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ストレングスファインダー®で強みに目を向けると、チームのパフォーマンスは向上する

日本経済新聞の電子版に、ストレングスファインダー®を開発したギャラップ社の会長兼CEOのジム・クリフトン氏(ストレングスファインダー®を開発したドナルド・O・クリフトンの孫)のインタビュー記事が掲載されました。

記事によると、ギャラップ社の調査では、日本の企業において「熱意ある社員」の割合はわずか6%で、調査139ヶ国中132位と驚きの結果です。

いや、驚くことではないのかもしれません。

私自身、元企業人として「そうだよなぁ。」と思わなくもないので。

弱みを克服しようとするのは時間のムダ


昔の私自身がそうでしたが、日本の場合どちらかと言えば“強みを伸ばす”よりも“弱みを克服する”に重きが置かれているような気がします。

ストレングスファインダー®的に言えば、強みを上位資質だとすれば、弱みは下位資質です。
(※これは、得意/不得意の観点から見たもので、上位資質の強みの裏返しの弱みとはまた別の概念です。)

そして、上位資質というのは自分に才能のある部分を指しています。

ここでいう才能とは“無意識に繰り返し表れる思考、感情、行動のパターン”のことを言い、自分が頑張らなくても無理なく自然にできてしまうことです。

これをスポーツに例えるとわかりやすいと思いますが、元々運動能力の高い人と、私のようにそうでない人がいたとして、運動能力の低い人が頑張って努力すれば、元々運動能力の高い人並みに自分の身体を自分の意のままに動かせるようになるかということです。

なりませんよね?

もちろん努力することで、ある程度はできるようになることはあります。

でも、例えどれだけ熱意があったとしても、才能がないのに努力だけでメジャーリーガーにはなれません。

元々の才能があって、そこに人一倍の努力が加わって初めてそうなれる可能性が出てくるわけです。

一方で、苦手なことに努力して取り組むことが全く無駄かと言えば、必ずしもそうではありません。

私自身、マラソンをやっていますが、小さい頃から運動が苦手でどんくさく、とても趣味で何かのスポーツをやることなど想像していませんでした。

それでもマラソンの場合は、競技志向の人も、完走目的の人も、その人なりのペースで十分楽しむことができ、自分なりの努力で十分な達成感が得られるから続いているのです。

つまり、自分の元々苦手なことに取り組むのであれば、それが元々得意な人たち並に近づこうと努力するのではなく、自分の苦手なことでもそこそこできるようになるために、そこそこの努力をするのが正しい臨み方なのです。

仕事で言えば、自分の苦手なことでも全くやらないということはできないし、ただ単に「できません」と言うのが許されることは少ないでしょう。

だから、例え資質的に自分の苦手なことであっても、“それなりに”できるようになるよう努力することは求められると思います。

でも、それはあくまで“それなりに”であって、それ以上を求めるのは時間のムダなのです。

多様な人たちが持つ多様な強みがチーム、組織を強くする


ではなぜ、特に日本においては弱みを克服するということにフォーカスされてきたかと言えば、画一的で均質なやり方がチームのパフォーマンスを向上させると信じられてきたからではないかと思います。

画一的で均質なやり方を踏襲するためには、チームメンバーは皆、同じことを同じようにできるようにならねばなりません。

チームの全員が、ある意味何でもできるスーパーマンになれれば、それは確かに素晴らしいことでしょう。

でも、それが現実としてあり得ないことであることは自明です。

ストレングスファインダー®が教えてくれるのは、同じことをやるにしても、それをうまくやるやり方は一つではなく、幾通りもあるということです。

それはすなわち、自分の上位資質を強みとして使うやり方です。

上位資質とは、自分が元々才能を持っている領域です。

だから、自分の上位資質、すなわち天才的な才能を持っている領域に着目し、意識してそれを磨いていけば個々人のパフォーマンスは劇的に向上します。

才能のない部分を克服しようとムダな努力を続けるのと、各々が自分の才能に気づきそれを磨いていくのと、どちらがチーム、組織としてのパフォーマンスが上がるでしょうか?

これまた自明ですよね。

人は感情で動く


上で書いたことは、ある意味理屈です。

そして、人は理屈だけではなく、むしろ感情で動くものです。

すなわち、大事なのはそこに「そうしたい」という熱意があるかどうかです。

ここでもまた自分の強みとなり得る領域に着目することに意味があります。

先日大学のキャリアの講義でストレングスファインダー®を扱った際にも感じましたが、自分の苦手に目を向けるよりも、元々持っている自分の才能を強みとしてどう活かすかに目を向けた方が、人はワクワク感を持って前向きに取り組みやすいです。

つまり、企業で言えば経営陣が、チームであればそのリーダーが、まず各メンバーの強みに目を向けていること、そして、個々のメンバーが自分の強みを自覚し、他者の強みを認識し尊重していること

この状態にある組織、チームこそが最高のパフォーマンスを出せるのです。

記事中のジム・クリフトンの言葉を引用します。
それには部下の強みが何かを上司が理解することだ。これまでは弱みを改善することに集中するのが上司の仕事だったが、得意でないことが強みに変わることはない。無気力な社員の半数は自分に合っていない仕事に就いている。合った仕事に変えるだけで無気力な社員を半分に減らせる

どちらかと言えば専門職的な働き方をする米国と、どちらかと言えばジェネラリストとなることを求められる日本とでは、そのアプローチは異なるかもしれませんが、いずれにしても働き方として自分の強みにフォーカスしていくことが、仕事への熱意を高めることは間違いないと思います。

その意味では、これからストレングスファインダー®を導入する企業が増えていくのは間違いないですね。

ジム・クリフトンもこう言っています。
日本企業は今、厳しい状況にある。私は過去20年で10回訪日した。当初は日本のリーダーはマインドセットの変革に興味を示さなかったが、今回来日した際の興味の高さに驚いた。生産性を高めることに対する危機感が強い。大きな変革は困った状況にならないと起きないという点で、今は逆にチャンスだ

ただし、ストレングスファインダー®はあくまでツールであり、それを導入すること自体が目的化してしまっては本末転倒です。

「チーム全員がストレングスファインダー®の診断をやったからチームのパフォーマンスは上がるはずだ。」

ここにも書いたように、恐らくそんな簡単なことではないです。

ツールは、その目的を明確にして正しく使ってこそ、初めてその効果を発揮できます。

それをしっかりとお伝えしていくのが、我々ギャラップ社認定ストレングスコーチの役割だと認識しています。



文責 ギャラップ社認定ストレングスコーチ 知識茂雄