バルコニー使いとベースメント使い
クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)を活かすということは、自分の意識や行動に具体的に変化がなければ意味がないですよね?でも、書籍を読んだり、レポートを読んだりして資質のおおまかなイメージはつかめたとしても、実際には意識や行動の変化には結びつきづらいものです。
「クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)がいいって聞いてやってみて、確かに当たってはいるけど、だから何なの…」という方は多いのかもしれません。なぜそうなるかと言えば、解説を読んだだけでは意識、行動をどう変えていくかの方向性までは示されていないからです。
クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)で出てくる資質は、繰り返し現れる思考、感情、行動のパターンです。クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)という名称から誤解されることが多いのですが、資質=強みではありません。その資質の特徴・傾向ゆえに、時には強みにもなり、場合によっては弱みにもなり得るのです。
クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)を開発した米国ギャラップ社では、資質を強みとして使っていることを「バルコニー使い」、ひょっとすると弱みとして使ってしまっているかもしれないことを「ベースメント(地下室)使い」と呼んでいます。
資質を薄暗い地下室に閉じ込めておくのか、それともお日さまのあたるバルコニーに上げるのか、わかり易い比喩表現ですよね!クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)を活かすには、それぞれの資質ゆえのバルコニー状態とベースメント状態を理解する必要があるのです。
我々ストレングスコーチはすべての資質においてバルコニー、ベースメントを把握していますので、その人に合わせた適切なアドバイスができるのです。
「責任感」のバルコニーとベースメント
「責任感」という資質は、自分が任された仕事、引き受けた案件は必ず最後までやり切る資質です。そして常に時間には遅れない、約束は必ず守るといった高い道徳観を持っています。よって、周りから見たら「この人に任せておけば安心!」と高い信頼を得るでしょう。これがいわばバルコニー使いの状態です。
一方、ベースメント使いは、上記の裏返しになるわけです。一旦自分が引き受けた以上は最後までやり切りたい、手放したくないので人に何かを任せるのが苦手です。そう、必要以上に自分で抱え込んでしまうのです。
また、責任を果たすためには、その責任範囲が明確でないといけないので、自分はどこまでやれば良いのかを確認できるまで動こうとしません。
さらには、自分の持つ道徳観と照らしあわせて他人の行動をジャッジしがちで、ついつい他人の行動に厳しく口を出しがちです。
「最上志向」のバルコニーとベースメント
「最上志向」という資質は、より良く、より良くと常に上を目指す資質です。
人であっても出来事、物事であっても、まず良いところに目をつけそこをさらに伸ばそうとします。自分を向上させるのみならず、周りにも影響を与えて常により良い高い質への向上を促します。これがバルコニー使いの状態です。
一方で、質へのこだわりが強すぎ、基準が高過ぎるため、本来求められていること以上のものを追求しがちです。
また、向上心が強い半面、自分にも高い基準で求めてしまうので、いつまでたっても自分に満足せず苦しんでいるかもしれません。こういう状態はベースメント使いですね。
ベースメントからバルコニーへ
上述のように、バルコニーとベースメントは表裏一体です。だから、都合良くバルコニーだけ取り出すことは残念ながらできません。
しかし、自分が陥りがちなベースメント状態がどのようなものかを知っておけば、失敗しない程度にマネジメントできるようになります。
また、自分にとってはあたり前過ぎてなかなか意識できないものなのですが、バルコニー状態を知ることで自分の資質を強みとして使うという意識が生まれるので、バルコニー状態をより前面に出すこともできるようになります。
是非ストレングスコーチのプロファイリング を受けたり、セミナーに参加して自分をより良くマネジメントする方法を学んでください。