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チーム、組織の中でのストレングスファインダー®の活かし方

ストレングスファインダー®は、チームビルディングにも大変有効なツールです。

ここでは、ストレングスファインダー®を、成果の出せるチーム、組織づくりにどう活かせば良いのかを書いてみます。

自己理解、他者理解の不足がもたらすもの


誰しも、自分と他人は価値観が違うし、物事の受け取り方や考え方も違うということはわかっていると思います。

それでも、多くの場合、自分とまったく違う価値観を持つ人とすれ違い、ぶつかってしまいます

そして、この状態でいくらチームで協働しようと思っても、お互いに協力しあい、相補関係を築くことは難しいです。

誰しもが、自分なりの価値判断基準、つまり自分なりの正しさの基準を持っていて、その自分だけの基準で周りをジャッジします

これは、あたり前に誰にでも起こることです。

お互いの価値観は違うということを何となくは理解しつつも、具体的にどこがどう違うのか、その価値観の違いはどこからやってくるのかを真に理解できている人は少ないと思います。

結局、本当の意味で自己理解、他者理解ができていない限り、すれ違いやぶつかり合いは、いつまで経っても減ることはありません

ストレングスファインダー®での自己理解、他者理解がもたらすもの


ストレングスファインダー®は、自分に最も強く現れる5つの“資質”を教えてくれます。

ストレングスファインダー®の資質は、次のように定義されます。

無意識に繰り返し現れる、思考、感情、行動のパターン

資質は、価値観そのものではありませんが、人それぞれの価値観を反映したものだし、自分なりの正しさの基準を反映したものです。

この自分だけの思考の“クセ”を知ることで、自分がなぜ特定の場面で、繰り返し同じような振る舞いをしてしまうのかが理解できるようになります。

例えば、「慎重さ」という実行力の資質を持つ人は、特に初めて取り組むことに対しては、それを実行するにあたってのリスクを十分に検討し、そのリスクを排除するようしっかり準備をしてから事に当たります。

これは、「慎重さ」を上位に持つ人にとって、“失敗は回避すべきもの”というあたり前を持っているからです。

まず、こうやって自分がなぜ同じような場面で、同じような振る舞いになるのかを理解することが大事です。

そして、上述したようにストレングスファインダー®は、自分だけの特徴的な思考パターンを5つの資質の組み合わせで教えてくれます。

この組み合わせの数は、その順番も考慮すれば3,300万通りを超える数となります。

つまり、組み合わせは一人ひとり異なるのです。

とすれば、同じ場面であっても、自分とは違う思考パターンに基づき、違う振る舞いをする人がいるであろうことが容易にわかりますよね。

実際に、「活発性」という影響力の資質を持っている人は、「慎重さ」を持っている人と“失敗”に対する捉え方がまったく違います。

すなわち、「活発性」を上位に持つ人は、ある意味失敗に寛容なのです。

もっと言えば、「活発性」を上位に持つ人は、失敗ありきで動くことすらあります

「慎重さ」上位の人にとっては信じがたいことかもしれませんが、実際そうなのです。

このように、自分にとってはあり得ない思考パターンを資質という形で名前を付けて見せてくれることで、客観的にそれぞれの人の持つ思考のクセを知ることができます。

つまり、自分と他人は違うのだということを、事実として受け入れ易くなります。

これが、ストレングスファインダー®で自己理解、他者理解を深めることで得られることです。

すれ違いから、相補的な協働へ



ストレングスファインダー®の資質は、無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターンであるがゆえに、それぞれの資質に対してそれが無意識に強みとして発揮される面と、むしろ弱みになってしまう面の両面があります

上に挙げた例で言えば、「慎重さ」の強みは、ほぼほぼ失敗なく成果を出せることです。

一方で、弱みの部分は、どうしても、特に初めてやることに対してはリスク検討と準備に時間を割いてしまうだけに、動き出しが遅くなってしまうことです。

「活発性」はどうかと言えば、強みの部分は、躊躇なく行動を起こせる点です。

一方で、あまり事前に考えずに動き出してしまうことがあるため、やり始めたことが必ずしもうまくいくとは限らないし、ある面飽きっぽいところもあるので、成果が出るまで確実に実行するのが苦手という面もあります。

そういうある面を見たら相反するような資質を持ったもの同士が、お互いの“弱み”に目を向けてしまうとどうなるかと言えば、当然すれ違いますね。

「活発性」から見れば、「慎重さ」はいつまで経ってもなかなか動かないように見えているし、「慎重さ」から「活発性」を見れば、何でもやり散らかして続かないみたいに見えているでしょう。

これが、もし逆の見方、すなわち相手が自分の弱みを補ってくれる強みを持っていると見方を変えるとどうでしょう?

つまり、「活発性」の人から見れば、「慎重さ」の人は、自分がうかつに動いて失敗するのを未然に防いでくれる人と認識できるし、「慎重さ」上位の人から見れば、「活発性」上位の人は失敗に寛容で、躊躇している自分の背中を押してくれる人と認識できようになるでしょう。

この視点の切り替えこそが、相補的な協働関係を作り上げるのに必要なことです。

それぞれの人となりは何ら変わらずとも、それぞれの見方が変わるだけで世界は一変してしまいます。

まさに、ストレングスファインダー®マジックですね!

文責 ギャラップ認定ストレングスコーチ 知識茂雄



株式会社ハート・ラボ・ジャパンでは、ストレングスファインダー®を活用し、シナジー効果の出やすい相補的な協働関係に基づくチームビルディング研修を提供しています。