「学習欲」の学びは手段ではなく目的
「学習欲」も、比較的上位に持っている人が多い資質です。 「学習欲」の原語はLearnerであり、文字通り“学ぶ人”です。 そして、「学習欲」上位の人にとって学びとは、それ自体が目的そのものです。 すなわち、多くの人は何かを成し遂げるための手段として学びを得ようとしますが「学習欲」上位の人は違います。 学ぶことは、目的そのものである。 これこそが「学習欲」の“欲”を表していると思います。 では、ここで言う学びとはどういうものでしょうか? ここで、「学習欲」と共に上位に位置しやすい「収集心」との違いで解説してみます。 「収集心」の詳細な解説は後に譲りますが、「収集心」の特徴はコンテンツとしての情報を集めることにあります。 ある意味、情報、知識を断片として収集するイメージです。 一方「学習欲」は、自分が何かを知らなかった状態が、知っている状態へと変遷していくそのプロセスを楽しむところに違いがあります。 「学習欲」上位で「収集心」も上位の人はかなり多い、というかそうでない人の方が少ないと思いますが、両方上位の人にとってはこの感覚の違いは理解しづらいかもしれませんね。 流れとして考えると、まず「収集心」が働き何かについて調べ情報を集めます。 すると、その中の特定の何かにさらに興味を惹かれ、関連する本を読んでみたり講座やセミナーなどに出かけていきその知識を習得するために学ぶというのが「学習欲」です。 例えば、本を読むという行為にしても「収集心」的にはそこにある必要な情報を取得するためであり、「学習欲」的には本を読むことでそこに書いてある知識が自分の中に段階的に溜まっていくその感覚を楽しむという感じです。 前述したように「収集心」にしろ「学習欲」にしろ情報を集め、学んだあとにそれをどう活用するかの目的は必ずしもないことが多いです。 (もちろん、他の資質との組み合わせによります) 結果として、特に「学習欲」x「収集心」の人に多いのが“資格コレクター”と呼ばれる人たちです。 必ずしも取得した資格をその先で活かすという目的があるわけではなく、学ぶという目的で取り組んだ結果として資格を得ているという感じだと思います。 学びをあくまで手段として考える人たちからすると、この感覚は理解しがたいかもしれませんね。「学習欲」は、新たな経験を求めるチャレンジャー
「学習欲」は戦略的思考力の資質であり、知的好奇心が高いのが特徴です。 そういう意味で一般的に学ぶというのは、頭の中に知識を詰め込んでいくことであり、「学習欲」はそのプロセスを楽しむということになります。 もちろん、そういう面は大いにあるというか、それがメインとなると思います。 一方、「学習欲」が単に机上の知識を詰め込むだけかというと、そんなことはないと思っています。 「学習欲」的な学びのプロセスには、何かを経験し身につけていくということも入ります。 わかりやすく言うと、例えば自転車を練習して乗れるようになっていく過程を楽しむという感覚です。 楽しいというと語弊があるかな…。 早く乗れるようになりたいのにままならないストレスもありますからね(笑)。 いずれにしても、何かを身につけていく過程にはある種の発見がありますよね。 自転車で言えば緊張してハンドルを握る手に力が入り過ぎているとハンドルの自由度がなくなりバランスが取れないから、いかに力を抜くかが大事なんだ…とか。 そして、こういうことは何かしら新たなことを経験してみないと得られないことです。 ここから何が導き出されるかというと、「学習欲」上位の人は常に新たな知識が身につけられる、あるいは何かしら新たな経験が得られる、そうした継続的な学びの場を求めるということです。 例えば、常に期間が限定されていて、どこかで終わりが来て次に切り替わっていくプロジェクト単位で仕事が進んでいくような環境です。 プロジェクトが切り替われば新たなに知識として習得すべきことも出てきますし、新たなメンバーと関係性を築いていく過程すら学びにつなげることも出来るでしょう。 すなわち、そういう環境に身を置くことが自分を活き活きとさせることにつながるのです。 ここは、学びには目的があり、必要な時だけ学ぶという感覚の人にはなかなか理解し難い感覚なのかもしれません。 いずれにしても上述した理由から「学習欲」的には新しい環境に飛び込んでいくことにある種のワクワク感が伴うことが多いということでもあります。 「学習欲」上位の方は、自分のそういうところを自覚し、他の資質とも相談しながら(?)新たなチャレンジを続けていくことで人生の充実度は上がると思います。アウトプットに意識を向けよう!(「学習欲」)
個人的に「学習欲」は潰しが利くし、あまり悪さをしない資質だと思っています。 強いて「学習欲」が悪さをする面を指摘すると、やみくもに“学び”に自分のリソース(時間、お金etc.)をつぎ込んでしまいかねないところだと思います。 特に「着想」や「収集心」を併せ持っていると、いろんなことに興味関心が向いてしまうのでそうなりがちだと思います。 もちろんそれがその人にとって何ら問題ないのであれば、何も考える必要はないですけどね。 そして資質を活かすという意味合いからすると、インプットに偏りアウトプットがないのはもったいないですね。 ここもやはり「学習欲」が目的を持たないという特徴に起因するところだと思いますが、無意識でいるとアウトプットする方向には行かないと思います。 もちろん、まったくアウトプットが無いなんてあり得ませんし、他の資質の作用もあり自然とアウトプットにも意識が向く人もいると思います。 それでも、よりアウトプットに意識を向けることで、直接的に他者貢献となり資質を生産的に活かすことになりますし、アウトプットしてみることで自分に足りないものが何なのかに気づくことにもなるので、それがさらなるインプットの欲を刺激することにもなります。 すなわち、アウトプットがさらなるインプットを誘発して良い意味でのサイクルが回り始めるのです。 ここでのアウトプットとは、例えば社内勉強会とかだったり、あるいはブログとか何かしら自分のメディアで発信することだったりします。 個人的には、何かしら“教える”というスタンスでのアウトプットが最も効果的だと感じています。 なぜならば、教えるというスタンスになると自分が学び得たものを今一度しっかりと理解しようという意識にもつながりますし、その教えるという経験自体が「学習欲」を喜ばせることになるかもしれません。 そして、人に教えるというスタンスでアウトプットすることにより、前述した“足りないもの”にもより気づきやすくなります。 「学習欲」を持っている人は、自分が思う以上に他の人の役に立つ情報や知識を積み上げているものです。 それを是非活かす方向で意識してみてください。「学習欲」は「緩衝材」
ストレングスファインダーのそれぞれの資質には4つのグループ分けに代表されるようにそれぞれに方向性の違いがあります。 その一つが、物事を前に進ませる推進力となるような資質とある種の緩衝材のような働きとなる資質という分け方です。 これは、ギャラップが明確にそういう分類をしている訳ではなく、私が個人的にそう思っているということです。 そして「学習欲」はどちらの面もあると思いますが、恐らく多くの方があまり意識していないのは後者の部分ではないかと思います。 ここで言う緩衝材とは、何かしらうまく行かないことも受け入れていく力であったり、文字通り他者との関係性における緩衝材の役割を指します。 「学習欲」の場合で言うと、極論するとすべてを“学び”として受け取ることが出来ます。 たとえうまくいかないことがあったとしても「うまくいかないことも一つの経験だ」と思えると思います。 「ポジティブ」上位であれば特にそういう感覚が強いと思います。 人間関係にしてもそうですね。 ちょっとずれるかもしれませんが、私の場合は「社交性」が低く「調和性」「内省」が高いので、例えば(特にオンラインでの)ワークショップ等であまり話したことのない人と話すのがとても居心地の悪い感覚があります。 それでも私は、その気持ち悪さすら学びとして捉えています。 「気持ち悪さ、居心地の悪さから自分は何を学んでいるんだろう?」との感覚です。 もはや変態ですね!(笑) いずれにしても、「学習欲」上位の人に効果的な問いは、「今この瞬間に何を学んでいるのだろう?」というものです。 (“瞬間”と書いてしまうのはたぶんに「適応性」的(^_^;)) どんなに辛い状況にあっても、それを学びとして捉えていけば状況を受け入れやすくなるし、一旦状況を受け入れられさえすれば、そこから先をどう対処するかに思考を移せると思います。 緩衝材としての「学習欲」も是非意識してみてください。
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