密性」の一番内側にいる人のつながりを活用するということです。

活用と言うと語弊があるかもしれませんが、要は自分が信頼している人が信頼関係を築いている人であれば無条件に信用できますよね…ということです。

なので、特に目的が明確で相応しい人を探している時は真っ先に自分が信頼している人に相談して人の紹介をお願いすると良いと思います。

多くの方が既にそうされているかもしれませんが。

「親密性」は、裏切りを許さない


「親密性」上位の人は、特に自分の「親密性」の輪の一番内側にいる人には深い深い信頼を寄せています。

それだけに、その相手に裏切られた感が出てしまうと途端にその人を遠ざけたい衝動に駆られると思います。

もっとはっきり言うと縁を切りたいくらいの感覚です。

具体的には、「誰にも言わないで…」と約束の上で打ち明けた秘密を誰かに漏らされるとかです。

もちろん、こういうことがあれば誰でもその人のことは信用できなくなってしまうものだけれど、特に「親密性」の人は本当に信頼している人にしか打ち明けないことというのがあるだけに“裏切られた感”がより強くなるのです。

信用、信頼という意味では「親密性」x「責任感」やx「信念」の人はよりそれを大切にするので“裏切り”への許せなさ感はより強くなると思います。

ちなみに私の場合は「自我」x「責任感」で自分のことを蔑ろにされたと感じると途端にその人と距離を置きたくなるし、実際そうしますね。

「親密性」とは微妙にニュアンスは異なると思いますが、かなり近い感覚があるような気がします。

脱線しましたが、いずれにしても相手からの“裏切り”と感じられるような行為があり一度心が離れてしまうとその関係性の修復はかなり難しくなります。

もちろん自分からすればそういう人と今後も付き合う価値はないと感じている訳なので、それ自体が悪い訳ではないと思います。

それでもここもあくまで相対的な関係において、ひょっとしたら周囲の人から“不寛容”な人だと評価されてしまうこともあるかもしれません。

そして、その相手というのが本当は自分にとっては価値をもたらす人だったりもするかもしれません。

もっと言えば、そういう自分から見た“裏切り行為”というのは、やんごとなき理由があったのかもしれません。

とても、とても難しいことではあると思いますが、ここでもそんな自分を客観視しつつ相手との関係性を本当に壊したままで良いのか、少し冷却期間を置きつつ冷静に考えてみることがあっても良いのかもしれません。

誰と共にいるか


「親密性」のまとめとして、より生産的な活かし方について書きます。

まず大事なのは、人間関係において信用、信頼を大切にしているだけに自分の身の回りに自分が信頼を置いている人がいるかどうかが自分自身のモチベーションに大きく影響するという点です。

それは、一つには以前書いたように心理的安全性のある場でより自分らしくいられるということ。

そしてもう一つは、自分が信頼している人のために…というのが大きな動機付けになり得るということ。

特に「最上志向」を併せ持っていると、目上の人に対する目線が厳しくなりがちなので、自分から見て尊敬でき、信頼できる上司の下で働けているかが大きくモチベーションに影響するのではないかと思います。

ここは、相手のいることなのでそうそう簡単に自ら環境を整えるのは難しいと思いますが、人間関係が日常生活の充実度に影響しやすいという自分の特性を自覚しつつ環境を整えていくことが大事だと思います。

もう一つは、「親密性」上位の人がチームで働く際は比較的少人数のチームを好むという点です。

なぜならば、一対一の関係を出来るだけ深めたいだけに人数が多くなるとそれが叶わないからです。

ここも出来る限りそういう環境を選び取るようにすると良いとは思いますが、既に大きな組織にいる人にとってはそうそう簡単なことではないと思います。

とは言え、メンバーとして働いている分にはその大きな組織の中で心理的な小さな輪っかを作れば良いのでそんなに問題にはならないのではないかと思います。

一方、職位が上がり、結果的にマネジメントの範疇が広がっていく場合はそうもいかないですね。

ここでの一つの考え得る解決策としては、自分にとってのコアメンバーをイメージするということです。

すなわちそのコアメンバーたちに自分の「親密性」を当て、その人たちとの信頼関係を優先していくということです。

その上でその先にいる人たちのことはコアメンバーに基本任せてしまう。

「親密性」上位の人は、自分が信頼を置いている人には何事も安心して任せられると思うのです。

もちろん、コアメンバーとその他メンバーに対する関わり方の温度差が大き過ぎると弊害を生む可能性があるのでそこは配慮が必要だと思いますが。

いずれにしても、「親密性」を活かすには自分の周りに自分が心から信頼できる人を置いていくことだと思います。

それは、ひょっとしたらそうではない人たちとの距離を取るということでもあるかもしれません。

そしてそれは人によっては特別勇気のいることなのかもしれません。

そういう意味ではコミュニティを選ぶというのも大事かもしれないですね。

いずれにしても繰り返しになりますが、「親密性」の場合は人間関係という意味で身の回りの環境を整えていくことが大事だと思います。

信頼できる人に囲まれて伸び伸び自分らしく、信頼している人たちに尽くすように貢献していく

それが理想なのかなぁと。



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